vsプリングルズマン/vsカットよっちゃん
これから体育の時間だ。
今日の体育はドッジボールをする。
体操着に着替えて外に出る。
ビッグカツ坊やは子どもたちからしか見えないが、ボールには触れることができるので、一緒にドッジボールができる。
「いくよービッグカツ坊や~」
「どこからでもかかってくるでカツ」
「それー」
ボールが勢いよくビッグカツ坊やに飛んでいく。
「ナイスでカツ」
ビッグカツ坊やがボールを持つ姿は大人からは見えない。
それにも関わらずビッグカツ坊やはドッジボールに参加してしまった。
「!?!?!?」
「ボールが浮いている!?」
「どういうこと!?」
「きっと疲れているんだわ......」
「ちょっと先生疲れてるみたいだから代わりの先生を呼びに行ってくるわね」
「危うく先生にバレる所だったよ」
「気を付けてよー」
「気を付けるでカツ」
「それより、先生が行っちゃったから皆でドッジボールの続きをするでカツ」
「その試合に俺様も混ぜて欲しいでプル」
「お、お前は誰でカツ」
「吾輩はプリングルズマンでプル」
「プリングルズの精霊でプル」
「そしてプリングルズの容器は簡単に解体できるからちゃんと可燃と不燃で分けて捨てるプル」
「ブラックサンダー将軍の命により、この地を調査しに来たでプル」
「そしたら運よく貴様を見つけたでプル」
「あービッグカツ坊やと同じ妖精さんなの?」
クラスの皆が集まってきた。
「お前はここでペットにでもなってるでプルか?」
「おめでたいやつプルね」
「これでも食らうプル」
「プリングルズキャノン」
ドドドドドドドドド
プリングルズマンの背中の砲台からジャガイモが飛んできた。
「うわ~」
「痛いよ~」
クラスの皆は逃げ惑った。
「プ~ルプルプルプル」
「この世界の人間なんて雑魚同然でプル」
「やめるんでカツ」
「皆をいじめるなでカツ」
「僕らが相手になるでカツ」
プリングルズマンの前にカツオとビッグカツ坊やが立ちはだかった。
「ちょうどいい的だプル」
「プリングルズキャノン」
ドドドドドドドドドドドド
「イタッ......イタタッ」
「物凄い攻撃カツ」
「さすがのビッグカツ坊やでもこの数のジャガイモ相手では避けられないでプル」
「諦めてうまい棒空気味を素直に差し出すがいいでプル
「ビッグカツ坊や、力を借りるよ」
そう言ってカツオはビッグカツの袋を開けて食べ始めた。
「ザクザク食感が美味しい~」
シュバババババババババ
凄い速さでカツオは反復横跳びを始めた。
「もうプリングルズマンの攻撃は効かないぞ」
「やったでカツ」
「さすがカツオでカツ」
「そのままプリングルズマンを正気に戻してあげるでカツ」
「フッ......」
「少しだけ吾輩の本気を見せてやるでプル」
「プリングルズキャノン」
ズドドドドドドドドドドドドドドド
さっきよりも凄い数のジャガイモがカツオに向かって飛んでいった。
シュバババババババババ
「その攻撃は効かないよ」
「ビッグカツ坊やの力を借りた今は敵なし状態さ」
「むむむ~小癪な~」
「さらに増やして本気の本気攻撃だプル」
「プリングルズキャノン」
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
おびただしい数のジャガイモがカツオに向かって飛んでいった。
シュバババババババババ
「ハァ......ハァ......」
「何とか避けきってみせたぞ」
「これでプリングルズマンには有効な技が無いことが分かったぞ」
「僕たちの勝ちだ!!!」
「クククッ」
「いい気になるのもここまでプル」
「まさか奥の手を使わされることになるプルとはな......」
「プリングルズの容器が円筒形状なのはなぜプルか......」
「それはロケットとして飛ばすためプル!!!」
「追尾型プリングルズロケット発射5秒前!!!」
「5...4...3...2...1...発射でプル!!!」
「こんなの簡単に避けることができるぞ」
カツオはプリングルズロケットを避けた。
プリングルズロケットを避けて一安心するカツオに再度プリングルズロケットが飛んできた。
「カツオ!!!後ろでカツ!!!」
「後ろからさっきのプリングルズロケットが飛んでくるでカツ」
「えっ!?」
「うわっ、危なっ!!」
間一髪でプリングルズロケットを避けた。
「吾輩のプリングルズロケットは標的に当たるまで止まらないでプル」
「負けを認めてうまい棒空気味を渡すなら止めてやってもいいでプル」
「反復横跳びする体力も無限じゃないでプル」
「いつかは疲れて当たるプル」
「くっそ~」
「どうしたらいいんだ」
それから10分が経過しようとしていた。
カツオの体力は限界を迎えようとしていた。
「一体どうしたらいいでカツか......」
「みんな~調子が良くなってきたからやっぱり先生が授業を続けるわ......」
「キャー!!!なにこれ......」
「楽しいドッジボールの時間のはずなのに......」
「校庭はボコボコ、生徒も倒れてる......」
「この短時間の間に一体なにがあったの!?」
「そうよこれは夢だわ......夢よ......」
先生は倒れてしまった。
「ドッジボールの時間......」
「ドッジボール......」
「そうか!!ドッジボールでカツ」
「カツオ!!ドッジボールを思い出すでカツ!!」
「プリングルズロケットをボールだと思うでカツよ」
「これはプリングルズロケットのドッジボールでカツよ!!」
「なるほど、そうか」
「これはドッジボールだと思えば良いのか!?」
「優しく側面を挟んで受け止める様にキャッチするぞ」
「よし!!!ここだ!!!」
カツオは見事にプリングルズロケットを受け止めた。
「な、なに~」
「吾輩必殺のプリングルズロケットをキャッチしたプルだと~」
「これはお返しするよ」
カツオは持っていたプリングルズロケットをプリングルズマンに向けた。
そしてゆっくりと手を離すふりをした。
「プルー!!!」
「やめるでプル」
「そんなのは精霊に向けちゃいけないでプル」
プリングルズロケットをプリングルズマンに当てるのはかわいそうだったのでロケットは床に突き刺しておいた。
「覚悟するんだ」
「正義のビッグカツパンチ!!!」
プリングルズマンは正義のビッグカツパンチをくらった。
「吾輩はここで何をしていたでプル......?」
「プリングルズマンはブラックサンダー将軍のブラックオーラで操られていただけでカツ」
「操られている間にしたことはちゃんと謝るでカツ」
「そうか......お前たちにも酷い事をしたプルな」
「この校庭の惨状をどうしたらいいプルか......」
「それなら僕に任せて」
そう言うとカツオはハッピーターンの袋を開けて食べた。
「手に付いた粉がたまんない~」
「ハッピーハッピーハッピッピー」
「ハッピーハッピーハッピーパウダー」
カツオの手から出たハッピーパウダーのおかげで、ジャガイモでボコボコになった校庭は綺麗に直った。
そして子どもたちも皆元気になった。
そしてプリングルズマンは子どもたちに謝ることになった。
「さっきは酷いことしてごめんプル」
「ええー」
「さっき痛かったからなー」
「みんな聞いて欲しいでカツ」
「さっきはブラックサンダー将軍に操られていただけで悪気があったわけじゃないでカツ」
「僕に免じて許してあげて欲しいでカツ」
「いいよー」
「操られてただけなんでしょ」
「ありがとうでプル」
クラスの皆とプリングルスマンはすぐに仲良くなった。
「ビッグカツ坊や、うまい棒空気味をプレゼントするプル」
「色々助けてもらったお礼プル」
「ありがとうでカツ」
「この1票、大事にするでカツ」
「あれ......?校庭がボロボロで子どもたちもボロボロに......?」
「なっていないわね......」
先生が目を覚ました。
「何言ってるの先生~」
「皆でドッジボールをしてただけだよ」
「ドッジボールで校庭がボロボロになるわけないじゃん~」
「しっかり休んだ方がいいよー」
「そ、そうね」
「ありがとう......」
「今日は色々あったでカツが、何とかなって良かったでカツね」
「そうだね」
笑いながらビッグカツ坊やと一緒に家に帰った。
******
「今日は縄跳びをします」
体育の時間に縄跳びをすることになった。
「縄跳び苦手なんだよなー」
「縄跳びのコツは自分に合った少し短めの縄跳びを使って手首だけで回すことでカツ」
「ビッグカツを食べて二重跳びマスターになるカツか?」
「それじゃあ意味ないんだよビッグカツ坊や」
「自分の力でできるようにならなくちゃ」
「ビッグカツを食べれば二重跳びができるようになるけど、それはビッグカツの効果が出ている間だけだから......」
「頼り過ぎは良くないってこの前学んだんだ」
「そういえばこの前の逆上がりのテストで逆上がりができなくなってたでカツね」
「自分で努力した方が良いって気付くなんてさすがでカツ」
「逆上がりはできないままだし、二重跳びぐらい一人で頑張るよ」
「けどあや跳びですら怪しいでカツ」
「やっぱりテストの間だけビッグカツを使わなくていいでカツか?」
「誘惑しても無駄だぞビッグカツ坊や」
「ちゃんと平等にテストをうけなくちゃ」
「まずはあや跳びの練習から頑張るぞー」
「10分休憩にしまーす」
先生の合図で10分休憩になったが、カツオは黙々とあや跳びの練習をしている。
「やっと見つけたでゲソ」
「僕はカットよっちゃんの精霊だゲソ」
「未知の世界の調査に行ったお菓子の精霊たちが戻ってこないため、ビッグカツ坊やにやられたって噂されてたけどそれはほんとでゲソか?」
「あと、カットよっちゃんは卵かけご飯にもあうでゲソ」
「もう噂になってるでカツか」
「僕たちはブラックサンダー将軍のブラックオーラにやられた同胞を正気に戻してあげているだけでカツ」
「カットよっちゃんも目を覚ますでカツ」
「ふん、ブラックサンダー将軍にあだなすものは成敗されるがいいでゲソ」
「カットスクリーム!!!」
カットよっちゃんはミニ黒板で爪をひっかいて音を鳴らした。
キイイイイイイイイイイイイン
「うぎゃああああああああ」
「凄まじい攻撃でカツ」
「カツオは大丈夫でカツか?」
「ダメだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「僕はこの黒板の音を聞くと背筋がゾクゾクっとして立っていられないんだ」
「今回はどうしようも無いよー」
「反復横跳びでもこの音は避けれないよー」
「それっ、追加のカットスクリームでゲソ」
キイイイイイイイイイイイイン
カットよっちゃんはさらにミニ黒板で爪をひっかいて音を鳴らした。
「うぎゃあああああ......もう......だめ......」
「ママー」
クラスの子どもたちが全員その場にうずくまった。
「何て強敵でカツか」
「これほどの攻撃......一体どうすればいいでカツか」
「ちょっと......10分の休憩の間にどうなってるの!?」
「皆うずくまってどうしちゃったの!?」
「縄跳びの時間はどうしたのー!?」
「ってなにこの音......」
「ああああああー耳がー」
「この音だめえええええええ」
先生もその場にうずくまって動けなくなってしまった。
「縄跳びの時間でカツか......」
「縄跳び......縄跳び......」
「そうでカツ!!!」
「縄跳びの音で黒板の音を防ぐでカツよ!!!」
「カツオー、縄跳びをするでカツ」
「二重跳びをして縄跳びの音で黒板の音を打ち消すでカツ」
「そうか、それは思いつかなかったよ」
「カットスクリームの威力はどうでゲソ」
「おとなしくうまい棒空気味をよこすならやめてやってもいいでゲソ」
「もしも渡さないっていうなら追加のカットスクリームをくらうでゲソ」
「これ以上は皆が耐えられない」
「ここで僕が立ち上がらないとクラスの皆がもっと苦しむことになる......」
カツオはポケットのビッグカツの袋を開けた。
「ザクザクの食感が美味しい~」
「いくぞカットよっちゃん!!!」
カツオは縄跳びを始めた。
ビュンビュンビュンビュンビュンビュン
「くらうでゲソー」
「カットスクリーム!!!」
キイイイイイイイイイイイイン
ビュンビュンビュンビュンビュンビュン
「もうその攻撃は通じないぞ」
「ぐぬぬ......」
「本気のカットスクリームをくらうがいいでゲソ」
「カットスクリーム!!!」
キイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン
カットよっちゃんはミニ黒板を床に置き、両手の全ての爪でひっかいて音を鳴らした。
ビュンビュンビュンビュンビュンビュン
「うぎゃああああ」
「縄跳びの音を貫通した~」
「この音むりいいいいいいい」
カツオは縄跳びをやめてしまった。
「本気のカットスクリームは防げないようでゲソな」
「さあ集めたうまい棒空気味を渡すでゲソ」
「だれがお前なんかに渡すものか......」
「あれはビッグカツ坊やと一緒に集めた皆の気持ちなんだ」
「それを奪うなんて僕が絶対許さない!!!」
カツオはもう一回縄跳びを始めた。
ビュンビュンビュンビュンビュンビュン
「無駄でゲソ」
「本気のカットスクリームは二重跳びでは防げないでゲソ」
「諦めるがいいでゲソ」
「カットスクリーム!!!」
「二重跳びなら防げないかもしれない......」
「でも......三重跳びならどうだぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ビュンビュンビュンビュンビュンビュン
「三重跳びだとぉぉぉぉ!?」
「まさか......そんな......僕のカットスクリームが届かないだと!?」
「これでお前の攻撃は全て封じた」
「さあ覚悟するがいい」
「正義のビッグカツパンチ!!!」
カットよっちゃんは正義のビッグカツパンチをくらった。
「僕はここで何をしていたでゲソ」
「正気に戻って良かったでカツ」
「ブラックサンダー将軍のブラックオーラにやられてブラックサンダー将軍の手下になっていたでカツ」
「そこにある黒板を使って皆を攻撃していたでカツ」
「ちゃんと謝るでカツ」
「そうだったでゲソか......」
「すまなかったでゲソ」
「黒板を爪でひっかく音で精神を削られた子のケアはどうしようでゲソ......」
「それじゃあ僕が皆の中の戦いの記憶を消すね」
「そんなことができるでゲソか!?」
カツオはハッピーターンの袋を開けて食べた。
「この粉がたまんないなー」
「ハッピーハッピーハッピッピー」
「ハッピーハッピーハッピーパウダー」
カツオの手から出たハッピーパウダーが皆にかかった。
するとハッピーパウダーのおかげで、皆は黒板の音がトラウマだった記憶が無くなった。
「ありがとうでゲソ」
「これで皆のトラウマのケアも何とかなったでゲソ」
「治してくれたお詫びにうまい棒空気味をあげるでゲソ」
「ありがとうでカツ」
「これからどうするでカツか?」
「一回国に戻って迷惑をかけた人に謝ってくるでゲソ」
「それがいいでカツ」
「また遊びに来るでカツ」
「バイバイでカツ~」
「バイバイでゲソ~」
カットよっちゃんと別れた後、ビッグカツ坊やと一緒に二重跳びの練習を頑張った結果、二重跳びができるようになった。
「やればできるでカツな~」
「うん、ありがとう」
今日も学校の平和は保たれた。