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「さて、次なのですが…騎士団長様、貴方の事を少しお話させて頂きますね。あぁ、

裁判長、これも後程今回の婚約破棄、国外追放に繋がりますのでご了承くださいませ。」


「な、何を言っているんだ!もう閉廷しろ!この悪女を追放しろ!」


まぁ、発言内容は威勢がいいですが…何やら震えていらっしゃいますね。

貴方には閉廷させる権力などない事を知らないのかしら?


そんな震えた状態でちゃんと踊れるのかしら?


「騎士団長様?私は裁判長様に許可を得ております。それに、今回の私の罪にも騎士団長様は関与されてますよね?大人しくそのままお聞きください。」


私は、再度指をパチンと鳴らします。

今度は、無念の死を迎えられた騎士団員の方々です。騎士団員の方々は、血まみれだったり、首に剣が刺さったままっだったり、どこかしらの体の欠損ある方だったりしますが…これは本人の希望にそったものとなります。

本人達たっての希望なので、私はそれを優先しました。


あ!でも今回は余りにも残虐な姿になりますので、そのままの姿が見えるのは騎士団長様のみにさせていただきました「。


だって、こんな状態の方々を見られては…多分傍聴席の方々全ての人が気を失ってしまうでしょう…。

それでは、この場に騎士団の方々の家族を呼んだ意味がなくなってしまいます。

最後のお別れまでが私のお仕事なので…。


さぁ、下準備はできました。

いきますわよ?

騎士団長様、しっかりダンスについてきてくださいませ?


「騎士団長様、貴方の別名をお聞きになったことはありますか?国民は皆貴方を英雄だと信じてますが、実際は違いますよね?貴方は、ただの逃走団長。勝ち目がないと分かると1番に逃げる。しかも部下をその場に身代わりにおいて…。今この場に姿を現された方は、貴方の後ろにずっと憑いておられた貴方の代わりに亡くなった団員の方です。可哀そうに…今の今まで、貴方を守らなければと思いここに留まっておらましたのよ?」


「な、なんのことか分からない。近衛兵、さっさとこの悪女を捕らえよ!」


騎士団長様が大声を上げられましたが、団員の方は動きません。


だって、これは逃走団長を追放できるチャンスでもありますものね?

中には歯を食いしばっている方もおられます。

あの方は、確かご友人を団長の代わりに亡くされた方だったはずです。


騎士団の方々はもう限界でした。

本当によく耐えられたものだと思います。


相手が騎士団長という位に立っている方だったせいで…真っ向から勝負出来ずに陰で色々模索されていましたものね。


大丈夫ですよ。

この方は私の獲物。

私がしっかり狩りとります。


優しく、この国に必要な皆さまの手をこんなバカ団長のせいでよごさせたくないのですから…。


部下の誰もが動かない状態にしびれを切らした団長様が動こうとした時でした。


『動くなよ。お前は俺たちの最後について聞くべきだし、お前もあの宰相と同じ横領犯でもあるんだから大人しくそこに立ってろ。いつものように殴りたいんだろ?いつもなら…俺たちが生きてたころなら殴って、蹴って黙らせてたもんな?でも俺たちはもう死んでいる。つまりお前は俺たちに何もできない!なぁ、折角また会ったんだ。話しようぜ?』


胸に剣が刺さったままの1人の男性が騎士団長様の前に立ち塞がりました。


同じ戦場で戦った仲間…。

いえ、同じ戦場にいた人間と言った方が正しい気がします。


私は口出しせずに暫くお二人に、いえ騎士団の皆さまに会話を楽しんでいただきましょう。


傍聴席に座られていたある男性に目配せすると、男性は頭を下げ走って行かれました。


彼には、もし私が騎士団長様を騎士団から追い出せると確信が持てたら、裁判所に必要な書類を提出してほしいと事前に私が頼んでいた方です。

どうやら、彼の目にも私の勝ち目が見えたようです。


さて、必要な書類も彼が準備してくれそうですし、騎士団長様の姿をみることにでもしましょう。


今日で、最後になりそうですものね?


騎士団長様。もっとリズムに乗って楽しく踊ってくださいませ?

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