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「お前…な、何をした…?」


嫌だわ宰相様、そんな真っ青な顔されては…。

仕方がありません。

説明して差し上げましょう。


「私は宰相様の後ろにおられた方々に少し魔力を渡して、皆さまに見えるように声が届くようにしただけですわ。見覚えのある方々でしょ?貴方の代わりに残業し、命を散らしてしまった方々ですもの。」


宰相様は、カタカタと震えられておられます。

そんな宰相様の前に1人の男性(霊体呼んだ方がいいのかしら?)が向かい合うように立ちました。


『俺たちは、お前の仕事させられていた。毎日家にも帰れず、ずっと職場にいたんだ。食事も1日1食食べれるか食べれないかだったのに…お前は!お前だけは三食食べて何ならおやつも食べてたよな。その上定時に帰宅。本当にあり得ないよな…。上司だったからあの時は言えなかったが、死んだ俺からしたらお前はもう怖くない!お前は、俺が家族に書いた手紙を全て握りつぶした上に、俺の死亡退職金も着服しやがってよな?なぁ、知ってるか?俺たちの職場は墓場って呼ばれてるんだよ。だって皆1カ月もしたら死ぬか、精神が病むんだからな!!お前からしたらいいよな。その人数分の退職金を着服できるんだからな!』


宰相様は、真っ青を通り越して白い顔になりつつも反論されました。


「お前作り出した幻覚かもしれないやつが言うことなんて誰が信用するものか!」


『幻覚…確かにそう見えるかもな。ならば俺が最後にした仕事内容を教えてやる。俺に友人のカーズが亡くなったこと関する後処理だ!勿論、死亡退職金は宰相お前の手に直接渡した!宰相…後ろを見てみろよ?カーズが首に縄付けたままお前を見ているぞ?』


その言葉を聞いて怯えながらも振り返った宰相様は、首に縄を付けたカーズ様を見てそのまま気を失いました。

あら?

もう終わり?

まだまだこっちは踊り足りないのに…。

仕方がありません。


「裁判長、宰相様の部下の方が裁判所に正しい書類提出してくださっているので、後程ご確認を。そして宰相様には正しい裁きをお願いします。」


私が指をパチンと鳴らすと、宰相様の下で亡くなられた方々が天使の羽を付けた姿で、家族の元に飛んで行かれました。

所々からすすり泣きが聞こえてきます。


その風景を静かに見つめた後、私は再度裁判長に声を掛けました。


「裁判長様、私はまだ言いたいことがあるので、続けさせて頂きますが…勿論宜しいですよね?」



私が微笑むと、裁判長様はカクカクと頷いて下さいました。

あら?

裁判長様にも、刺激が強かったのかしら?

それは、申し訳ございません。


だからと言って、辞めませんけどね?


あ、宰相様は近衛騎士に運ばれていきましたよ?

あの場に放置できませんものね…。



さぁ、次は貴方の番よ?


騎士団長様、踊る準備は宜しいかしら?

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