泣いていた君
明け暮れた夕方、淀川の河川敷で赤く燃える空にむかって泣いている少女が居た。
同じクラスの新美 花だった。
「なんで泣いているんだ?」
後先を考えず音無 稲穂は声をかけた
「あ、え…」
唐突に声をかけてしまったからか少女は驚いていた。
「いえ、あの」
そう言って戸惑った新美は階段の隅においていたカバンを持ち上げ走り去ってしまった。
「あ、帰っちゃった」
泣いているのを見られたから帰ったのか、自分だったから帰ったのか、そんな事を考えながら帰路に着く音無だった。
むさ苦しい東京から出てはや半年、高校は大阪がいいそう言って親の承諾をもらい、
一人大阪に住み、家は高槻、高校は梅田近くの十三にした。
家の理由は亡くなった祖父の家があるからだ、学校は少し頭の良い学校を選んだ結果十三になってしまった。
「やっと家についた、しんどい、引っ越したい」
そう言いながらも制服を脱ぎ風呂の用意と晩御飯の用意をした。
「今日は野菜炒めでいいか」
そうつぶやきながら帰り道のことを思い出した。河川敷で泣いていた新美のことだ。
(いじめでもあったのか?)
そんな事を考えながら晩御飯を食べ風呂に入り就寝へと至った。
久しぶりのストーリーを書いてちゃんとしたものが出来たらなと思っています。
今回の作品は頑張って続けていけたらなと思っています。