ソフト部のしごき
2016/5/16
総体予選 VS.伊勢山中学校
菜々山 スターティングメンバー
1.#10 鈴木真子 キャッチャー
2.#8 藤原優奈 ショート
3.#3 野中杏沙 ファースト
4.#7 溝中あみ レフト
5.#18 中田奏子 ライト
6.#6 楯田琴音 サード
7.#15 大田翔加 センター
8.#19 伊藤美桜 セカンド
9.#23 山口莉心 ピッチャー
最終回裏
ワンアウトランナー、2塁
5-3で菜々山が二点勝っている。
伊勢山のバッターは四番
一番いいバッターだ。
真子は考えた。
「最終回、みんな疲れてる。
特にショートの優奈はフラフラ。
次の五番は今まで打席全部凡退。
このバッターは歩かせて守りやすくした方がいいな。」
四番は歩かせた。
五番バッター
初球は莉心が一番自信を持っているストレートをど真ん中に。
これは空振り
二球目も同じコース。
ここはカットされた。
追い込んだ
最後はドロップで内野ゴロ、ゲッツーだ...❗
ここで欲張ったのがダメだった。
きれいに落ちたボールはベースに直撃。
予想外のバウンドをしたボールを真子は逸らしてしまったのだ。
ランナーは一つ進んでワンアウト、2,3塁。
「ごめん」と声をかけて返球
ワンボールツーストライクだ。
焦っているが顔に出さないように気を付ける真子。
キャプテンが動揺したらチームが崩れる...
真子は考える。
ワンボールツーストライク
ピッチャー有利のカウントだ。
バッターは多少ボールでも振ってくるはず。
アウトコースギリギリに構える。
ボール一個分外れた。
バッターは振らない。
選球眼がいいのか、たまたまか...
ツーツーだ。
次で仕留めたい。
莉心が疲れている。
しょうがない、ど真ん中でいくか。
ど真ん中に構えた。
バットがきれいにボールを叩く。
カキーン
センターに飛んでいく。
頼む。
翔加、捕ってくれ。
捕れなかった。
だが二塁ランナーの足が遅く、奇跡的に三塁で刺すことが出来た。
ツーアウトランナー2塁
一点差
「ナイスセンター!
次で終わらせるよ!」
と声を掛ける。
同じ失敗はもうしない。
次はインコースギリギリに構える
見逃しストライク
二球目も同じところ。
今度は降ってきた。
だが当たらない。
ツーストライク。
三球目もインコース
見逃してくれ!
願いが通じたのか見逃しストライク
やっと試合が終わった。
整列
5対4で菜々山の勝ち!
審判がコールする。
ありがとうございました。と挨拶する菜々山のメンバーの顔には笑顔は一切無い。
それどころか、負けた伊勢山の方は嬉しそうにしている。
菜々山は片付けを済まし、監督の前に集合した。
「不甲斐ない試合をしてしまい、申し訳ございませんでした。」
「申し訳ございませんでした。」
菜々山の監督は口を開いた。
「お前たちの目標は何だ?」
「全国制覇です。」
キャプテンが答える。
「こんなチームにギリギリでしか勝てないチームに全国制覇何て出来るのか?」
「できません」
「じゃあどうしたらいい?」
「練習させてください。」
「そうだな。」
「お前たちがもう二度と甘えたこと考えられないようにしごいてやる。」
地獄が始まった。
まだ続きます。