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1品目 〜この異世界転生雑すぎやしませんかね?〜

…どれぐらい寝ていたのだろうか…


こんな場所で寝てたら親父が俺のこと変態でも見る目で見てきそうだな…まぁ仕方ない、あれはまぁ…疲れすぎて立ちくらみでも起こして変なもの見たんだろう、仕方ないさ。


取り敢えず眩しい、となるとまだ夜にはなっていないはずだ…薄っすらと目を開けていき光に慣れていく、ゆっくり…ゆっくりと目を開けて視界を確保する、そして俺の見た光景は全く覚えのない景色だった…


**********


はや目を覚ましてから5分間、おかしい、俺はなんでこんなところにいるんだろうか、おかしくない?俺さっきまで桜の木の下に__


「たかし、あそこの桜の木の下はねぇ、異世界に通じているんだよ…」


ふと、昔婆ちゃんがつぶやいていた戯れ言を思い出す、いやまさかそんなはずがない、これって異世界転生ってやつ?いやないないない、だって…ねぇ?異世界転生だよ?そうしたら俺ここに来る前に女神とか妖精とかと出くわして色々「あなたは選ばれしものなのです!」とか言われるよ?普通?そうだよな?夢だよな…?


「ところがどっこい…これが夢じゃありません…!現実です…!………はぁ」


ここはどこか平原を流れる小川を渡す橋の下らしい、見渡すと陽に照らされてキラキラと輝く水面、少し目を細めれば向こうには牛や馬…家畜かな。


取り敢えずいまさっきまで俺が倒れていた場所に戻ってくる、するとさっきまでいた倒れていた場所がどこか黒く渦巻いているように見える、これだ、これがいつも俺の家の裏庭の桜の木の下にもあった"穴"だ。


戻れるんじゃね?


「いやまっさかぁ…」


俺が手を突っ込むとまたズブズブと"穴"に吸い込まれていく感触、俺はこれを1時間ほど前にも味わったことがある…!?


「おい待て戻れるの?この異世界転生雑すぎやしませんかね?」


異世界転生と言えば魔王を倒さなきゃ帰れないとかそういう奴じゃないの?今日び現実と異世界行ったり来たりでアイテム持ち込んで無双ゲーとか流行らないぞ?うん?


このまま戻るのも癪だし一応探検とかしてみたい、てかね、さっきから俺の真上をトカゲとひよこ合体させたようなブサカワな奴が飛んでるの、これ絶対モンスターだよな?


ってことは冒険者ギルドとかあるんじゃね…?


「…まぁちょっと覗いてみるかな、あそこにおあつらえ向きに街があるしな」


橋の上に立つと前方300m先くらいにまるでどこぞの巨人から町を守っているかのような、そんな高い城壁に囲まれた街が1つ、街だよな?街であってくれ。


「行くかぁ」


**********


ついちゃった、ちなみに言うと門番さん寝てたの、どんだけ警備ががばばなの?違った、ガバガバなの?


取り敢えず街の中心にある大きな役所のような建物の前に着く、この街を歩いていて思ったのだがこの街は異世界によくある近代ヨーロッパのような街並みだけでなくその中に明らかにコンクリートで建てられたビルやらが所々に立ち並んでいる、統一感ねえなオイ!


よくよく考えたら俺この国の言葉平気かな、まぁなんとかなるだろ、そんな軽い気持ちで冒険者ギルドに入ると大きな男たちが皆各々体験や弓、斧なんかも携えて1つの掲示板に密集している、あれに多分依頼とかそういうの書いてあるんだろうな、知らんけど。


「おや…?何かお困りですか?」


俺に話しかけてきたのは受付にいる健康そうな褐色に黒髪短髪の可愛いお姉さん、受付嬢さんとかかな?


「いやぁー旅のものなんですけどねー?ここで冒険者を始めたいかなぁってー」


頭をかきながら一応笑顔で返事をする、よかった、日本語は通じるみたい…


「なるほど、でしたら私のところの受付で冒険者登録をなさってください!」


「わかりましたー!」


「取り敢えずこの中からカードを選んでいただけますか?それがあなたの職業です」


「この中からですね、ほーん…」


カードに描かれているのは剣士に黒魔術師、白魔術師、冒険者に盗賊、商人、遊び人…方法まぁもうちょいあるようだけど俺は迷わず冒険者のカードを手に取る。


「はい、なるほどこちらの職業ですね、冒険者でしたら大抵のスキルなら覚えられますし便利ですよ!それではまずは初回ということで短剣と薬草などを貸し出ししますので簡単な討伐任務をお願いしたいと思います!」


「ほうほう、どんなモンスターですかね!」


「このスライムですね、打撃系統の攻撃は効きづらいですが魔法攻撃でしたらよく効きますのでわりかし討伐は楽な方です」


「ふんふん」


あんまりわかってないけど多分俺の最初の任務はスライムの討伐だと思う。


「で、では健闘をお祈りしてますね!スライムは平原の方にうじゃうじゃいると思いますので目標数は三匹です!頑張ってくださいね!」


「ありがとうございます!」


このときの俺はまだ知らなかった…このあと簡単にチャチャっと冒険者になると決めたことをここまで後悔する日が来るようになるとは…

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