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来世のはなし。

作者: 瑠威

珍しく書き溜めてません。

故に変な文字列になるかと。

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『幸せになろうね。』

『苦しめてごめんね』

『大好きだよ』

『来世は私に頂戴』

『今回は諦めてあげるの』

『褒めてくれていいよ』


喉を絞るように出された声は精一杯の強がりだった。

今月は貴方の誕生日だから。

プレゼント用意してたの。

また遊びに行けると思ってたの。

プールは。海は。美術館は。

水着は。お家は。電話は。

歌は。博物館は。ネックレスは。

思い出は。未来は。

約束は。



何処に。


まさかこんな邪魔がはいるとは。

こんなことになるとは思ってなかったの。

二人で、幸せになれると思ってたの。


貴方とならなんだってできると思った。


貴方となら、なんだって楽しいと思えた。


お金なんか要らなかった。


一緒にいれるだけでよかった。



望んだソフトな関係は自分自身で壊した。

貴方となら、ソフトな関係じゃなくていいと思った。

強引に結んだ関係は、強引のようで優しくて。

確実に幸せを掴んだものだった。

愛を感じられたから。

愛しそうに名前を呼ぶ声。

大事そうに私に触れる手。

たまに不機嫌になって拗ねた事もあったけど、それさえ今じゃ可愛いと思う。

もっと。構って。


貴方の恋は柚子ポン酢の様にさっぱりしてた。

私以外にはさっぱりしてた。

一回で拒絶が出来る貴方の恋は、ぐだぐだしない綺麗な終わり方でした。

私以外にはぐだぐだしない綺麗な終わり方でした。


三度の喧嘩と三度の正直。

見捨ててくれなかった事。

全部覚えてるよ。


別れようの後に電話をかけてきてくれた事。

元に戻るチャンスをくれた事。

好きだからこうなるの、と教えてくれた事。

本当にダメになりそうだった、でも優しくしてくれた事。

全部。

覚えてるの。


ねえ。

こんなに好きなのに。

なんで離れなきゃいけないのか。

浸食されてく考えに自分の正解を見つけた貴方を責める事も咎める事もしない。

貴方の役目を果たせば良い。

でも。

貴方の幸せに踏み込む不快を私は見逃せない。


渡さなきゃいけない。


渡したくない。

繋がりたい。



幸せになってほしい。

私の好きに応えなくていい。


でもね

忘れないでほしい。


貴方を幸せに出来るのは私しかいないと自負してます。


私が一番貴方を愛してる事。

私の一番は今世から来世にかけて貴方しかいない事。

私にとって貴方は酸素同然だった事。


忘れないで。


私を、一番愛してたのは

貴方しか居ないという事。


忘れないで。


忘れないでいて。


来世は幸せにするから。

今世できなかったこと、来世でしよう。

お互い幸せになろう。

貴方を幸せにさせてください。

貴方に幸せを感じさせたい。

今世でもらった貴方からの幸せを、今世返せないなら来世は倍にして二人で幸せになろう。


記憶を忘れさせてしまうスープ。

飲ませようとしてくる老婆。

そんなの。必要ない。

記憶を保持して貴方に会いたい。

貴方に会いに行きたい。

来世は幸せになろう。

来世がダメなら次の世で会おう。


…でも、嫌だな。

来世は私に一生を頂戴。

今世は諦めてあげるの。

でも、

諦めたくないのが本心だよ。

お友達にもなれないのかな。

一緒にお酒のみに行こう。

一緒ご飯食べに行こう。


貴方が自由になれるまでずっと待ち続ける。


今世、求めちゃいけないって言うなら。

来世を、一生を、私に頂戴。


今世、求めちゃいけないとしても。

私は忘れる事は出来ない。

貴方を求めて生きてごめんね。


私に幸せをありがとう。

貴方に幸せを。

私以外には貴方を幸せに出来る人なんか居ないの。


ねえ。



来世、どんな形で会おうか。

お互い恋を知らない時に会おうか。

初めて好きになった相手が貴方だといいな。

もっと縛っていいかな。

貴方をもっと求めていいかな。

来世は幸せにしてあげる。

誰にも渡さないよ。

誰にもあげないんだから。

大好きを、貴方に。

愛してるを、貴方だけに。





でも。

それでも。


欲張りだからさ。






今世、やっぱり待ち続けるね。

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