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予告編「回始」

ハードルを果てしなく上げていくスタイル! 小浦です。7月上旬に短編をいくつかあげようと思っとります。今回はその予告編として、短編をザッピングしながら載せてあります。とりあえず期待だけ高めておきますね。落差にご注意ください。


 クレノヤ・カロムはほくそ笑んだ。誰も越えることは叶わないとされる寮の壁をよじ登り、暗い土の地面を踏みしめた。月夜の風は背中を押すように強く吹き、勢いよく回る風車の音は心を奮い立たせる。


「やあ。見ない顔だね。どっから来たんだい? へえ、そんなとこから。まあゆっくりしていきな。ちょうど俺も仕事が終わって帰るところだ。なんなら案内するよ」


 男は何かを持った手で拳を作り振り上げた。途端、握りこぶしの間から黒い何かが、岩から漏れ出す水のように腕を伝いはじめる。


「気を付けろ、バンデはヤれれば人間じゃなくてもヤっちまうからな」


 身を押しつぶすほどの無力感。何の役にも立つことのできない私が、砦の安全な場所でのうのうと暮らしていることが許せなかった。


「だいたいそんな小さい子が! 一介の兵士をあんな無残に殺せるわけがないだろう!」


 風車を指先で逆に回しながら口笛を吹く。



「随分と手の込んだやり方だな。どれだけ待たせれば気が済むのだ?」

「しかも私たちに手伝いまでさせるなんて。いい度胸してるじゃない」

「あら、手伝っているのはこっちの方よ? 年寄りと引きこもりの運動をね。さて、泣くフリももうお終い。今度はアイツが泣く番よ」


 それでは始めましょう? 私たちのギャクテンを――


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