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他人のダンジョンへGO

けんけん、とよく分からない鳥の鳴き声を聞きながら目覚めました。

いや、鳥?何か他の動物かも。

その場で護衛していたシャドーパラディンに朝ご飯を作るように命令してから、

朝特有の倦怠感に身を任せます。


アンニカさんはまだ寝てるようです。

昨日も目覚めはよくなかったようですし、アンニカさんの体はやっぱり睡眠を必要とするのでしょうか?

いえ、睡眠を必要としないダンジョンマスターという体の方がおかしいというのは分かっていますけど。

特に予定もないですしこのまま二度寝としゃれ込むのもいいかもしれません。

もはや娯楽とかしたこの身であろうとも、いや娯楽であるからこそ二度寝というのはいいものだと思うのです。そうですね。やはり二度寝することにしましょう。

朝ご飯が冷めても致し方ありません。その時はまた作らせればいいですし。

食べなかった方の食事はどこかの孤児か動物にでもやれば無駄にはなりませんし。

そんなこんなで私はアンニカさんに引っ付いて二度寝をし、最終的に起きたのはそこそこ日が昇ってからでした。





【アンニカさんお寝坊さんですね】

「いや、それ私だけじゃないですよね。二人とも寝ていたんですから。」

【いえ、私は一度起きた後二度寝したので】

「一緒です。」

朝食は普通にこんがりと焼いたパンに程よく溶かしたチーズを乗っけたものです。

もっと凝ったものをシャドーパラディンに作らせることもできたんですが、

シンプルなものはシンプルな物なりの良さを持つのです。

ちなみにシャドーパラディンは何回もパンとチーズをを焼きなおしています。

起きたらすぐに食べられるようにと焼いたパンが冷めたら焼き直すようにさせてたら、

アンニカさんが起きたのが思いのほか遅かったので焼き直した回数は結構な数に。

冷めたパンはスタッフ、ではなく孤児がおいしくいただきました。


食べ終わってやはりデザートタイム。

朝なのでお菓子ではなく果物をいくつか。

そしてお茶を飲んで一息。


【それで今日は何をしますか?何もなければ私から提案があるんですけど】

「特に何もないですね。また明日来てくれないかって言われましたけど、何とか断りましたし。」

【頑張りましたね】

「はい、がんばりました。」

人と話すのが苦手と公言していたアンニカさんが流されずに自分の意見を言えたとは大きな進歩です。

頭を撫でよう、として手が届きませんでしたが、アンニカさんが頭を下げてくれたのでなでなで。

アンニカさんの頭はなんか撫で心地がいい。

しばらく撫でてましたが、名残惜しいながらも撫でるのをやめます。

これでは話が進みません。


【それでですね。ダンジョンに物見遊山に行ってみようかなっと】

なんだかアンニカさんに温かい目で見られてる気がします。

【別に町を襲撃から守るためだけじゃないですからね】

「はいはい、そうですね」

【まあいいです。ダンジョンの場所は聞いていますので早速行きましょう】

「はーい。」

一応町を守るためという名目もあるので温かい目で見られるのも仕方ありません。

割合的に言えば物見遊山が八割ぐらいですので少し抗議したい気はありますけど。


取りあえず町を守らせていた比較的高レベルの魔物達にダンジョンの露払いを任せます。

昨日でてきた魔物のレベルから推測すると、今回行くダンジョンはほぼ出来立て。

罠さえ警戒していれば何の問題もないダンジョンです。

それに街を襲うぐらい馬鹿ですから、私のダンジョンのベアアタックの様なダンジョンの仕様の抜け道を使った罠とかもなさそうですし。

岩を落とすような即死罠は設置できないけど、あくまで魔物の攻撃であるというベアアタックは私のダンジョンの原点であり、全てと言えるぐらいです。他の罠も大抵はその発展系ですからね。


私の魔物達が露払いをさせてるために、ダンジョンまでの移動は徒歩です。

その間に私の魔物達を侵入させる予定でした。

そう、予定に終わってしまったのです。

忘れてました。なぜだかはわかりませんが私の魔物達は他のダンジョンに入ることができないのです。

仕方ありません。

私とアンニカさんの二人でダンジョンの中に入ってみることとしましょう。

というかそもそもここのダンジョンに物見遊山で入って行きたいと思ったのは、

私の魔物が他のダンジョンに入れないから他のダンジョンがどうなっているのか見れないからでした。

うっかりしてました。




ダンジョンの前に着きましたが、言っておかなければいけない事があります。

【アンニカさん、言っておかなければいけない事があります】

「言うっていう表現でいいのか分かりませんがどうぞ。」

【ダンジョンの中にシャドーパラディンとかを連れて行くことはできません。

 私もどちらかというと後衛よりなんですが大丈夫ですか?】

「大丈夫だと思いますよ。」

即答ですか。

「私は前衛の真似事をすることもできますから。」

その魔女ルックで?

いや、私も前衛の真似事程度ならできるか。

私の魔物とシンクロで技術を共有すればいいんだし。

というか後衛も真似事でしかない。そもそも私、実戦経験ないし。

【私も前衛の真似事ならできます】

「なんでそこで張り合うんですか。まあ、大丈夫でしょう。心配するとしたら戦力より食料です。

 シャドーパラディンが中に入れないなら食料の補給もできませんから。」

【それもそうですね。適当な入れ物に保存食を持って行きましょうか。】

シャドーパラディンに影転移でリュックと保存食を持ってこさせます。後水も。

最悪の場合私は食べなくても大丈夫ですので、そこまで予備も持って行かないことにしました。

めんどくさそうならダンジョンを潜るのやめるので。


【さて、潜りましょうか】

「はい。」

私とアンニカさんは山肌にぽっかりと空いているダンジョンの入り口に入って行った。


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