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不審者っぽい人

「お母さんっ、おかあさん、おかあさんっ!」

「ちょっとこんな朝っぱらからどうしたんだい。ちょっとは落ち着きな。」

「そんな事言ってる場合じゃないんだよ。あの子がいないんだよ。」

「うん?トイレとかじゃないのかい?」

「見たよ、全部見たよっ。お風呂もトイレも倉庫も屋根裏部屋も、全部見たんだよっ。

 それでもどこにもいないんだよ。」

「・・・・・村を散歩してるっていうのはないのかい?」

「分かんない、けど、昨日、森に行った時に何かを気にしてて、でもお昼時だから帰ってきて、

 もしかしたら、抜け出して森に行ったかもしれないの!

 昨日は全く魔物も危険な獣も見かけなかったけど、普段は危険がたくさんあるのに」


さすがに母親の顔も険しくなる。

「とりあえず、いったん落ち着きな、っていうのは無理そうだね。

 じゃあ、あんたは取り合えず、村の中を探してきな。

 その間に私は森に行っても大丈夫そうな男たちを起こしてくるから。」

「うん、分かった。行ってくる。」









「お母さん、おかあさん、おかあさんっ!」

「今度はどうしたんだいっ。」

「あの子いたんだけど、なんか変な人と一緒にいる。」

「変な人って?」

「なんか魔女みたいな人。顔とかも全然見えないの。どうしよう。

 悪い魔女だったらあの子が人質にされてるのかも。どうしよう、どうしよう。」


「・・・・・・どいつだい?場合によっては私も出るよ。」

「あっち、村の入り口らへんだよ。」

娘が指す方向を窓から見てみるとそこから見えたのは、

悪い魔女があの子供を人質に取っている姿・・・・・・・・・・・

では当然なくて、あの子に手を引かれて(引っ張られて)歩いてる魔女風の人だった。

「いや、どう見ても怪しくないわ。子供に手を引っ張られて、怒った様子もないし。」

「えー、怪しいよ。文句言ってくる。うちの子をたぶらかさないでくださいって。」

だっ、と娘は駈け出して行ってしまった。

母親の予想ではあの魔女風の人も娘より、強いから下手なことを言わないかひやひやだ。

だっ、と母親も娘を追いかけて走って行ってしまった。


「おはよう、って誰もいないのか。朝飯もないし。あー、自分で作るか。」

後から起き出してきた父親は母娘がどこに行ったのかわからないので自分で準備をしだした。


その日の朝食は焦げ焦げだったがそれはまた別の話。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【アンニカさん、本当にいいんですか?

 あの家結構いろいろなギミックあるでしょう。作るの大変だったんじゃないんですか?】

「だっ大丈夫です。

 もともと私は探しに行かないといけないんですが、あなたはここに定住してもいいのでは。」

【隠しごとが多すぎますから】

ちらっと自分の影に目をやる。そこにはシャドー系の魔物がたくさん入ってる。


「そっそうですか。でしたら私も多くは聞きません。」

そのスタンスはありがたい。ダンジョンマスターっていうのは人類の敵みたいだからね。

ダンジョンからの魔石とかの資源はありがたいが、ダンジョンを放っておくと魔物があふれ出すからね。

だからダンジョンの入り口は厳しく制限される。

幸い私のダンジョンはまだ見つかってないから出入り自由だけど。

まあ、見つかっても星形の魔物の放出してるダンジョンだって分かれば解放される可能性もあるけど。


私の場合は置いといて基本的にダンジョンマスターは敵から見つかったら多分狩られる。

まあ、他のダンジョンは、と言うより今まで攻略されたダンジョンのダンジョンマスターは、

全部魔物だったみたいだからばれることはないと思うけど。



【ありがとうございます】

だから多くは聞かないって言われると安心できる。

アンニカさんもなんかいろいろあるみたいだからこっちからは聞かないようにしよう。

話したくないことを聞いて変な雰囲気になっても嫌だし。




あっ、シャーリーさんが走ってきた。

ってシャーリーさんが起きるまでに帰ってくる予定だったけどもう起きてる。

っていう事は抜け出してたって事がばれてる?怒られるかな?


「ちょっとあなたっ。この子をあんまりたぶらかさないでっ。」

いや、どういう事?何か怒ってる。

アンニカさんが助けを求めるようにこっちを見てるけどちょっと私にも意味が分からないんだけど。

がんばれ、取りあえず視線だけで応援しとく。


「あっあの、私アンニカと言います。よろしくお願いします。」

アンニカさん、アンニカさん、それちょっと、いや結構違う。

シャーリーさんも結構わからないけど、この状況でその挨拶をするアンニカさんも分からない。

ほら、今度はシャーリーさんが困惑して私に助けを求めてる。

がんばれ、とりあえず視線だけで応援しとく。


「えーっとどちら様?」

「あっ、はい、私アンニカと言います。得意なことは聖別です。」

「はっ、はあ。」

カオス、まさにカオス。会話がかみ合ってない。


二人の服の端をちょいちょいと引っ張る。それで二人がこっちを見た時点で念糸を展開。


【アンニカさん、こちらが先ほど話していたシャーリーさんです】

「よっよろしくお願いします。」

「こちらこそ?」

アンニカさんって人見知り?さっきから少しどもってるけど。私と話してるときはそんなの感じなかったけど。


【シャーリーさん、こちらアンニカさん。この人と旅に出ることにしました。】

「そうなんだ、よろし・・・・・・・旅?」

「はっはい、この度、一緒に旅をすることになりました。」

あっ、あとで落ち着いたら話すつもりだったけどうっかり。

えーっとシャーリーさんの反応は、うん、固まってる。


【とりあえず家の中に入りましょうか】

固まってるシャーリーさんと、アンニカさんの手を引いて家に行った。

途中でシャーリーさんを追いかけてきたらしいシャーリーさんのお母さんと合流した。

出て行ったシャーリーさんの形相から心配してついてきたらしい。

うん、出会いがしらが「たぶらかさないで」だったからね。

何かを誤解してたのは間違いない。

そうそう、結局家に戻るまでシャーリーさんのフリーズは治らなかった。



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