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(もう、帰った、よね……?)
今までと同じように、静寂に包まれているFA。
そっと目を開けた彼女は、会話ログの最終更新が2時間以上前であることに少々安堵する。
彼らが2時間以上も、会話もせずにこのエリアでじっとしているとは思えなかった。
でも彼女は念の為、恐る恐る鉄格子で囲んだ小さなスペース――牢屋っぽい小さな建物を見に行く。
会話ログが残っていないからと、100%安心出来る訳じゃない。もしもあの二人がグループ会話(二人以上のグループ内で外部に漏れること無く会話が出来る)をこの2時間していたならば、そのグループに属していない彼女の会話ログに履歴は残らない。
居ない振りをして安心させ、ノコノコと出てくるのを待っているのかもしれない。
しかし、そんな心配は杞憂に終わる。
牢には人の影も形もなく、鉄格子はいつもの通り冷たく無機質な鈍い輝きを放っていた。