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「――――ッ。」
家の中。彼女はフワフワのベットの上で、同じくフワフワの布団を頭から被って小さく丸くなる。
時折鳴る鈴の音。それは訪問者の合図。
訪問者は日焼けをした少年。彼は彼女のFA出たり入ったりを繰り返していた。
「もうやめてあげたら……?チリチリうるさいし……。」
一緒にいる若葉マークの少年は困り顔。
「でもよ、ここから出してもらうにはこうするしかなくねぇか?」
彼らがいるのはタテヨコ50cm程の幅しかない狭い空間。四方は鉄格子で囲われている。
その中に少年体型とはいえ男二人。色々な意味で危ない気もする。
「ハクさーーーん。」
若葉マークの少年の言葉が見える。
「この人たぶんしつこいタイプなので、開けてもらえるまで続けると思いますよー。」
つい視界に入ってしまった会話ログに眉を顰め、目をぎゅっと閉じて耳栓をした耳をさらに手でふさぐ。
そうやって彼女は、彼らが諦めるまでフワフワ布団に丸まって耐えていた。