おじいさん、若い女性といちゃついていて痛い目に遭う
おじいさんとおばあさんは子どもはいないのですがそれなりに仲良く暮らしていました。
しかしある朝おばあさんはおじいさんを裏切りを知ってしまいます。
おばあさんが朝食を作っている間、おじいさんは家の裏の路地にて一人の若い女性と会っていたのですが――おじいさんを呼びに行ったおばあさんはたまたまその様子を目撃してしまったのです。
「あんたは可愛いのぉ」
「えー、恥ずかしいよ」
「おばあさんはもうおばあさんじゃからのぅ、わしもたまには瑞々しい乙女といちゃつきたいんじゃ」
「もうっ」
「まぁまぁそう言わずに。あとでお小遣いをやるからの。許してくれぃ」
「そ。じゃあ、ま、いいよ。もうちょっとだけ付き合ってあげる」
祖父と孫くらいの年の差がある女性といちゃつく夫を見て、おばあさんは幻滅しました。
「おじいさん、一体何をしているんだい」
「ぬぅおっ……!?」
裏切りを見られたおじいさんは慌てますがもう手遅れです。
「離婚しますよ」
おばあさんは笑顔でしたが、その笑みは明らかに奥に闇のありそうなもの。
簡単に表現するなら、見る者をぞっとさせるような表情でした。
◆
おばあさんはそういったことに詳しい知り合いに連絡し、事情を説明し協力してもらい、やがておじいさんと離婚しました。
かなりスピーディーな離婚でした。
おばあさんには躊躇いがありませんでした。
数十も年の離れた異性に手を出す夫など彼女にとっては必要のない存在だったのです。
離婚後、おばあさんは、おじいさんや浮気相手であった女性に支払ってもらったお金で裕福に暮らしていきました。
幸運だったのは、二人が住んでいた家がおばあさんの持ち物として登録されていたことです。
それによっておばあさんはおじいさんを追い出すことができました。
裏切り者の夫は捨て、自由と余裕を手に入れたおばあさんは、近所の掃除などのボランティア活動に参加しながらのびのびと楽しく生活しています。
一方おじいさんはというと、浮気相手に渡すお小遣いでお金を使ってしまっていたところに慰謝料の支払いが重なったために、持っていたお金の九割以上を失うこととなってしまいました。
お金を失い、家を失い、長年共に歩んできた妻も失って――今は極めて貧しい路上暮らしとなってしまっています。
拾った葉っぱや木の実を食べ、公園の水道から水を飲む。そのくらいのことしかできず、孤独の中に佇む日々です。
自由な時間はかなりあります。しかしだからといって有意義なことをするわけでもなく。おじいさんはただひたすらに無意味なことだけで時間を潰し、お迎えを待つだけの暮らしの中にあります。
ちなみにおじいさんの浮気相手となっていた若い女性はというと、その後もそういったことを繰り返していたのですが、十回目の時、浮気相手の男性の奥さんに命を奪われることとなってしまったのでした。
◆終わり◆




