1.生きる!
東帝国。
ここは遺伝子をあやつるエストリニア女神が愛した土地。
彼女は鳥類こそ全生物の頂点と位置づけていた。
なぜなら翼があるから。
そして、彼女は愛する鳥達に全生物に変われる能力を授けた。
しかし、それをつかう鳥達はあまり存在しない。
なぜなら、他の生物は空も飛べない低能だから。
特に人間なんて鈍いし、楽しくなさそうに見える。
だから。
鳥が他の生物、特に人間に化けることは、あまりなかった。
ーーあまりなかったのだ。ーー
※ ※ ※
私は全身ピンク色の小鳥「モモイロノトリ」の雛。 孵化3日後。
暖かい「巣」というおうちの窪みで、兄弟達と丸く温めあって成長中。
今日もパパとママが運んでくれたご飯を食べて、いっぱい寝るんだー。
あ、ママが帰ってきたっ!!
兄弟達に負けないように、口を開けて鳴かなきゃ!!
ピィピィピィピィ!!
私にご飯ちょうだい、私に、ママッッ!
ママは私にご飯をくれたわっっ!
やったー、兄弟達に勝った!
『ごめんね……あなたはもうここにはいられないのよ』
え? 今、ママが私に言ったの?
悲しそうな顔をして、ママは私を見つめて鳴いた。
ご飯を食べた私は、お腹いっぱいで幸せだ。
ママは突然くちばしで私を、おうちの窪みから出した!!
ママ……何をするの?
怖いよ、どうしたの?
『人間との約束なのよ。あなたは私の雛であり、あの人間の雛でもあるの』
何? なんのことだかわからない。
私はママの雛よ? ニンゲン? ニンゲンって何?
その時!
ママはくちばしでおうちから私を落とした!
ママ! ママ! なぜこんなことを?
私は地面に叩きつけられた!
痛い! 痛い! 助けて、ママ!
『あなたがあの人間の雛なら、きっと助かるはず……元気でね』
私は……大きくなりたい。
モモイロノトリとして、大きくなって、広い空を飛んでみたい。
羽も生えていない雛のまま……このまま死ぬの?
生きたい! 生きたいよぅ……。
でも、このままじゃあ……寒い、寒いよ……
誰か……助けて……誰か。
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