幸せになるわけにはいかない。
しばらくして彼女たちの話を聞いた、まず、俺は丸一日寝たきりだったとのこと、いや、マジかよ、それでただの風邪な訳あるか?、まぁそれはひとまず置いておこう、問題はそれじゃない、一番の問題は湊のメンタル面だ、今は風邪で家で休暇をとっていると言っていた、でも正直、信用していない、小学校は皆勤賞だったし、中学校だって、ほとんど休んでいなかった、なのにこの時期に急に風邪になるなんて事、いや、可能性としてはなくはないが、流石にその可能性は低いはずだ、他にも問題はある、それは、彼女たちのメンタル的な面だ、何というか、今彼女たちの心はちょっと押したら崩れそうなジェンガのような感じだ、本当にギリギリでその状態を維持しているかのような、そんな危険な状態、考えるべきことは他にもある、両親のことだ、俺はあんなことを言ってしまった矢先、もう家に戻ることは出来ない、もちろん、戻ってきて良いと言うとは思うが、それは俺の心が許さない、いくら何でも、都合良すぎだろって、両親も思うに違いない、だから、家には戻らない、というか、戻れない、妹は全力で戻ってきてと懇願するだろうが、その言葉を受け入れることはないと思う、最悪な親不孝の息子を、あんな素敵な家族の間に割って入っちゃいけない、それに、妹とは血繋がってないしな。
でも、行く宛がない訳じゃない、いや、元々ないと思ってたんだが、よくよく考えれてみれば一つだけ行く宛があった、俺の全てを見透かしたような天才のゲーマー、繭住雫、あいつの家に行ってみるしかない、とは言っても、一週間は入院って言われたしな、面倒だけど、今は大人しくしておくとするか、それに、彼女たちにも、あれはバレていなかったみたいだ、一応ポケットの中に入ってたはずなんだけどな、案外人間必死だと気付かないものか、俺が彼女たちをこうも突き放したいのには、理由がある、両親しか知らない、秘密が、だから俺は、彼女たちと仲良くなりたくない、彼女たちに俺のことを好きになってほしくない、だから…あんなクズみたいなことをしたんだ、これじゃ、全てが台無しだ
「どうにか、彼女たちに、俺のことを忘れさせねえと、そうじゃねえと、俺は…」
扉が開いた。
「お兄ちゃん、体調は、大丈夫?」
「あぁ、もちろん、ただの風邪だしな」
息を吐くように嘘をつく、彼女たちはこんなにも俺のことを信用してくれているのに、俺は…
せめて、結衣だけには、真実を、伝えておかねぇと、な
「結衣、お前にだけは、伝えておかなきゃいけないことがある、大事な話だ、よく聞いてくれ」
「な、なぁに?、お兄ちゃん、そんな急に、大事な話って言っても、まだ、心の準備が」
「…よく聞けよ、お兄ちゃん、実はな、______」
突如、妹が膝から崩れ落ちた、信じられないんだろうな、まぁ、無理もない、でも、伝えておきたかった、せめて、血が繋がってなかったとしても、家族だけには、真実を
それからしばらく、妹は何も喋らなかった、泣き喚くわけでもなく、叫ぶこともせず、ただ、数的の涙をこぼして、俺に抱きついた。
それからしばらくたった後、妹はそのまま疲れて寝てしまった。
「まぁ、あんなの聞かされたら、あぁもなるよな、俺だって、多分そうなる」
でも話したことを後悔はしていない、
多少強引にでも、俺は、ハッピーエンドに持っていく、そのために、何だってしてやる、俺は笑顔が見たいんだ、こいつの、皆の、笑ってる顔が見たい、だから、今だけは皆に辛抱してもらわなきゃいけない、でもその行動で、後々幸せになれるなら、俺は喜んでその道を選ぶ、とはいえ、もう嫌われる作戦は無理だろうな、俺の行動がバレた以上、他の方法を考えなきゃいけない、それに妹には事実話しちゃったしな、でもやってやる
「ぜってぇ皆を幸せのエンディングに持っていく、バットエンドに行くのは、俺一人で十分だ」
そう、決意した、妹は寝つきがいいから、多分このことは聞かれていないだろう、それにしてもこんなに安心して寝てくれるんだな、俺を信用してこんな無防備で寝てんだな、この笑顔、俺がずっと守ってやりてぇなぁ、でも高校生とかになったらお兄ちゃんとか言ってくれなくなるんだろうな、今の幸せを噛み締めねぇと
それから約一週間が経ち、ついに退院できる日になった、退院するときには、晴と、琴音、それに結衣が出迎えてくれた、正直、嬉しいけど、なんか複雑な気持ちだ、そこの姿にあいつがいないのも、何だか、心にぽっかり穴が空いた、そんな気分だ、笑顔で迎えてくれているのに、俺はどうしてもあいつ無しで笑顔になることなんてできなかった
「退院おめでとう、一樹」
晴がそういうと彼女たちからも続けて退院を祝うような言葉をかけてくれた、退院した直後で本当に申し訳ないが、俺には行かなきゃいけない場所がある
「皆ありがとう、退院したばっかで悪いんだが、少し一人にしてくれ、行かなきゃいけない場所があるんだ」
そう言うと彼女たちは少し名残惜しそうにしていたが何とか一人になることに成功した。
いく場所は決まっている、あのバカの家に行って話す、何とかならなくても、行かなければならない、例え成功しなかったとしても、絶対に行かなきゃいけない、あいつとの関係が最悪な形で終わってしまうなんてのは、納得できない、それに、あいつには幸せになってほしい、俺の分も、背負って。
話は一樹が丸一日気を失っていた日までに遡り…
「ねえ、琴音ちゃん、何でわざわざ私を家に呼んだの?、そもそも、話すくらいならメッセージでいいんじゃ…」
「いや、ダメだよ、君には直接話しておく必要がある、一樹くんが何でこんなことをしたのかっていう真実を、ね」
一樹が何でこんなことをしたのか、私もそれは正直疑問に残っていた、だって、そんなことをして彼に何のメリットがある?、いや、仮にメリットがあったとしても、学校を退学になってまでそんなことをする理由なんて、思いつかない、正直、今の彼は…
「回りくどい言葉は苦手だ、だから率直に言おう、彼はね、演技をしたんだよ」
「演技?、一体どういう…」
「私たちに嫌われるために」
言葉が出ない、どういうこと?、なんで?、一樹は、私達を最悪な形で裏切った、はずじゃ
「詳しい理由は、本人に聞いたわけじゃないからわからないから、あくまで憶測になるけどね」
「どういう…こと?」
「そんな反応になるのも、無理ないよ、僕だってほんの少し前までは、立ち直れないほどのショックだった」
「…」
「彼が私たちに嫌われようとしている理由は、分からない、でも一つだけ明確なことがある」
「明確な、こと?」
「あぁ、彼はおそらく私たちのこと嫌いになんて、なっていないよ」
「…え?」
「彼は、とんでもない大馬鹿者で、辛さを一人で押し殺して、自分の辛みを悟らせようとしない、今回も、同じだったんだと思う、何らかの理由で、彼は、変わらなきゃいけなかった、僕たちに対して、冷たい態度を、いいや、最悪な態度を取らなければいけなかった、なぜだと思う?」
「そんなの、分かるわけ…」
「そう、わからないんだ、どれだけ考えても、彼のやりたかったのことの意図の一つすらね」
「何が、言いたいの?」
「意図なんてない、としたら?」
「…?」
「簡単な話さ、彼の行動に、意図がなくて、ただ私たちに嫌われるためにこんな事をした、まあそれもある意味意図があったと言っていいのかもしれないけど…」
「…なん…で」
「それは、本人に聞かないとわからないね、でも、彼はそれを言いたがらないだろう、彼は、どんな想いがあってこんなこと、したんだろうね、正直、僕にもわからないよ、彼があんなことをした時、どんな気持ちでやったのか、考えたくもない、考えるだけで、胸がはち切れそうだ、でも、それを実行した彼は、もっと苦しいはずだ、それを、見せようとしないだけで…ね」
「あ、あああぁぁぁ!!!、私、最悪、結局、私は彼を、信用してあげられなかった!、近くにいたのに、気づける距離に、いた筈なのに、!私は、彼の些細な変化すら、気づいてあげられなかった、は、ははは」
『最低、一樹…信用、してたのに』
なんて、最低な事を、言ってしまったんだろう、でももう、あの言葉は撤回できない
「ほんと、さいってい、私…」
深夜テンションで作ったため、日本語がおかしいところがありました、一応訂正しましたが、もしかしたら他にも日本語が不自然になっているところがあるかもしれません、その都度報告していただけると幸いです。




