表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラブコメ主人公の親友の俺、そんなの報われる筈がないのでクズを演じまして主人公を助けます  作者: Kinokonoko


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/10

episode 繭住

私の名前は繭住雫、17歳の高校一年生だ、え?、何で2年生じゃないのかって?、まあ何というか、留年ってやつだ、はっはっは…


「はぁ、一人で何考えてんだろ、私…にしても、まさか出席日数が足りなくて留年するとはねぇ…」


別に、成績が悪いわけじゃなかった、テストの点数もそれなりに取れてたし、友人関係が悪い、と言うわけでもなかった、でも、ある日急に、学校に行くのが面倒になってしまったのだ、理由は、ゲームに目覚めてしまったから、私は、興味がないものには全くやる気を出さないが、興味があることに関しては、人一倍頑張れる、そんな性格の私がゲームにハマり出したら好きを追求しすぎて1日の時間が全然足らなくなる、最初は家庭用ゲーム機で軽く嗜む程度だったが友達とゲームをするようになってからどんどんとのめり込んでしまい、最終的にバイトをしてゲーミングバソコンを自腹で購入した、その影響で学校にはほとんど行かなくなり、最終的に留年をしたということだ、でも最近は、学校に顔を出していた、理由は、行きたい理由があったから、その理由は、私の近所の子供、と言っても一個下の後輩、と言っても今は私が留年したせいで同級生の柊一樹、彼が入学したと聞いて最近は学校に行くようになった、と言ってもまだ自分から話しかけたことはないし、同じクラスじゃないから私が一年生にいる、と言うこともバレていない、でもここ最近、彼の様子が少し変だったらしい、同じクラスじゃないので本当かはわからないが、彼が同級生を泣かしたという噂が広まっていた、でも正直、疑う余地もなかった。


「だって彼は()()()だから」


前に私の家に来た時も嬉しそうに私と一緒にゲームをした、まぁあれもお世辞かもしれないけど…


でも彼と話している感じ、彼が嘘をついているようには見えなかったし、噂が広まっていたその日も彼は私の家に来ていたけど、いつも通りに接してくれていた、彼の前だといつも冷静さを欠いて思ってもない事を言ってしまうが、その度に彼がビクビクしているので怖がらせてしまっているのではないかと内心ヒヤヒヤしている、そんな日が続いたある日、彼が急に学校に来なくなった、いや、正確に言うなら、退学になった、らしい、理由はよく聴いていないが聞いた話によると問題を起こしたらしい、それも謝って許される問題じゃないほどの深刻な問題、詳細はよく知らないがそんな事を彼がするとは到底思えなかった。


そこから、結局学校には通っていない、現在、彼は病院で入院をしているらしい、今すぐにでも行きたいけど、


「ここら辺、病院多いからなぁ…」


数多くの病院の中から彼を探すのは正直至難の業であった、仕方なく諦めようとした次の日の火曜日だった、夕暮れ頃に突然家のチャイムがなり、私は仕方なくチャイムに対応した、誰かと思って扉を開けると、そこには彼の妹さんの柊結衣さんが家に来た


「あの、一体何の用事で、」


すると彼女は、今にも泣き出しそうな声と表情で声を上げた


「あ、お兄ちゃんのお友達、ですよね?、ちょっと、話したい事が、」

「いいよ、私にできる事なら」


すると彼女は、涙を数滴こぼしながら会話を続ける


「お兄ちゃんが、入院してて、夜な夜な悪夢にうなされているらしいんです、私…どうしたらいいかわかんなくって、お兄ちゃん、絶対に私たちに心配かけようとしないし…」


顎に手を当てて少し考え事をした後、顔を上げて私は質問をした


「一つだけ、聞いても良い?、何でいっくn…げほんげほん、一樹くんは退学になったの?」

「お兄ちゃんは…」


彼女は、言葉を詰まらせた。


うーむ、言いたくなさそう、無理して聞く必要もないし、ここは深く追う必要はないかな、最悪彼に直接聞けば良い話だしね


「ま、まぁいいや、話を戻そう、彼が夜な夜な悪夢にうなされてるんだったよね?、とりあえず今日その病院に行くから、その病院の場所を教えてくれない?、とりあえず会わないことには解決策が思い浮かばないからさ、ね?」



そう言うと彼女はこくり頷き、病院までの道を案内してくれた、病院に到着した時刻は大体19時頃だった、そこで、彼の病室に向かった、恐る恐る扉を開くと、彼はたまたま眠りについていた


「なーんだ、問題なさそうじゃん、ちゃんと眠れて…」


いなかった、うなされているわけではなかったが、寝ているのに、涙が流れていた、起こそうと手を伸ばしたが、妹さんに止められた、そのため思わず、声を荒げてしまった


「離してよ!、今すぐにでも起こさないと、可哀想でしょ!?」

「落ち着いてください、お兄ちゃんの睡眠を邪魔するわけにも行きませんし、幸いうなされてるわけでもなさそうなので…」


彼女の言葉に宥められ、私は手を下ろした


「…ごめんなさい、ちょっと取り乱しちゃった」

「謝らないでください、そもそも私が頼み込んだことなのに、無理やり止めちゃって、謝るなら私の方です、ごめんなさい」


少し気まずい時間が流れて、それに耐えきれずに、質問を投げかけた


「そ、そういえば、彼の退院はいつ頃になりそうなの?」

「う、うまくいけば、後五日くらい、だと思います…」


五日…か、彼と話したいことがたくさんある、でも恐らく、彼の様子を見るに、それどころではなさそうだ、正直、今の状態なら、私は家で待機して彼が遊びに来るのを待った方が良いだろう、遊びに来るかはわからないけど、多分来る…筈?、なので待機が安牌だろう。


それから毎日、彼の様子を見に行くようになった、かなり早い時間帯に行くので彼が起きている心配はなかったが、彼の状態は日に日に変わっていた、汗をかいていたり、結衣さんが言っていたようにうなされていたり、初日のように涙を流していたり、どちらにせよ、辛いことには変わりないだろう、私がしてあげられることなんて、彼と一緒にゲームをするくらい、自分の無力感に毎日打ちひしがれながらも、退院の前日まで彼の寝顔を見届けた、すると退院してしばらく経ったある日、彼が私の家にやってきた。


「一樹…」


正直、何と言葉をかければ良いのかわからなかった、普段なら、『いっくん、またゲーム?、そんなことばっかしてるから目悪くなんじゃない?』とか、そんな言葉を言ってたけど、今彼に言うべきなのは、慰めの言葉?、それともちょっと煽るくらい?、いやでも、今の彼に非難の言葉を浴びせるのは、あまりにも酷だ、そんな事を考えていると彼が急に、深々と頭を下げて


「泊めてくれませんか?、厚かましいってことは、わかってr、じゃなくて、わかってます、でも、本当に今は行く宛がなくて、お願いします…」

「何で?、私にメリットが何一つないんだけど」

「それでも、お願いします…」


再び彼が深く頭を下げた、こんな改まってお願いする必要なんてないのに、でもまぁ、聞きたいこともあるし、この状況をちょっとだけ利用させてもらおう、かな


「はぁ、わかった、良いよ、でも、条件がある」

「条件?、俺に出来ることなら…」

「何故退学になったの?、その理由を答えるまで、私の家には上げない」


我ながら意地の悪い質問だ、彼の妹さんですら言うのを躊躇ったのに、本人が直接言うなんて、言いにくいに決まってる、問題行動を起こして退学したのなら、尚更。


というかまぁ厳密にいえば私のお母さんの家だけど、今はお母さん海外旅行中だし、別に私の家ってことで良いよね?


「…」


彼は下を向いたまま、何も喋らなくなった、そりゃそうだ、私だって仮に退学したら、その退学になった理由を誰にも言いたくない、例えどんなに仲がいい友人でも…


「はぁ、わかった、中に入れてあげる、その代わり、今日中には退学になった理由を話すこと、気になって夜も眠れないから、いいね?」


彼が小さな声で返答をした、よほどの理由があるんだろう、私は昔からそれなりに勘が良いから、何となくわかる


「もしかして、他人を助けるためにやった…とか?」


まぁ、どうせ後で聞けるんだし、今こうして問い詰める必要はないか、


「ほら、入って、話は後ででいいから」

「…お邪魔します」


すごい他人行儀、まるで初対面の時みたい、まぁ初対面の時って言われても一樹と初対面の時私もの心ついてなかったからいまいち覚えてないけど


「ゲーム、する?」

「…します」


私に出来ることなんて、彼と一緒にゲームをすることくらいだし、私料理できないし、出前でも頼んでおくか。


にしても、元気ないなぁ、この状態じゃ今日中に聞き出すのは無理かなぁ、ま、焦る必要もないし、ゆっくり話を聞くとしようかな


しばらくして、二人でゲームをしていたらいつの間にか夜になった、彼の縮こまった態度は相変わらずだ、一体どうしたものか、変に刺激して余計状況を悪化させるわけにはいかないし、うーん、とりあえず今日はご飯食べさせて寝させよう、一晩過ごせばちょっとは変わるかもしれないしね


「とりあえず出前頼んどいたから、適当に食べて、話は今日じゃなくてもいいから」


すると、彼が突然口を開いた


「俺が、退学になった理由は、女子生徒に、最低な事をしようとしたから、未遂には終わったけど、その前の行動が映像に残ってて、それが学校で問題視されたから、退学になった、それだけ…だよ」

「…は?」


彼がそんなことするはずない、きっと誰かに脅されて仕方なく…


「もちろん、誰かの指示で動いたわけじゃない、俺の、自発的な行動、共犯者もいないし、指示役もいない、だから、退学も、当たり前のことなんだ」

「何で、そんなことを?、らしくないわね」


だめ、だめだめだめだめ、こんな冷たい言葉を言ってどうするの?、彼が今必要としてるのは、そんな言葉じゃなくて、もっとこう、安心させるような言葉を…


「俺の親友に、幸せになって欲しかったんだ、だから、こんな事をした」


言葉が…出ない、何か、何かを言わないといけないのに、まるで口が糸で縫われたような感覚で、何かを言おうとしても、言葉にできなかった


「…でも結局、自己満足だったんだ、他の人達には、結局迷惑かけちゃったし、結局親友は、俺との会話を拒んでる、だから、全部やってきたことが空回って、結局悪い結末に、自分から持っていったんだ」

「…」


しばらく、沈黙が生まれた、その沈黙の時間がどれくらいだったのか、いまいち覚えていない、もしかしたら、すごい短かったかもしれないし、すごい長かったかもしれない、でもどちらにせよ、気まずいことには変わりなかった、だから、話を切り上げた


「とりあえず、今日はもう寝ること、その話は明日からでも続きを聞くから、寝室は二階の使ってない部屋があるから、そこで寝て、いい?」


彼は無言で頷き、階段を登っていった、彼がいない事を確認して、一階の寝室で枕に顔を埋めて、泣きじゃくった


「あぁぁぁぁぁ!、何で、あんたは、他人のことばっか考えるの?、あんたが、一番辛いでしょうに…!」


私は、彼がそんな事をしている間、呑気にゲームをしていた、彼の行動に気づかず、呑気に一日を過ごしていた、彼のメンタルは、そん時からずっと辛かっただろうに、彼は、誰にも頼らず、一人で耐えてきたんだ、今すぐにでも、抱きしめて、『もう大丈夫だよ』って、言ってあげたい、『安心して』って、言ってあげたい!、なのに、私はどんな言葉をかけた!?


何で?、私にメリットが何一つないんだけど———


「あ、あぁぁ…」


最低だ、私、彼には、どんな時でも優しくしてもらったくせに、私は毎日冷たく遇らって、思ってもない事を言って…


「優しい言葉を、かけてあげたい…けど」


彼は、優しい言葉や、優しい行動を望まないだろう、なら、私はどうすればいい?、私に出来ることなんて、せいぜい住むところを与えて一緒にゲームをすることくらい、そんなことしかできない私に、彼は、頭を下げて、泊めて欲しいと頼み込んだ、ならせめて、それに応えられるようにしなきゃ、私が、年上として、彼の面倒を見なければ、それが、責任であり、


「私の、せめてもの、償い…」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ