第27話「盗まれた神鍵と、影の組織」
作者が思うモブキャラ最強ランキング(新大陸前)
1,第一話のユウを召喚した召喚士(コイツが居なきゃストーリーが始まらん)
2,鋼のレグナート(10話)
3,第二話の女将さん
迷宮最深部で沈黙の鍵を回収したユウたちは、政府の監視下にある都市セリュアへと一時帰還していた。だが、そこには休息を許さぬ報が待っていた。
「……もう一本、神鍵が奪われた?」
報告を受けたユウが顔を上げる。伝令役の官吏は苦々しい表情で頷いた。
「昨晩、王都アグナで厳重に保管されていた神鍵が、何者かの手により奪われました。保管庫はまるで、影が通り抜けたかのように痕跡すらありませんでした」
「犯人は?」
「影の組織と見られます」
その名を聞いて、空気がわずかに緊張する。影の組織──神鍵の収集を目的に暗躍する、影の組織。その構成員は極めて少数でありながら、政府が把握しきれないほど深く潜伏している。
「……行こう。鍵が揃えば、“扉”が開かれる」
そう呟いたのはナギだった。彼は迷宮で見た壁画──神の遺構と呼ばれる場所の記録が描かれた石版の意味を理解していた。すべての神鍵が揃えば、世界樹の扉と根に封じられた“創造主の遺産”に通じる道が現れるという。
「影の組織の目的が世界の終焉じゃないとしても、その遺産をどう使うつもりか分からない以上、先に回収しないと」
リュミエルもナギの隣で頷く。
政府の協力を得て、ユウたちは奪われた神鍵の追跡調査を開始する。すると、ある港町の地下遺跡に、影の組織の一人が姿を見せたという情報を得る。
向かった先で待ち受けていたのは、仮面をかぶった道化のような人物。青白い髪に、滑るような動作。そして手には、あの“盗まれた神鍵”。
「ようこそ。僕の“劇場”へ。今日の演目は、“選別”の物語だ」
レティカだ。影の組織幹部の一人にして、“選別”を信条とする女だった。
「選ばれし者でないならば、去れ。これは──神に許された者の舞台だ」
レティカは、そう言って影から影へと飛び、目にも留まらぬ速度で攻撃を仕掛けてくる。シエラの魔法も、メルアの銃撃も、全て幻のようにすり抜けていく。
「くっ、なんなんだよあいつ……当たらねえ!」
焦るユウ。その隙を突いて、レティカの手刀がユウの首元へと迫る。
だが──
「護るために……壊す!」
重々しく鳴る拳が、影を叩き裂いた。
「ベルゼ!」
瘴気をまといながらも、人を守るための力としてその拳を振るったのは、元魔王軍“四災”の一人、ベルゼ=ネスだった。
【瘴気の漆黒、己の強さ、神の鉄槌を下す者の魔法】
【穢神封印陣・葬影穿】
詠唱と共に、瘴気が螺旋を描き、レティカの幻影を打ち抜く。レティカは舌打ちすると、ふっと距離を取り、仮面を外すことなく一言だけ残す。
「……やはり、君たちは“選ばれる側”か。ならば、次の鍵で決着をつけよう」
次の鍵──最後の一本。
そう言い残して、レティカは虚空に溶けるように姿を消した。
神鍵は、回収できなかったがベルゼの覚悟はそれぞれが強く刻まれた戦いだった。
その夜、キャンプの火を囲んでナギは静かに言った。
「……あと一本。あれが最後の鍵だ」
「そして、それが揃えば──神の遺構へ通じる道が開く」
ベルゼ=ネスの言葉に、ユウは火を見つめながら深く頷いた。
「てか、ベルゼは大丈夫なのか?ホーリーセイバーから付けられて」
「えぇ、あまり気にせずゾルトと一緒に家で過ごしておりますよ」
「へぇ〜家買ったんだ」
「違いますよ、ユウさんの家に住ませてもらって居ますよ。」
一同沈黙した
「はぇ?」
「はぁ〜!勝手に人の家に住んでるのかよ!」
「そうだよ〜!2,3部屋空いてたから二部屋使わせてもらってるよ〜」
ゾルトが呑気に言うとシエラが
「じゃぁ、仲間ってこと?」
「確かにな、テレポーター渡したし一緒に魔王倒しに行く?」
ゾルトの方を見るベルゼ=ネス。1分立ってようやく返事を返した
「良いんですか?あなた達を殺しかけた私とゾルトを入れても?」
「俺は構わないが皆はどうだ?」
ユウの問いかけに反対するのは居なかった
「てことだから、よろしくな!ベルゼ!ゾルト!」
【待望のへっぽこコンビベルゼ&ゾルトが仲間になった!】
影の組織の真の目的。そして、封印された創造主の遺産。
全ての答えが、その扉の向こうにある。
第27話 完
次回「深淵の宴にて ― 解放されし機神の力と、交錯する野望たち ―」