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第2次政権で転生させられ、支持率が戦闘力になりました  作者: りにー
第3章 雨宮内閣の支持率を証明するとき
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53 最終決戦

 天地が割れるような轟音と共に、究極の決戦の舞台は設定された。曇天のもと、暗雲が垂れ込める中、雨宮内閣とヒーライ魔王の間に立ちはだかるのは、焼け野原と化した荒れ地だった。この地はかつて繁栄していた王国の中心地であったが、今や戦いの場と化している。


 雨宮総理は、重厚な鎧を身にまとい、手には光を放つ杖を握りしめていた。彼の表情には、国民を守るという重責が刻まれており、その眼差しは鋭く、決意に満ちていた。その背後には、彼を支える勇敢な閣僚たちが立ち並び、それぞれが特有の武器や魔法の力を纏っていた。


 対するヒーライ魔王は、その巨体を天に向かってそびえ立たせ、周囲を漆黒のオーラで覆っていた。彼の周囲では、地が裂け、炎と硫黄が空気を支配している。魔王の目からは赤い光が放たれ、それだけで周囲の生物を灰に変えるほどの力を持っていた。


「うおー!!!」


 戦いは、雷鳴とともに始まった。雨宮総理が先陣を切り、杖を振り上げながらヒーライ魔王に突進する。彼の杖から放たれる光の波動は、地を削り、空を裂いた。

 しかし、魔王はそれを片手で払いのけ、逆に暗黒の炎を雨宮に放つ。それにより雨宮は吹き飛ばされそうになるが、ギリギリのところで持ちこたえる。


「ふん、効かぬわ」


 空から降り注ぐ彗星と隕石を落とすため、福本官房長官は静かに魔法陣を展開した。その手には古代のルーンが刻まれた杖が握られており、その先端から放たれる魔法の光は天に向かって輝く長い尾を引いていた。


 一瞬のうちに、空は火の雨に包まれ、その光景はまるで終末のような恐怖を演出していた。福本の術によって空を埋め尽くす彗星や隕石は、魔王の前進を一時的に阻止する壁となった。


 この一時的な隙をついて、国破防衛大臣は地面を力強く叩き、その衝撃で巨大な岩石を魔王に向かって飛ばした。その岩石は風を切り、雷のような速さで空を貫いたが、魔王の身体にぶつかると、驚くほどの堅さにより跳ね返された。

 しかし、その衝撃で魔王は少しの間、バランスを崩した。


 その隙に、堂前はスキルを生かし、音楽の魔法を使い、ベートーヴェン、モーツァルト、ハイドンを呼び出した。


 三人の偉大な作曲家は、空前絶後のコラボコンサートを開始する。

 彼らの手から飛び出る音符は、鋭い剣のように魔王に向かって突き進んだ。幻想的な旋律が演奏される。

 それら音符は魔王の周囲を飛び回る時には、雑音に変わり、耳障りな音で魔王を悩ませた。


「う、うるせぇ!」


 しかし、魔王の力は圧倒的であり、彼は全身から黒いオーラを放出し、迫り来る攻撃を次々と跳ね返した。その強力なオーラは、攻撃を無効化するだけでなく、反撃の力としても機能し、内閣のメンバーを圧倒していく。


 雨宮は、仲間たちの攻撃が次々と無力化されるのを見て、一層の決意を固めた。彼は全ての力を結集し、最後の賭けに出ることを決めた。彼の声は魔法陣を通じて、全員に届けられた。


「皆、力を合わせて! これで終わりだ!」


 その呼びかけに応えるように、全閣僚は最後の力を振り絞り、一斉に魔王に向けて全力の攻撃を放った。空は彩りの魔法と、希望の光で満たされ、その光が一点に集中し、ついに魔王の防御を突破した。


 雨宮と閣僚たちは、その壮大な勝利を目の当たりにし、互いに肩を抱き合い、勝利を喜んだ。彼らの戦いは、伝説として語り継がれることだろう。


 それでも、雨宮内閣は諦めなかった。原が策略を巡らせ、最後の一撃を飾るためにピサの斜塔を召喚する。この塔は、かつての平和の象徴であり、今回の戦いで重要な役割を果たすことになる。


「これで終わりだ!」と原が叫ぶと、ピサの斜塔がゆっくりと傾き始めた。


「倒れるぞーー? ピサの斜塔がぁ!!!」


 それは、まるで時間を止めたかのようにゆっくりと魔王の方向へと倒れていく。塔の影が魔王を覆い、そして、地響きを伴いながら魔王の頭上に直撃した。


 ヒーライ魔王の転倒した瞬間、その周囲には一瞬にして静寂が訪れた。ただ、地響きの余韻と共に、戦場には深い安堵の息遣いが響いた。雨宮総理とその閣僚たちは、汗と土にまみれながらも、彼らが共に築いた勝利の重みを実感していた。勇気と連帯の力が、未曾有の危機を乗り越えさせたのだ。


 バトルフィールドに立ち尽くす彼らの周囲では、魔王の力によって荒廃した大地が、奇跡的にも生命の息吹を取り戻し始めていた。緑の芽が破壊された土地から顔を出し、壊れた木々が再び葉を茂らせ始める。魔法とは思えないほどの自然の回復力が、新たな希望を象徴していた。


 雨宮総理は、少し離れた場所で静かに天を仰いだ。彼の目には疲労の色が濃厚に滲んでいるが、その表情には確固たる決意と満足が浮かんでいる。彼のリーダーシップのもと、多大な犠牲を払いつつも、彼らは絶望的な状況を乗り越え、未来への道を切り開いたのだ。


「みんな、よくやった。これで、ようやく……」


 彼の言葉は、周囲の閣僚たちに温かく受け止められ、一同は力強くうなずいた。彼らの間には、言葉にできないほどの強い絆が生まれていた。戦いを共にした仲間たちは、その瞬間、ただの政府高官以上のものとなり、まるで家族のような連帯感を育んでいた。


 国破防衛大臣は、大きく手を振り、「これからも、このチームで頑張ろう」と力強く呼びかける。彼の言葉に、一同は笑顔を見せ、疲れを忘れて新たな誓いを立てた。


「そうだ、これからも一緒に頑張ろう!」


 そして、彼らはヒーライ魔王の倒れた場所から、新たな希望と共に歩み始める。彼らの心には、困難を乗り越えた自信と、これからの挑戦への不屈の意志が刻まれていた。


 この勝利は、ただの終わりではなく、新たな始まりを告げるものだった。雨宮内閣は、この戦いを通じて得た絆と経験を胸に、国民のため、そしてより良い未来のために、これからも前進を続けるのであった。

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