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第2次政権で転生させられ、支持率が戦闘力になりました  作者: りにー
第3章 雨宮内閣の支持率を証明するとき
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45 次の襲撃と総攻撃2

 イタチごっこのように、どこまでも尽きることなく湧き出る敵の波に、ついに雨宮内閣は劣勢を強いられた。


 これまでの戦いで彼らの体力は枯渇し、閣僚たちの疲労は限界に達していた。無限に現れる敵の軍勢は、一向に終わりを見せず、雨宮自身も内政の支持率の低下に直面し、彼の存在はかつての力を失い、まるで空気のように周囲から忘れ去られつつあった。


 しかしながら、他の閣僚たちはまだ戦いを諦めていなかった。高尾外務大臣はホールインワンを求めながら、車田国土交通大臣は九龍城砦の構築を進め、川畑法務大臣は法と秩序を守るために粛々とその職務を遂行していた。彼らは一丸となって、この未曾有の危機を乗り越えようと決意を新たにしていた。


 戦場は煙と火花で覆われ、爆発の光が夜を昼のように照らし出す。大地は衝突と爆音で震え、空は焼けるような赤に染まっていた。彼らの戦いは、悲壮感を帯びつつも、そこには捨て去ることのできない希望の灯がまだ揺らいでいた。


 それぞれの閣僚が自らの得意分野を生かし、どんな小さな勝利も逃さず、一歩一歩敵を押し返していった。疲れ知らずの敵に対して、彼らは知恵と勇気を結集させ、限られたリソースで最大限の効果を引き出す戦略を練り上げていた。


 この戦いは、単なる力のぶつかり合いではなく、持続可能な抵抗と精神力の真の試練となっていた。雨宮自身はかつての影響力を失いつつあったが、その内閣はまだ強固に立ち、彼らの団結力は敵に対しても大きな脅威となっていた。


 しかし、その抵抗もむなしく、内閣のやる気は完全に削がれてしまった。

 それは、ヒーライ魔王のワンランク下の四天王と呼ばれる軍団が満を辞してやってきたのだ。


「な、なんだあいつら……」


 疲労困憊の閣僚たちは、その黒い姿の四人を見て恐れ慄いた。

 見るからに黒く、悪そうである。一人は、大きな黒いペガサスのような馬に乗り、別の一人は、黒い雲に乗りながら横になり、髪の毛がヘビになっている。

 もう一人は、奇妙な黒い液体に包まれており、また一人は、悪魔のような大きな翼が生えている。


「やべーだろあいつら」


 片岡衆議院議長は、顔をしかめながら後ずさる。


 明らかに今までの敵とは違う。


「なあ、おい。あ、あれなんだよ」


 雨宮は、怯えながら隣の妖精に訊く。


「ああ、あれはヒーライの右腕と呼ばれる四天王です」

「右腕に四人もいていいのか……」

「え、ダメなんですか?」

「いや、別に……。そんなことよりも、やばくねぇか?」

「いや、これは相当やばいです」


 妖精の顔は、今までにない緊張に包まれている。その表情からも、雨宮はいよいよ本当に危機的状況にあると理解できた。


「ど、どうしたらいいんだよ……」

「戦うしかありません……」

「で、でも……!」

「ええ、しかし、それしか方法はありません」


 雨宮は、それ以上は何も言い返せなかった。まさか、こんなことになるとは。

 その間も、隣国のヒーライは容赦なくバケモノや魔人を送り込んでくる。

 圧倒的な数の暴力で、内閣の戦意は打ちのめされた。


「は、原さん! なんとかしてくれ!」


 片岡が叫ぶと、大財や勘解由小路も続いた。


「で、でも……。これには敵わなわねぇよ……」


 原の顔は、見たこともないくらい恐怖にまみれていた。その顔を見るだけで、心が痛くなるほどだ。


「福さん、隕石は?」


 雨宮が福本に頼んだ。福本は頷き、呪文を唱え始めた。

 空の彼方から轟音とともに現れた隕石は、前回よりもまた一回り小さくなっている。


「き、来た!」


 川畑が叫ぶ。しかし、その期待は虚しく、一人の四天王によって隕石は見るも無惨に砕かれた。


「嘘だろっ……?」


 唖然とする内閣に対して、一人の四天王が静かに口を開いた。


「フハハハハ、貴様らの呪文なんて痛くも痒くもないわ! たかが隕石! 砂粒みたいなもんよ!」


 黒いペガサスに乗る四天王は、腕を組みながら偉そうに、言って聞かせる。実際に隕石を破壊したのは、黒いペガサスの破壊光線ではあるが。


「な、なんなんだよあいつら!」


 まさか隕石が破壊されると夢にも思わなかった。これまでの敵とは全く違う戦闘力らしい。


「原さん、頼む! なんか出してくれ!」


 再び、内閣の視線は原に集まった。こうなると、原のセンスに頼るしかないようだ。


「で、でもなぁ……」


「おい! お前らの攻撃は以上か? 以上なら私たちも行かせてもらうぞ」


 ヘビ髪の四天王が、ぐーたらしながら言った。その態度に、堂前文部科学大臣が腹を立てた。


「初対面の人と接する態度ですか!」


「まあまあ、綾さん。今はそんなことどうでもいいから」


 先ほどの指摘は明らかに場違いだが、生まれも育ちも京都で、美しい日本の暮らしを追求してきた家庭で育った堂前には、耐えられなかったのだろう。


「せめて立て!」


「まあまあ……」


 憤慨する堂前を、ヘビ髪はケラケラと笑っている。その笑い声は、タバコと酒でやられた女のようなガラガラした声のようだった。


「やれ」


 黒いペガサスの四天王が、ヘビ髪に合図した。

 ヘビ髪は頷き、頭のヘビをブワッーと噴射した。見るに耐えないグロテスクな映像は、内閣の戦意を今度こそことごとく削ぎ落とした。

 そして、吹き飛ばされた黒いベビは、閣僚目掛けて飛んでくる。


「ぎゃゃぁぁぁぁぁああ!!!」


 高尾外務大臣と堂前は、声帯が掠れるのではないかと心配になるくらい大声で悲鳴をあげた。爬虫類が得意な勘解由小路も、こればかりは無理だったようだ。

 大急ぎで走って逃げていく。


 先ほどのヘビ髪の女に対してまだ不満を抱いていたのか、堂前は呪文を唱えた。

 堂前のスキルは、歴史上の偉人の力を借りるというものだった。雨宮は、堂前が初めてスキルを使う瞬間を見た。それは、女性とは思えないほど力強い声と意思が目に見えた。


「ディオスコリデスさん! お願いします!」


 その瞬間、堂前の上に魔法陣が現れ、一人の壮年の男性が現れた。


 ペダニウス・ディオスコリデス--薬草学の父。


「ディオスコリデスさん、あのクソヘビをやっつけてください!」


 堂前が少し激しい口調で、薬草学の父に頼んだ。壮年はゆっくりと頷き、左手に持った本をゆっくりと開いた。


 その時、本は綺麗な緑色に輝いた。それと同時に、本の中から夥しい数の美しい緑の葉が吹き出してきた。


 それは、まるで緑の楽園に暴風が吹き荒れたように、葉は猛ってヘビにぶつかっていった。

 葉に当たられたヘビたちは、苦しみ始めた。奇妙な鳴き声、恐ろしい鳴き声、気持ち悪い鳴き声、それぞれ個体によって異なるが、どのヘビにも効果は抜群のようだ。


「やるな! 綾さん!」


 勘解由小路が褒め称えが、堂前は依然として四天王を睨め付けていた。


 大方のヘビが撃退されると、ヘビ髪四天王は、驚愕の目をしていた。

 これでこちらが優勢か、そう思った矢先、黒いペガサスの四天王は再び恐ろしい声で笑い始めた。


「ヌハハハハ、それだけで勝ったと思うなよ?」


 その時、黒いネバネバした液体に包まれた四天王がその液体を噴射し、森川、車田、川畑、高尾、杉林に直撃した。


 その液体は、力強く彼らを掴み、話さなかった。その時、黒いペガサスの四天王は、体から黒い電気を発し、森川たちに電撃を浴びせた。


 電気ショックを受けた彼らは落下し、地面に叩きつけられた。もちろん意識はなかった。

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