今回の不正評価騒動から見えてくるなろうの特性
いっけなーい、ちこくちこくー!
うん。若干というか、かなり出遅れた感がある。
お知らせで見たときに「ああこれは、ネタになりそうだな」と思ったけどそのまま寝たら、次の日エッセイ界で案の定ネタになっていた。
まあ、そうだよね。そうなるよね。
ということで遅参組として、今のところ見ていない観点で書こうと思う。
・なろうの対応の是非
個人的には、お知らせで告知するのは悪手だったんじゃないかなと、思う。
というのも、人間にはバンドワゴン効果というのが働く。
今回の騒動を見て、たぶん半分の人は「けしからん」と怒り狂い、三割の人は「絶好のネタだ」と筆を執り、二割の人は「そんなことしてる人がいるんだ」ぐらいに考える。
そして、その二割の人の一割ぐらいが「だったら私もやってみよう」みたいに、悪いことを考え出す。
本当に治安を維持したかったなら、ただ粛々と対処するべきだった。
今回の対応では、むしろ模倣犯を増やすきっかけになると思う。
・処罰についての是非
すでにエッセイで書いている人もいるが、対象者のアカウント停止という処罰は、いろいろと不正を生みかねない。
そもそも確認する方法がない。
急に伸びた作品があったとして、実はなろうの関与しないところで(リアルの友人に紹介しまくったとか)伸びた原因がある可能性もあるし、あるいは第三者によって2000円課金されただけなのかもしれない。場合によってはあえて貶める目的で。
それに対して「親作品の削除」というのは、見当違いかと。
やるべきことは「評価の無効化」でしょ。それ以上のペナルティは不要。なんだけど、今のなろうの仕組みだとそれじゃ意味ないんだよね。
不正な評価を受ける人間の目的は「一瞬でもいいからランキングに表示される」ことだから。すでにブーストとしての役割を終えた評価点など、ああ消えてくれて何の問題もないわけだ。
そういう意味だと、そもそも今のランキングシステムに脆弱性があるってことになるけれど、それはまた、別のお話。
・騒動のおおもとになった人について
擁護するつもりはない。幼稚だなあとは思ったけれど、でも非難するつもりもない。
だってそもそも、なろうの規約違反ではあったとしても、違法行為をしてるわけじゃないから。誰にも裁く権利はない。はず。
むしろ、なろうからしたらいいきっかけになったのでは? とも考えられる。
これまで以前にも、評価の不正は横行していたと思う。知らんけど。
売れない自称小説家としては、他の人が評価されてるのは、なにかしらの不正があったからだ。と言いたくもなるし、実際問題、全くないわけでもないと思う。言い訳がましく聞こえることは承知の上で、あえて書いてる。もちろんすべての作品がそうだとまで決めつけるつもりはないけれど。
相互評価のグループだとか、リアルの友人に評価を依頼だとか。
で、今回のこの騒動は、そういう問題を浮き彫りにするきっかけにむしろなったのでは?
というか、違う。今回の騒動は、すでに起きた過去の事象で、これをどう今後に生かすか。が、大切なのではなかろうか。
少なくとも、騒動を起こした当人や、巻き込まれた小説家を非難するだけで、何かがよくなるとは思えない。けど、そもそも誰も変化なんて望んでないから、どうせなあなあで終わるんだろうな。という気はしている。
つまり、そもそも対応としてはそんなに良くないというか、あまり考えられていないんだろうと判断せざるを得ない。
・なろうの特性
少し話が飛躍するのだけれど、なろうというか、ひなプロのは基本的に「素人集団」だと考えられる。
今回の対応についても、公式発表というよりは場当たり的な感じがする。
雰囲気としては、個人が運営しているブログとかで「おしらせ」する感じに近い。
具体的にどこが、っていうわけじゃないんだけど、雰囲気的に。
今回の件を抜きにしても、そう感じさせる点はある。
たとえば、ランキングのシステムとか。
一部の人しか利用しない活動報告とか、たぶん誰も読んでいないお便りコーナーとか。
かたくなにインセンティブ制度を導入しないこととか。
曖昧さというか、不完全さのようなものが全体的に残っている。
そしてそれこそが、なろうの良さだと個人的に思ってる。