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「なんと、余に上洛して拝謁しろと!」


 将軍家高は目をひんむいた。


「・・・なんという傲慢、厚顔無恥であるか!今、朝廷があるのは将軍家のおかげだぞ・・・いっそのこと捻り潰してくれるか!」


 家高はせわしなく動き回った。


「どうするのだ。輝孝よ」


「日の本の主である上様に上洛せよとは、不届き千万」


「であろう」


「しかし、畏れながら」


「・・・なんじゃ」


「帝家を廃するには、まだ足らぬかと」


「これほど余は侮辱されたのにか」


「上様は、さらなる寛容さを持って事にあたるべきかと、仏の顔も・・・と申します」


「みっ、三度も待てと」


「王たる風格を持って事にあたりましょうぞ」


「・・・分かった。しかし輝孝、次の返事によっては朝廷を潰す」


「御意」


「うーむ」


 家高は唸り声をあげ、やり場のない怒りを押し殺した。


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