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「そなたはどうやっても、考えを曲げるつもりはないのだな」
「陛下に諫言つかまつるのに二言は無用」
「・・・ふう」
桜は溜息をついた。
「強情な男よ」
「恐れ入ります」
「しかしながら、ケジメをつけねばならぬ」
「御意」
「朕は神である自分を疑う訳にはいかないのだ」
桜は決心した。
戦う事を。
「はっ」
「一条道香よ、そなたに蟄居を命ず」
桜は断を下した。
「仰せのままに」
「朕の考えに反する者も同様の処分にする」
臣下の中で桜に物言う者は、もはや誰もいなかった。
「内前。幕府には断りを・・・朕、自らが申していると伝えよ」
内前は頷いた。
「これにて、この件は終いとする。以後は波風をたてることは許さん」
「ははっ」
道香をのぞくすべての臣下の者達は、桜に従った。




