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番外.欲張り令嬢の記録⑪

たくさんブックマークありがとうございます<(_ _)>

暴力シーンありご注意。

自室に戻る途中、廊下でいきなり後ろから突き飛ばされた。

立ち上がって振り向くと、予想通りアイビーの取り巻き達がいた。

「あ~らゴメンナサイ、地味すぎて気づかなかったわ」

取り巻きのリーダーの男爵令嬢が、腕組みしながらニヤニヤ嗤う。後ろの取り巻き達も、それに追従して嗤った。

彼らは私を取り囲むと、上辺さえも取り払い罵り始めた。

「アンタ邪魔なのよ!」

「サッサと次期当主を辞退しなさいよ!」

「ていうか出て行けよ!」

「死ね!」

そう言って私をボールのように、他の仲間のところに蹴り飛ばし続けた。

(このくらいでいいかしら)

しばらく蹴り飛ばされた辺りで、私はわざとふらついて傍の台座に寄りかかる。

「おいおい、お楽しみはこれからだろぉ?このくらいでへばるなよ?」

そう言って私の襟首をつかんで、再び蹴り上げようとした男の頭を、台座の上に飾られてる花瓶で思い切り殴った。

「ぐあっ!」

「きゃあっ!」

殴った男はうめき声を上げると、そのまま床に崩れ落ちた。みるみる床が血に染まっていく。

「な、なんてことするのよ!」

「人を殴るなんて!」

「人殺し!」

「だから何?自分達がついさっきまでやっていたのは何?『死ね』とか言ってたわよね」

それでも彼らは止まらない。

「アイビー様に言いつけるわよ!」

「何もしてないのにいきなり殴って来たと言ってやる!」

「今度こそ追い出されるわよ!」

「フッ」

彼らの主張に鼻で嗤って返す。

「何がおかしいのよ!」

男爵令嬢が食ってかかる。

「事実をありのまま言うわよ。『廊下を歩いてたらいきなり殴って来たから、抵抗したら当たった』とね」

今度は男爵令嬢が鼻で嗤って来た。

「アンタの言う事なんか公爵が信じるもんですか。こっちの方が人数が多いもの、口裏を合わせれば…」

「それはどうかしらね?」

言いながらすぐ傍の空き部屋のドアを開ける。

「「「「「!!」」」」」

そこにはハンナを始めたくさんの古参のメイド達がいた。

「ねぇ、貴方達見たわよね?私がこの人達に蹴られてるところ」

代表してハンナが一歩前に出る。

「はい、確かに見ました」

その言葉を聞くと彼らに振り向く。

「実の娘や長年仕えた使用人の言う事と、縁もゆかりもない赤の他人の言う事と、お父様はどちらを信じると思う?」

彼らは一瞬で顔色を変えたが、それでもまだ悪あがきを続けた。

「あ、アイビー様に頼めば…」

「そうよ!公爵はアイビー様に弱いもの!」

「アイビー様にとりなしていただければ何とか…」

「アイビーのとりなしで本気で何とかなると思う?」

にっこり笑って彼らにとどめを刺す。

「な、なるわよ!公爵はアイビー様に甘いもの、きっと…」

男爵令嬢が自分に言い聞かせるように必死に言い募る。

「この前の快気祝いの騒ぎを忘れたの?確かにお父様は私よりもアイビーの言う事を優先させるけど、それ以上にご自分の自尊心や家の体裁を優先させる方よ?ただの姉妹喧嘩ならともかく、下位の貴族が公爵家の人間を侮辱して、暴力をふるったと聞いて許すと思う?」

許せば「平民や男爵家に侮られる公爵家」と貴族中の笑い者になる。アイビーがどれほど懇願したとしても絶対に許さないだろうし、場合によってはアイビーをも切り捨てるだろう。

「あ…」

男爵令嬢にもようやくわかったようだ。真っ青になって黙りこむ。

と思ったら突然土下座した。

「も、申し訳ありません!」

「お許し下さい!」

「出来心だったんです!もうしませんから…」

令嬢に倣って取り巻き達も一斉に土下座する。

「さてどうしようかしら?」

わざとらしく首をかしげる。

「とりあえず私の前に…彼女達に謝ったらどう?」

そう言ってハンナたちの方を見る。

取り巻き達もつられて彼女達に顔を向ける。

「貴方達ずいぶんと乱暴な態度をとったんですってね。まず彼女達に謝ったら?」

「「「「「な!」」」」」

彼女達が立ち上がって抗議する。

「ちょっと待って下さい!貴方ならともかく、使用人に頭を下げろと言うのですか!?仮にも貴族令嬢の私が!」

「それが何か?公爵令嬢に罵倒と暴力を浴びせた男爵令嬢とその取り巻きの平民さん?」

笑いながら首をかしげると、彼女達の顔が屈辱で染まる。だが反論はない。

ここで身分差を言い募れば「格上の令嬢に乱暴した自分達は何だ」となる上、即公爵に報告されて身の破滅だ。

男爵令嬢が渋々彼女達に向き直り土下座する。

「…申し訳ありませんでした」

それを皮切りに、取り巻き達も次々土下座する。

「申し訳ありませんでした」

「もう2度としません」

「大変ご無礼をいたしました」

屈辱に染まる彼女達の顔を見て、大分溜飲が下がった。

とはいえ、これだけで済ますはずがない。

「…と言ってるけどどうする?」

話を振るとハンナは大きなため息をつきながら「今度は即公爵様に報告させていただきます」とだけ言ってメイド達を連れて出て行った。



注意が抜けてました。すみません<(_ _)>

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