番外.欲張り令嬢の記録④
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「ほら見てお父様、こんなに可愛い髪飾り貰ったの」
「ほう、中々よい細工だな」
「でしょう?しかも色違いの予備も貰ったの。これならその日の気分で付け替えるのも楽しそう」
晩餐の席ではしゃぎながらアイビーが自慢する。
(予備じゃなくて私宛の贈り物でしょうに)
貰ったという2つの髪飾りの石はそれぞれ私とアイビーの瞳の色をしていた。どう考えても片方は私宛だろう。
自慢しながらチラチラとアイビーが優越感に満ちた顔でこちらを見てくるが、ひたすら無視した。
ついでに父もこちらをチラチラ見てくるのが鬱陶しかった。
(どうせ私が何か言ってアイビーが癇癪を起こすのが心配なんでしょう)
不快感が限界になったところで「傷の調子が良くない」と言って部屋に戻った。
「エリザベス?まだ起きている?」
部屋に戻った後母がやって来た。
「はい起きてます、どうぞ」
部屋に入ると母が済まなそうな顔で謝って来た。
「ごめんなさいエリザベス。私が『共同にしよう』なんて言ったばかりに…」
「いいえお母様のせいではありません」
アイビーが想像以上に図々しいだけだ。
「それでね、その事でちょっと用があるの?今いいかしら?」
「構いませんが…」
「じゃあ行きましょう」
そう言って2人で母の部屋へ向かう。
(何の用だろう)
正直今は何もする気になれないが、拒否する気力も湧かず大人しくついて行く。
「さぁ入って」
部屋に入ると主だった使用人達がテーブルにケーキと私の好物を並べて待っていた。
「「「「お嬢様お誕生日おめでとうございます」」」」
驚いて立ち尽くす私に後ろから母が座るようそっと促す
「驚いた?せめてと思ってお父様達には内緒で準備してもらったのよ」
「お嬢様これ、つまらないものですが…私達の気持ちです」
そう言ってメイド長が代表でプレゼントを渡してくれた。
「残り物で作ったありあわせですが…」
「ありがとう…」
泣きそうな気持ちになりながらプレゼントを受け取り、皆でこっそり食事を楽しんだ。
母や皆の気持ちはとても嬉しかったが、同時に残り物で隠れながらでないと祝う事も出来ないのが酷くみじめで悔しかった。
翌日私は父の部屋を訪ねた。
「開いている」
「失礼します」
部屋に入ると父が机で仕事をしていた。忙しいのか書類から目を離さないまま話してくる。
こちらも顔を見たくないから好都合だ。
「用件は何だ」
「来年から私の誕生パーティを行わないで下さい」
「何?」
父が書類から顔を上げる。
が、すぐに顔をそらす。
「誕生パーティは社交の一環だぞ」
「私の誕生祝いに限っては社交にもならないでしょう。アイビーが横やりを入れてくるのですから」
「しかしだな、アイビーもお前を祝うのを楽しみにして…」
(またアイビーか)
昨日の出来事はまだ記憶にあるだろうに、1人悪者にされ怪我をした私に対して言う事はなくアイビーの心配ばかりする父にウンザリする。
(あぁだめだ早く終わらせよう)
会話すればするほど苛立ちが募るだけだ。
「アイビーが楽しみにしているのは、私の贈り物を奪う事でしょう」
「……わかった」
「では失礼します」
「エリザベス!」
立ち去ろうとすると背後から父の声がかかった。
仕方なく振り向く。
「何でしょう」
「…アイビーはまだ子供だ。もう少し成長すれば分別もつくだろう、お前は姉なのだから大人になりなさい」
「……わかりました」
今度こそ背を向けて立ち去る。
(本当にそうなると良いけどね)
内心呟く。
あの性格が成長して直るとは到底思えない。ましてや甘やかす父が側にいるのだ。
そしてその予想は当たり、成長するにつれてアイビーはますます増長していった。
早くルイス出したい…_(:3」∠)_




