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14.父と娘

評価とたくさんのブックマークありがとうございます<(_ _)>短めです。

五月蠅い2人が馬車に押し込められ出発するのを見届ける。扉が閉まる最後までヘンリーは「俺は悪くない、助けろ」と喚き散らし、アイビーはこちらを睨みながら「冷血女」だの「役立たず」だの罵って来た。

馬車が見えなくなるのと入れ替わりに父の馬車がやって来た。馬車から降りるなり人の顔を見て聞いてくる。

「エリザベス!使用人から知らせを受けてきたがアイビーがやって来たそうだな?どうしたんだ、もう帰ったのか?」

(余計な事を)

余計な事をした使用人に内心で悪態をつきながらも顔には一切出さず笑顔で応対する。

「えぇお父様。我が家で世話になりたいと言ってきましたが、断ったので帰りました」

それを聞いて父がショックを受けた顔をする。

「何で帰したんだ可哀想だろう?少しくらい…」

「は?」

(何を言ってるのだこの親は)

そういえば父は昔から仕事に夢中で私達の教育は母と使用人にほぼ丸投げだった。母が隠していたうえ、アイビーが父の前で猫を被っていた事もあり母に暴力をふるうまでアイビーの素行に全く気付いていなかった…恐らく父はアイビーを更生可能だと思っているのだろう。

頭痛がしてくる。思わず頭に手をやった。

いや良い機会だ……そう思おう。

()()()

「う」

あえて強調すると父がたじろぐ。

「アイビー達の居場所はもう我が家ではありません、ラッセル領と陛下がお決めになりました。それに逆らって我が家に置けば立派な反逆罪ですよ」

「し、しかしだな…数日位なら」

「あの二人がそれで納得すると思いますか?承知したとしても中に入るための方便です、入ったが最後我が家に居座って死ぬまで出ていきませんよ」

「で、でも、家族を頼って来たんだろう?絶縁したとはいえ血の繋がった家族なんだから助けてやらないと可哀想だろう」

(あの二人のどこが可哀想なのか)

さんざんやりたい放題やってその報いを受けただけではないか。

おめでたい父にハッキリ言ってやる。

「お父様は昔からそうやってアイビーを甘やかしてきましたね。アイビーが何をやっても叱らず私に「年上なのだから我慢しろ」という…その結果がたかりに暴力、婚約者の略奪に泥棒ですよ。お父様はまた私とお母様に理不尽な我慢を強いるおつもりですか?」

「い、いやそういう訳ではないが…」

悲しげな顔をすると父の目が泳ぐ。アイビーを甘やかしすぎて私を不幸にした自覚がある父はアイビー絡みでは私に逆らえない…もはや父はかつてのように私を従わせることはできない。

「ご心配なさらずアイビーには最低限金目の物を持たせました。反省してやり直す気があるならそれを元手に領主夫妻の権限で事業を起こして人並みの生活ができるでしょう」

私の言葉に父がホッとした顔をする。

「そうかなら良かった。やはりお前は優しい子だな、これでアイビーも立ち直って幸せになれるだろう」

さっきまでの慌てっぷりが嘘のように上機嫌で屋敷の中に入っていく。

使用人達が主の帰宅に慌てて後を追う。

私も急ぎ足で執事の隣に並ぶと父に聞こえないよう小声で指示を出す。

「次に来た時は門前払いして頂戴。絶対に父に気づかれないように」

(あの二人が反省などする筈がない…必ずまたたかりにやってくる)

「かしこまりました」

執事は一瞬目を瞠ったが大人しく従った。それを横目で確認しながら私も屋敷に戻った。





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