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坂井(さかい) 香奈恵(かなえ)(22)である。

が、翔におもむろにちかづき声をかける。



「飯田くん」

『あっ。坂井さんごめんなさい。待ちました?』

「うん。ちょっとね。でも良かった。無事に会えたから」



香奈恵は翔の姿、形に注視した。

片手に黒いかばい。眼鏡かけてて短髪。ネクタイはピンク。フレッシュな社会人の姿がそこにはあった。



まだあか抜けていない、それが逆に翔の人柄とマッチして良くスーツ姿が似合っていた。



香奈恵の姿を見て、翔はこう続ける。



いや。あらためて遅れてごめんなさい。それにしても・・・・・・翔は心のなかの胸のおもいを一旦、きった。



そして今度は、口に出してきちんと言った。そのまま翔は、そのおもいをごまかし、かくすように、こほんと、空咳をしてから、



「OL姿って普段とイメージ変わるね。最初誰かと思っちゃったよ」



と、誰かは分かっていたけどお世辞にも似た冗談をいいながら翔はこう思うのである。私服姿もいいけれど、OL姿もなんともたまらんっつうの!もちろん口には出さないが。



「そういう飯田くんだって、全然イメージ変わる」

『そうかな・・・・・・』



と、いいながら、翔は自身の、腕周りや体全体を見回す。もしかしてなにかおかしなところあるのかな。



いや、私服ならまだしもスーツだし、髪もセットしてきたしな。しいていうならピンクのネクタイ・・・・・・いや、もしかして体臭?



まいったな。香水の量すくなかったかな。ワンプッシュ。両腕にこすりつけるくらい。ネットのイケてる男のみだしなみSNSのコラム参考にしたんだけどな。



ちきしょうめ。もうぜったいみない。「いいね!」もしない。



自分に自信がない翔は、香奈恵の言葉を額面通り受けとれず、意味のない余計な事を考えてしまう。

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