第一話 俺 中編 二
テスト期間も終わりやっと投稿ができました。
遅くなって本当に申し訳ありません。
今回は長いです。
展開が急かも知れません。
もし誤字脱字又はご意見が御座いましたら、感想にてお申し付け下さい。
それでは、―斬影―第一話中編二お楽しみ下さい!
俺は今仏頂面で廊下をスタスタと早歩きしている。
他から見れば今の俺はとても普段の俺とは考えられない顔をしている。
多分ここに誰かいれば何事だ!とか思うはずだ。
だけど今の俺は俺じゃない。
俺は俺の中から聞こえた声、俺と名乗る声に体を乗っ取られてしまった。
あぁあああ!!! もう!!!
どうなってんだよ!?これは!!!
何度か試したが俺自身がこの体を動かそうとしても動かなかった。
俺は今誰かに声を掛けることも今のこの状況を止めることさえ出来ないのだ。
ヤバい・・・・・今の俺が誰かに声掛けられたらどうしよう!?
コイツはあの時俺のことを無視したから、
恐らく零兄と同じ面倒くさがりか自由傲慢な奴だろう。
「何だ。その言い方は。」
今の俺の声無視。
どちらにせよ絶対他の奴も無視する!
「今お前も無視しただろう。」
今の性格違うだろうから、変な奴か嫌なやつに思われる!!!!!
「いや心配するところが違うだろう。」
特に奈美に今の俺に逢ったら、
何?シカト?
とか言ってつかかってきそう!!!!
イッヤだぁああああああああ!!
ぜってぇー見つかりたくねぇえええええ!!!!!
「・・・・・・・・・・・・・確かに・・」
だよな〜分かってんじゃん♪
やっぱお前も苦手かぁ。
「さっきの混乱はどうした。
そして意気投合してどうする。」
はっ!そうだった!!
お前ツッコんでないでお「龍斗何そんな怖い顔して歩いてるのよ。」
俺(の体)はゆっくりと振り返った。
するとそこには今一番逢いたくなかった奈美が顔をムスッとさせて俺(の体)を見つめていた。
何でだよ!!よりによってなんで奈美なんだよ!?
なんかスゲェーややこしくなりそう!?
「・・・・・・・・・・・・・・えっ?あっ奈美。
お前委員会の仕事は終わったのか?」
なんか間はあったが無視はしなかった。
しかも普段の俺と変わらない喋り方だ。
「アンタこそとっくの昔に日直の仕事終わって帰ってる筈でしょう!!」
なんかもの凄く不機嫌なんですけど・・・・・・・・・・・・・
「いやぁ、それがさ土屋がゴミ捨てに行ったまま帰ってこなくって・・・・・・・・・・」
そう言って、冷や汗を流しながら俺(の体)は頬を人差し指で掻いた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・そうなの?そういえば土屋さんも今日の日直だったわね。」
今の間はなんだ。そんなに俺のこと信じられないのか!?
「分かったわ。私も付いて行く。」
「助かる。」
嗚呼今日はいつもよりものすごくスムーズに奈美と会話している。
そう思っていると俺(の体)と奈美は校舎の外に出ていた。
そのまま真っ直ぐに校舎の裏へ向かった。
「い・・・・・・・・・・や・・・て・・・」
「あ・・・たほ・・・・・・む・・・・く」
ん?声が二つ?
俺と土屋以外の日直は帰った筈だよな。
「土屋ぁあ!まだ終わらないのか!?」
俺(の体)はおかしいと思ったのか叫んだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・返事がない。
急いで速く足を動かす奈美。
「お、おい奈美!?」
俺(の体)は慌てて奈美を追いかけた。
しばらく行くと奈美が何かを睨んでいる。
奈美の隣まできて、前を見るとゴミ箱とゴミ袋が並んでいる。そして一番奥にある焼却炉の前に海王寺を含めた数名の女子が奈美を怯えた目で見ていた。
「何をしているの貴女達。
下校時刻はとっくに過ぎた筈よ。」
奈美の声はいつもより低く声が震えていた。
「べ、別に私たちはぁ、日直さんがもうゴミ箱を空にしてくれたからぁ
こっちにゴミを捨て方が良いかなっと思ったからぁ捨てに来ただけだよぉ。
だからそんな目で見ないでぇ。」
「そ、そうなの?」
んー?何か変じゃないか?
普通こんな時間まで残っている事態おかしいのに、[今ゴミを捨てに来てま〜す。]なんて明らかに矛盾している。
「・・・・・・僅かに息が聞こえる。」そう呟くと、俺(の体)は焼却炉まで行き、蓋を叩きはじめた。
「おい!!そこに誰か居るか!?」明らかに奇行だが近くまで来ると確かに呻き声が聞こえた。何故か海王寺は俺の手に腕を絡ませた。
「ねぇ〜。何してるのぉ?
そこには誰も居ないよぉ?
そんな事してないで、凜華と帰ろう〜☆」
俺は男だがコイツの声気持ち悪い。
海王寺はモテるらしいけど、
みんな海王寺のどこがいいんだ?
「・・・・・・・・せ・・」
「え?なぁに?」
「離せ。」
俺は恐ろしく低い声を発した。俺とは思えないほどだ。
「え?何でよ。」
不機嫌な声を出し、信じられないような目で俺を見る海王寺。
「離せと言っている。」
「ヒッ!?」
海王寺は目をこれ以上開かないぐらいまで見開いた。
俺は、昨日降った雨で出来た水溜まりに俺の顔が写った顔を見て驚いた。
俺は刃のように殺気立った目をしていたのだ。
これ、本当に俺なのか?
自分が自分ではないような気がした。俺は暫く海王寺を睨んだ後、俺(の体)は焼却炉のふたを開けた。
「・・・・痛っ・・・・・」
ボロボロになった土屋がそこに収まっていた。
「コレはどうゆうこと?」
奈美はボロボロの土屋を見て、手を震わせ、唇を噛み、顔をしかめて彼女達に問う。
「私知らないよぉ。」
海王寺は首を振った。「それでは、もうとっくに下校時間を過ぎているというのに、此処にゴミを捨てに来ているというのはどうゆうことだ?」
すると海王寺は顔を歪め、言い逃れをしようと口を動かそうとした。
だが海王寺は二つの殺気に完全に怯えてしまっている
「お、覚えてなさい!」
海王寺は本性を剥き出しにして走り去った。
他の女子も此方を睨み、海王寺を追いかけていった。
俺(の体)は溜め息を吐くと、土屋を焼却炉から出して寝かせた。
『ハア・・・・体の主導権をお前に戻す。』
声が消えると、俺は思いっきり尻餅を突いてしまった。
「安心したの?ほら」
奈美が手を差し出した。
俺はそれを掴んで立ち上がる。
「サンキュ。
はぁ。まずは土屋を保健室まで運ばないとな〜」
「そうね。保健の先生、まだいるかしら?」
そうだった。
もう下校時間過ぎてんだった。
「他の先生なら職員室にいるだろ。
それにしても厄介なことになったな〜」
「そうね。このことは私に任せて!!」
奈美は珍しくウインクをしながら、綺麗な笑顔でそう言った。
俺にとってはキモいんだけどな。
だが奈美の笑顔がすぐに消えて不思議なものを見る顔になった。
「・・・・・土屋さん?・・・」
奈美の目線の先には、土屋が立っていた。
だがその姿はまるで人形のようだった。
「私は、何もできない。
勉強だけが取り柄なの。
だけど、誰も私のこと認めてくれなかった。
がんバったノに、どウしてコんなメ二アうの?」
土屋の声が時々人間より低い声になる。
どうしたんだよ!?土屋!?!?
「コんな、こンナ目ニアうなラ、
ワタシナンテ、
死ンデシマエバイインダ!!!!」
その瞬間、土屋から暗い紅の爆風が吹いた。
「ぐはっ!!」
「キャアッ」
俺と奈美はその爆風に吹き飛ばされた。
「奈美!!!!」
奈美は頭を打ってしまい気絶してしまった。
風が止んだ。
俺は恐る恐る、土屋を見た。
「なっ何だよ!?あれ!?」
ギィァアアアアアアアアアアア
そこに土屋は居なく、代わりに暗い紅の怪鳥が雄叫びをあげていた。
読んで頂き有難う御座います!
お楽しみ頂けましたか?
自分でも書いてて、暗いと思いました。
次からは明るくするつもりです。