第一話 俺 前編
この話はいくつか修正しました。
あと更新はかなり亀になってしまいますのでよろしくお願いします。
おい・・・聞こえるか俺の声
お前は苦しんでいる
お前はごまかしている
お前は自分のことを知らない
お前に何かが抜けているのを
聞こえるか・・・俺の声
お前はお前で生きていけ
たとえ何か失っても
生きる道を・・・
見つめ続けろ
+斬影+
第一話「俺」
「ん?うんー朝?」俺はベッドから起き上がる
「またあの夢・・・・・・・・・・」
最近俺は変な夢を見ていた。
俺は真っ暗な黒の中にいて男の声が聞こえる夢。
俺にもよく分からないけど、なんだかその声は懐かしい声だった。
「俺に抜けているもの?」
分からない。でもいつも俺には何かがないような気がしていた。
それにしてもあの男の人誰?
「ああああ!メソメソしてても仕方ねぇか」
頭をわしゃわしゃと掻きながら俺はテレビを付けた。
にしても豪華すぎるだろ。一部屋一台とか・・・一応ここ寮だぞ。
天気予報は曇り。
湿った5月の曇り空・・・・
俺はニュースを見ながら制服に着替えた
黒いネックのアンダーに黒に黄色のラインのはいった学ラン
黒すぎるかみは解いたけど
ツンツンしている。
最後に右目に眼帯を着けて準備完了!
「よし!父さん、母さん。行ってくる。」
家族写真に挨拶をする。
俺、橘 龍斗。
周りの奴は俺の事不良とか言うけど
俺は見た目以外は普通の高校一年生だ。
それにしてもあの夢は何なのだったんだろう。
俺はそんな事を考え食堂に入りカウンターまで行った。
「おはよう。龍君!」
「おはようございます!おばさん、B定食下さい!」
いつも通りおばさんから朝食をもらい席を探す。
このおばさんとても優しいんだよね。
「龍斗・・・・・ここ・・・・・」
ふと無愛想な声が聞こえた。
振り向くと肩まで伸びた金髪の青年が片手をあげて呼んでいた。
「おはよう!零兄!!」
一 零俺より一つ年上で高二
俺とは幼なじみで俺にとって兄貴的存在で頼りになる。
「・・・・・・・・おはよ。」
とてもめんどくさがりなので、やっぱり最低限のことしか喋らないんだよな;。
取りあえず、零兄と向かい合わせに座り朝食を食べ始める。
・・・・・・・・「スズゥウ」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「ムシャムシャ」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「ゴクゴク」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何か喋ろよ!!!!!!!!!!!!!!
零兄が零兄なので、会話が成り立たない。
むしろ無い!!!!!
静かすぎて俺からしたら気まずいわ!!!!!!!!!!!
心の中で叫びながら、ただ、ひたすらに食べているとブラウンの髪で風紀委員の腕章をつけた少女がこちらに向かって来た。
「おはよう。零兄、龍斗。」
「おはよ。」
「おはよう。奈美!」
魔谷 奈美
コイツも俺の幼なじみ
成績優秀の風紀委員で、一番美人で-鬼-な風紀委員である。。
「何か逝った?」
ギロッとした目でこちらを睨んで声だけ笑いながら迫ってくる。
タンマ!マジでタンマ!!
決して何も言ってないです!
ただの心の呟きです!
エスパー!?しかも字が違うから!
「心の中のツッコミも程々にね?」
「はっはい!」
こっ怖ぇえぇえぇえぇえぇぇ!笑ってんの声だけだよ!
ビクビクしながら俺は味噌汁をすすった
「おっはよう!!龍兄!!!」
「はばぶぅううううううううう!!!!!??????」
いきなり後ろからクリーム色の髪をした少年が、
俺に抱きつきと云う名のタックルをしてきた。
俺はその衝撃により味噌汁を吐いてしまい、前に座っていた零兄にぶっかけてしまった。
「ゲホッゲホッ!ゴホ!何すんだよ!?祢音!!!!!!」
「あっはぁ↑朝の挨拶だよ〜」
園田 祢音
俺の親友の一人
見ての通り幼い性格をしている。
しかも同い年なのに俺のことを〔龍兄〕と読んでいる。
とても純粋な子供みたいな高一である。
それよりも・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「零兄、大丈夫か?」
「・・・・・・問題ない。」
いやいやいやいやいや!?
顔ベッタベタですけど!?
ワカメが金髪に付いてますけど!?
零兄は何事もなかったかのように顔を拭き始めてるし・・・・・・・・
奈美がいきなりテーブルにドンと手をついた。
「そんな事より!」いやそんな事よりじゃあないでしょ。
ある意味今一大事だからね‥・・・・・奈美さん
「アンタさあ、最近女の子襲っている不良知らない?」
「は?何で俺に訊くの?そもそもどんな意味での襲うですか?」
男が女の子襲うのって色々あるでしょ。危ない世の中なんだから
「・・・・・・変態」
ボソッと奈美が言う。
「変態じゃねぇよ!
しかもそっち系一つもいってねぇよ!!!!!!!!!
お前が紛らわしいこと言ったからだろ!!」
「何言ってんの?馬鹿
襲うって言うならリンチに決まっているでしょ!?
この変態!!!!」
「女子高生がそんなぶっそいなこと言うな!!
だいたいそんなの決まってねぇーよ!!この阿呆男女!」
「阿呆はアンタほどじゃないわよ!!馬鹿黒尽くめ変態!!!!!!」
―リン―
『またか・・・・・・・・・』
ふとここにはない溜め息混じりの声が聞こえた。あれ・・・・・・・気のせいか?
「・・・・・・止めろ。
それで何故それを聞いたんだ?」
いつも通りの口喧嘩に見かねた零兄がそれを制す。奈美はそうだったというような顔でそれに答えた。
「それがね、
うちらのクラスの土屋さんが最近傷だらけなの・・・
しかも増えてるような気がする。
本人に聞くのも答えてくれないだろうし、
それで一番不良っぽいアンタに聞いたわけ。」
「たしかにルレちゃん最近元気無いよね・・・・・・・」
祢音が心配そうに目をウるわせ奈美見る。
今話題になっているのは成績トップの土屋 ルレについて。
最近ん〜と
ちょうど入学して、しばらくしてからか?
確かに様子がおかしい。
「それでアンタなんか知らない?」
「いや別に知らねーよ。
俺全ての不良を知ってるわけじゃない。
それに俺不良じゃねぇよ!!!」
「その格好が不良に見えるの!」
「何だよ!それ!!!
人を格好で決めんな!!!!!
お前だって!風紀委員のくせにミニスカじゃんか!!」
「・・・・いいのか・・・お前ら。」
突然の声にテーブルの方を見ると
座っていた零兄が困った顔(他の人から見れば無表情)で
俺たちを見上げていた。
「今8時20分・・・・・・」
時計を見ると零兄の言う通り
8時20分でここから学校まで15分
学校が始まるのは8時30分
「やべえぇええええええ!!!!」
やべぇよ
うちの学校光陽高等学校では、遅刻すると体育の先生に授業の時腕立て伏せを150回やらされる。
今時の学校では禁止されている体罰だ。
「はっ早くいっ行きましょ!!」
奈美は鞄をブンブン振り回しながらパニクっている。
「僕腕立てするのいやだ〜!」
「早く鞄持て・・・・・まだ間に合う。」
零兄は今にも泣き出しそうな祢音の頭を撫でて鞄を渡す。
まるで兄弟みたいだな。
って見とれている場合じゃない!
俺は鞄を持って玄関まで行き靴シューズを履く。
それを見た奈美と祢音は慌ててスニーカーを履いた。
零兄は落ち着いた手付きで靴を履く。
「走るぞ。」
いつも通り
楽しい毎日
零兄、奈美、祢音、とすごす日々
平和という名の楽園
でもそれが崩れ落ちてしまうことを俺は知ってる。『今日も平和だな・・・・・・』
ん?またあの声?
俺はそれを気にせず走り続けた。
この先この声が
平和の崩壊と
戦いの始まりと
以前の俺の記憶と
新たな出会いの発端とは気付かずに