別の問題が
前回の続き。
沙織が退院して自宅のマンションに戻った日から、
別の問題が起きた。
体調を崩すまでは、毎日数回の排尿だったのが、
かなりの頻尿に。
1時間もがまんできなくなり、20分か30分おきにトイレへ。
1回の量は少なく、つねに尿意や残尿感が。
夕方には、リビングのソファーで急に強い尿意を感じたとたんに失禁してしまった。
しばらくは、その場でぼうぜんとしていたが、
泣きながら後始末をした。
「私・・どうなったの?」
女性のマネージャーに電話して、状況を打ち明けた。
「病院に電話して、すぐ行くから」
再度、マネージャーと病院へ。
入院でお世話になったところで、今度は泌尿器科へ。
受診の前に採尿された。
よく知られている方法で、トイレで紙コップにおしっこする・・
医師は初老の男性で、沙織の話を聞いてから、
「膀胱炎ですね。以前に入院されたときに下痢していましたね。
女性は尿道が短いのと、尿道口と肛門が近いので、
下痢のときに尿道口から大腸菌などが膀胱に入って、炎症になることがあります」
骨盤とその周辺の図解を見せられながらの説明で、
沙織は理解した。
「下痢で何度もおもらししたから、細菌が膀胱にはいったのかも」
医師は、「おしっこを顕微鏡で見せてもらいましたが、
細菌がかなり多いです。薬を1週間分処方しますから、ようすをみてください。
あと、おしっこががまんできないのに備えて、おむつ、紙パンツですね、
それで対策してもらえますか?こちらの売店にもあります」
沙織はマネージャーが買ってくれた紙パンツを持って、
自宅に戻った。
女性のマネージャーは、「何かあったら、いつでも電話してね。すぐ来るから」