科学の力は異世界一
NK国首都。世界に宣戦布告した愚かな国家主席を暗殺するため平壌地下にあるシェルターまで総書記を追い詰めていた。
おそらくこの壁の先に豚が隠れているのだろう。視界と重なる各種モニターが生体反応有りと示している。
俺の体は最先端の義体で出来ており生身の部分は脳味噌と脊髄しかない。傭兵時代に負った負傷により所謂サイボーグとして生きながらえている。
そもそもがまともな治療ではないサイボーグ化手術が成功したなどと記録は残らず俺は死んだことになっていた。
個人に使うにはあり得ないほどの技術と金がどこから出ていたのか。暗殺を生業として俺が生かされている事から追って知るべしってことだ。
「隠し部屋を発見。これよりオークを討伐する。」
「了解、吉報を待つ」
象の体にも一撃で穴が開く威力のサイボーグパンチで壁をぶち抜くと、そこには豪華な料理を貪り食う一匹のオーク、もとい、独特な黒電話カットをした豚がいた。
「ふぐゔぁぁー」
よっぽど驚いたのだろう。豚がエサを喉につまらせてフガフガ言っている。早いとこ屠殺してずらかるか。
銃を構えて豚の眉間に狙いを定めた瞬間、豚と俺が消し飛んだ。
その日世界地図から平壌が消えた。
追い込まれた豚が首都ごと自爆したのだった。
突然視界が開け一面真っ白の中、目の前に美しい女性が立っていた。