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続・ルイスのラブラブ?作戦

 ルイスと魔法で出した映像を眺める。絵にかいたような三角関係である。マチさんは魅了されて正気じゃないけど大丈夫なんだろうか。思春期にありがちな『姉さん不潔!』とか言われて嫌われちゃったりしないの??

 そう思いながらも階下のやりとりを見守った。キールを睨みつけるマリオット。


「…お前…冒険者か?」


「ええ、そうですが…何か?」


 キールは急いで来たせいか、武装していて冒険者としか思えない状態だ。


「冒険者みたいな浮き沈みの激しい職業の男と恋人だなんて、認めない!」


「おやおや?まあ、冒険者が浮き沈みの激しい職業なのは認めてあげますけど、貴方には関係ないでしょう」


 キールがイキイキしている。ああいうマリオットみたいな直情型をいじるの大好きだもんなぁ……


「うるさい!彼女の家族として、お前なんか認めない!!」


 怒り、叫ぶマリオット。対するキールは余裕の表情だ。それがさらにマリオットを煽る。


「好きにすればぁ?もうお互いいい大人なんだから、君の許可なんていりませんよ。ね~、ハニー」


「ふへへ…うん、ダーリン」


 よくわからんが頷いているな!?さっきまでの筋肉貴族もどきと違い、マチさんがメロメロだからマリオットは焦っている。

 でも、気がついてよ!明らかにデレデレしてて、顔が緩みまくってておかしいから!


 あれ?

 あれは………なに?


「彼は僕と同じでやみ属性だからねぇ。つつけばああなる」


「姉さんは…マチは僕のものだ…マチは誰にも渡さない…マチを世界一愛しているのは僕だ…マチを僕から奪おうとするなんて…許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイ」


 マリオットが黒い霧が噴き出し、マチさんの魅了を解除した。


「うーん、予想外」


 流石のルイスも予想外でしたか!マリオットはすっかりと異形になってしまった。幸い黒い霧のおかげでお客さんたちには見えてない。

 とりあえずエッ君にお願いして霧ごとマリオットを結界に閉じ込めた。ルイスの指示でマチさんも。危ないかもしんないから、キールは別の結界で隔離しつつ護る。


「マリオット!?うああああ、なんで病み落ち最終形態になってんの!??よ、よしよ~し。お姉ちゃんですよ~。デスピサ□様はやめていつものマリオットになろ~ね~」


 マチさんはかの有名な悲劇のラスボス様そっくりなマリオットに怯まず、よしよししてあげている。幸いマリオットは巨大化していない。元からマチさんよりやや高い身長なのでマチさんが背伸びすれば頭に触れられる。


 マチさんのおかげか、暴走した魔力と思われるマリオットの黒い霧が落ち着いていく。


「ネエサン…」


「はいよ!」


「…ケッコンナンテシナイデ……」


 某悲劇のラスボス様そっくりなマリオットがしくしく泣いた。


「…残念ながらお姉ちゃんモテないから!予定はまったくないから!でも彼氏と子供は欲しい!しかたない、マリオットが泣くなら……」


「ネエサン…」




「未婚の母になるか、不義の子産むしかないね!!」





「どーしてそーなるんだよぉぉぉぉ!!!うわあああああああん!もおやだあああああ!!うちの姉さん馬鹿過ぎるうううう!!」


「マリオット、いやリオ君!?さりげなくお姉ちゃんを落としてませんか!?もとに戻ったのは嬉しいけど、お姉ちゃん超気になるんですが!」


「リオ君呼ぶな」


 某悲劇のラスボス様そっくりな姿から、元の人類らしい姿になったマリオット。今度は拗ねた。なんて面倒な男なんだ。


「……まさか、病みを爆発させた結果魔族化するとは思わなかったよ。しかし、マチさんが予想外にアホ過ぎる。マリオット君……不憫だなぁ……エルシィを超越した鈍さと、イオリア様にも劣らない天然……あの人と恋愛するのは無理な気がする」


 もはやルイスまでご臨終宣言!いや、何か……何かあるはずだ!頭は悪いけど考えろ、エルシィ!!諦めたら、そこで試合終了だよ!!


「い、いやいや!マチさんもマリオットが好きだから、どーにかなるはずだよ!」


「そう…だね。うん。キールさーん、もうちょい頑張ってください」


「嫌です。今回の件、情報が少なすぎます。彼は何者なんです?」


「…さあ?身元はしっかりしてるし、人間なのは間違いない。先祖がえりか何かなんじゃない?」


 ルイス、適当!当然ごねるキール。確かに、あの某悲劇のラスボス様姿は明らかに強そうだもんね。


「私が護るから、もーちょい頑張れ!」


「…………」


 キールは考えている。もう一押しかな?


「兵糧攻め」


 ルイスのひとことで一瞬キールが固まり、すぐに再起動した。兵糧攻め?お金があるのにご飯が食べられなかった事件を思い出した。なんか納得した。


「……仕方ありませんね。マチ、来なさい」


「ふへへ…」


「姉さん!?」


 また魅了でキールにベタベタするマチさん。だが、今回キールはすぐに魅了を解除した。


「未婚の母になりたいのでしたら、私と子作りしませんか?」


「え?マジで!お願いしま「姉さあああああん!?」


 喜ぶマチさんと、泣き叫ぶマリオット。


「ぶふっ…」


 キールが耐えきれずふいた。気持ちはわかる。マチさんとマリオットが愉快すぎる。


「あ、私恥ずかしながら処女(ハジメテ)なのですが「姉さあああああああん!??」


「もう、マリオットったら邪魔しないで!姉さんが一生干物として過ごすか否かの瀬戸際なんだから!」





「だったら僕でいいでしょう!!」


 ついに、マリオットがマチさんにキレた。


「僕と結婚して僕の子供産めばいいでしょ!僕は僕以外と結婚しないでほしいだけなんだから!!」


「…………うん?」


 マチさんは脳内に情報が入りきらないらしく、フリーズしている。


「ちゃんと両親説得して、こんな残念な姉さんの婿は僕しか無理って太鼓判おされてるし!戸籍も祖母の家に入るから問題ない!仕事も決まったけど、姉さんが望むなら専業主夫でもこの店で働くでもかまわない!!」


「いや、城勤めは蹴らない方が…いや、地味に落とされてる気がする…」


 間違いなく落とされてるよ。マチさんはまだ情報を処理しきれてないようだ。

 キールは店の隅でマナーモードになっている。確かにこの二人は面白すぎる。

 チラッと見たら、ルイスもマナーモードになっている。


 本当にどうしようと頭を悩ませる私がいました。

 ルイスが言ってる病みとエルシィの闇が違うのは誤字ではなく仕様です。

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