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加減が難しいんだよね

 エルシィ視点になります。

 とりあえず脱出を決めた私達。幸いシルスの荷物は牢番の控え室にあったのですぐ奪還できた。


「…エルシィ、お前…本気か?本気でやるのか?」


「驚くほど本気」


 悪いことは言わんからやめとけ、とシルスが目で訴えるが無視!私の手には縄。縄の先にはこの国のクソ王太子。いや、もうクソでいいや。クソをグルグル巻きにしてあります。ここまで引きずってきました。


 本当なら時間をかけていたぶり、二度と私達に手を出さないよう徹底的に心をへし折ってあげたいんだけど時間がない。なので、私は一石二鳥の手段を考案したんですよ。人道とか倫理を考えなければ画期的アイディア。シルスをいたぶった馬鹿に人権なんて存在しません。私が認めない。


 

「……もういい。どうせ言うだけ無駄だし時間もない。エルシィの好きにしろ。それより脱出…いや、もう制圧した方がいいだろうな」


「賛成」


 このままでは怒り狂った味方により、無関係な人たちまで滅されかねない。私達が本気を出せば城を一つ落とすぐらい問題ない。私達が制圧した方が犠牲は少なくて済むだろう。


『母様、スイマセン』


 ジェリーちゃんから連絡が来た。近くなったので通信が可能になったのだろう。ジェリーちゃんは私の魔力を受け続けた結果、数キロぐらいなら離れていても通信が可能だ。


「ジェリーちゃん!?」


 ジェリーちゃんによると、事件当日にルイスは珍しい魔鉱石を採りに遠出していて町にいなかったたらしい。だから発見が遅れた。そして、私誘拐事件を聞いて即座に軍を動かした…と。


『怒リ狂ウ父様ヲ止メラレマセンデシタ。ゴメンナサイ』


「ジェリーちゃんは悪くないよ。私は無事で元気に暴れてるから、もう少し待機しといてって伝えといてくれる?」


 私がルイスの立場だったら何があろうと止まらない。居場所をつきとめ、単身乗り込んだだろう。(みかた)を連れてきただけルイスの方が冷静だ。ジェリーちゃんはわかりました、と返事をした。


「さて、では暴れますか」


「だな」


 地下から地上へ。城の内部をさまよっていたのは無駄ではなかった。お偉いさん達がいるであろう場所にまっすぐ行けるから。


「貴様ら、なにも「悪いな、寝とけ!」


 シルスが最後まで言わせずに雷魔法で気絶させた。


「侵入者!?こんな時に…!」


 私は武器(クソ)を振り回した。私はこいつのせいで誘拐されたのだから、このぐらいは当然の報復と言えよう。死なないように強化魔法をかけ、ハンマー投げのハンマーのごとくぶん投げたり、振り回して叩きつけたりした。


「ごめんなさい、ごめんなさい、ゆるじで…っ」


「あははははははははは」


「…こうなると手がつけらんねーんだよな…ま、絡んだ相手が悪かったってことで成仏しろよ」


「まだじんでなあああ!?」


 やかましいので地面に叩きつけた。


「やかましい。お前は人じゃない。クソという名の武器だ。お前に人権なんて存在しない。お前はただ、私に振るわれていろ」


「ひゃい!」


 とりあえず、武器(クソ)が静かになったのでよしとしよう。


「聖剣が無いから加減が難しいなぁ…」


「そうなのか?」


「うん。聖剣があればいくら切り刻んでも明らかに即死な攻撃をかましても、私が『死なせない』と願えば死なないもの」


「…………ある意味恐ろしいな」


 聖剣は拷問に最適です。今は使えなくてよかったね、クソ。使えてたら全力で吹き飛ばしまくってたわ。


「うっかり死なせそうで不安だよ」


「!??」


 涙をためて震えるが、学習したらしく声を出さないクソ。お前じゃなくお前で殴られた人が心配なんだよ。


 そして、周囲は王太子を武器にされているとようやく気がついたらしい。


「で、殿下を解放しろ!」


「ん?仕方ないなぁ…新必殺技!ローリングぅぅ…王太子(クソ)!!」


 まるでコマのように回転する王太子(クソ)。弾き飛ばされる兵士やら騎士やら。


「あばばばばばばば」


 あまりの恐怖に人語をなくした王太子(クソ)。こうなれば天啓も使用不能だろう。


「普段より、回しておりまぁぁす!!」


「あばばばばばばば」


 さらに回転を加えて敵を弾き飛ばす。クソが磔にされたような状態で回転するのを見て、思いついた。

 クソをグルグル巻いて…風魔法も追加します。



「空を自由に飛びたいね。はい!ヒトコプタアアアアアア!!」



 竹トンボの要領でクソを射出した。



 ヒトコプターにより、上階に行けそうな穴があきました。丁度いいや。階段遠いし。


「む、無茶苦茶すんなぁ……」


 シルスが顔をひきつらせています。いやいや。強化してあるから、悪くて出血、よくてタンコブだよ?


「そう?普通じゃない?」


「今すぐ『普通』に土下座しろ!普通の女の子はそもそも牢を破ったり王太子をいたぶって遊ばねぇよ!」


「大事な人を傷つけたあげく、私を誘拐したんだから、報復するのは『普通』じゃない?時間がないから生きた武器と盾を兼用してるだけだもん」


「一瞬納得しかけたが、さらっと拷問するんじゃない!」


 シルスは優しいよねぇ。ルイスはもっと容赦ないだろうなぁ。


「え~?いいじゃん。それにまた誘拐されたら嫌だから、徹底的に逆らわないよう叩き込んでおかないと」


 トラウマになるぐらい念入りに、物理的にも精神的にも叩き込んでおかないとね!


「…よし。やったれ」


「わーい」


「うあああああん!??」


 シルスからも許可が出たので、派手に投げたり飛ばしたりぶつけたりしました。



 そして、ヒトコプターにより数回天井をぶち抜いた。時短のためです。そろそろ回しすぎてクソが吐瀉物なんかでばっちいので打撃武器として使ってます。


 謁見の間と思われる豪華な扉の前に来ました。せっかくなんで、ド派手にぶちかまそう。普通に入るなんてつまんない。


 王太子(クソ)をぐるぐる巻きにする。


「や、やめ…………」


「はい!新必殺技!!人間ドリルスペシャルウウウウ!!」


 爆撃魔法を付与したクソは超高速回転して足で扉をぶち破り、部屋の内部で爆発した。


「あ、やべ。やり過ぎた」


「馬鹿!加減しろっつっただろうがああああ!!」


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい息しててすいません存在しててすいません」



 そして、多分謁見の間は破壊された。室内には爆撃魔法の衝撃で気絶した身分が高そうなおっさん達が倒れていた。


 ちょっと補足。エルシィにとって最近の聖剣は『ちょっと便利な武器』です。なくても真の魔王は強いのです。

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