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ゴリラと新生月の女神

 さて、これだけ攻略対象者に会ったのだ。奴にも会いたくないが当然会うだろうと思っていた。そして、案の定会った。

 ゴリマッチョで無口なアイツ……そう、ゴリラことアイザックである。




「………!!」




 流石は野生のゴリラである。瞬時に私がエレガンス&ゴージャスなお兄ちゃんではなく、エルシィだと一目で見破った。


 即座に近寄ってきたのでとりあえず、回した。アイザックはバランス感覚がいいから回しやすい。足を払い、体幹を中心にぐるんと回す。頭が下になり、上になり…すごーく回しやすい。


「め、めが……まわ……る」


「…余計なことを言わない?」


 魔法でこそっと話しかけた。アイザックがめっちゃ頷いたので許してあげた。


「な、何故いきなりアイザック様を回したのですか?」


「なんとなく?彼と私は昔から仲が悪いんだよ。ウマが合わないというやつだね」


 そう。ゲームでも現実でも、お兄ちゃんとアイザックは仲が悪い。そしてアイザックは私ともすこぶる仲が悪い。


「…………(睨み)」


「はっはっは。睨まないでくれたまえ。それよりエルシィを知らないかい?」


「………向こうだ。さっさと回収しろ」


 向こう…教室には可愛らしい女子が二人いた。

 ところで、先程から確かアイザックの護衛だったはずの双子が部屋の隅でマナーモードになっているのが超気になるんですが。


「あれ?エル…じゃなかった、お兄ちゃん?」


 訂正します。可愛らしい女子ではなく、月の女神と女装した従兄でした。

 女装した従兄が私より女子力が高いという現実に、心が折れそうです。従兄であるお兄ちゃん…もはやお姉兄ちゃん?は、髪をゆる巻きにしてうっすらメイクをしていました。ネイルもばっちりです。


「はっはっは。久しいな、妹よ。驚かせようと思って内緒で来たんだよ。…少し話せるかい?」


「エルサール?」


「お久しぶりですね、イオリア様」


「まあ、エルシィは貴方の妹でしたの?」


 相変わらず月の女神ことイオリアちゃんは美しい。しかし、駆け寄る途中でつまずいた。


「なんの、これしき!」


 おお、コケずになんとかバランスを取って着地した。思わず拍手した。


 そして、後ろを向いたら尻…いや、ぱんつが見えた。ぱんつー、まる、みえ。


 ん?



 うおおおい!白レースの上品なおぱんつにスカートが挟まっとるやないかーい!!お尻が丸見えだあああああ!!


 だ、誰か教えてやれよ!しかし男性陣(ルイス以外)は女神のナイスヒップに釘付けである。今男である私が指摘しては彼女を辱しめ…いや、放置した方が辱しめとるわ。


 私は上着を脱いで女神のナイスヒップを隠した。


「え?あの…」


「スカートが何かに挟まっておいでですよ?隠しておりますから、直してください」


 女神は自分のナイスヒップに触れ、真っ赤になって慌ててスカートを直した。


「あああああありがとう、エルサール…嫌だわ、もう。最近こんなことばっかりなの。私ったらドジで…」


 涙目のイオリアちゃん、超可愛い。話によると、最近ドジの呪いにかかったと思われるぐらい色々失敗するらしい。

 一応呪いの有無を視てあげたが、呪いではないのでドジの才能が開花してしまったのだけなのだろう。完璧な女性がドジッ子……やべえ、萌える。後でマチさんと語り合おう。ミラクル過ぎるよ、イオリアちゃん!!


「でも、助かりましたわ…エルサール」


「いえいえ。私が言うことでイオリア様に恥をかかせてしまうかもと思いましたが、話さず他の男達に貴方の美しい秘すべき部分を見せたくはなかったのです」


「まあ…」


 ほんのりと頬を赤らめるイオリアちゃん、天使!!


「許されるなら、その美しい御手に口付けたいですね」


「ふふ、どうぞ」


 許可をいただいたので、遠慮なくイオリアちゃんの手にキスをした。そしてどや顔で周囲を見た。

 アイザックが血の涙を流している。ふははは、いいだろー!

 お兄ちゃんがめっちゃ睨んでた。え!お兄ちゃん、まさか…略奪愛はダメよ?

 ルイスが泣きそうだった。後で可愛がりまくる。

 マリオット君はアワアワしていた。反応が可愛い。



「さて、我が従妹をお借りしてもよろしいですかな?イオリア様」


「ええ。エルシィ、また後でね」


「マリオット君、親切に案内をありがとう。姉君にもよく伝えておくよ」


「あ、はい!な、何かございましたら、いつでもおっしゃってください!」


「君は本当に誠実で信頼ができる人のようだ。また何かお願いするかもしれない。その時はよろしく頼むよ」


「はい!」


 マリオット君は笑顔で去っていった。


「…エル…じゃなかった、お兄ちゃん…すごいね。人たらし?」


「…何が?では話をしようか、妹よ」


「……お手柔らかにお願いします」


「何か心当たりが?それは君次第だね」


 顔をひきつらせるお兄ちゃんに、にっこりと笑ってあげた。まあ、すでに色々色々やらかしてきたけどね!

 ついに転生したイオリアが登場しました。ちなみにド天然のイオリアは残念な悪役令嬢ラストで王太子のエルサールと騎士エルサール(つまり本物エルシィ)は別物だと思っています。さらに騎士エルサールと本物エルシィが同一人物だとは思っていません。


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