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これが補正ってヤツ?

 学園に行くつもりは微塵もなかったのに、行くはめになってしまった。しかしそこは頭脳派エルシィですから、対策もバッチリなんですよ!


「エルシィ、本当にやるの?」


「うん。やります」


 ふっふっふ。にやっとルイスに笑う私。

 さあ、れっつらごー!!







 なんと学園にはお迎えがおりました。


「…お待ちしていました。愚姉がお世話になっております」


 マチさんや……弟さんをよこしてくれるとは聞いていたが、マチさんの弟さんて………







 攻略対象じゃねーかあああああ!!







 ぬああああ、マチさんのニヤニヤ顔が目に浮かぶわ!ぜっったい解っててやっただろ!!解ってて弟の詳細を黙ってたな、マチさんめ!!

 マチさんの弟さんこと、マリオット=クローバー。眼鏡の真面目堅物キャラ。平民だが、そのずば抜けた頭脳で成り上がり…将来は伯爵にまでなるはず。


「…どうされました?頭痛ですか?」


「いや、すまないね。大丈夫だ」


 貴族スマイルでどうにか誤魔化す。いかんいかん。今日はカリスマエレガントモードじゃないとね。素のエルシィは封印だよ。


「ところで、うちの姉とはどういったご関係で?」


「んん?」


 なんか、めっちゃ私ら値踏みされてないか??


「その洗練された身のこなしや、立ち居振舞いから高位貴族の方とお見受けいたしました。姉は確かに見目はよい方ですが…正直アホなのでお薦めできません」


 その言葉とは裏腹に、マリオット君は必死だ。


「心配をかけたようですまないが、彼女とは友人だよ。友情こそあれど、恋愛にはならない。私には愛する人がいるからね」


 マリオット君にウインクしたら、あからさまにホッとされた。ルイスは『愛する人が』のくだりでチラ見したので悶えてる。可愛いやつめ!


「そうでしたか!そうですよね!あんなチンチクリン相手にしませんよね!」


 マリオット君、マリオット君。嬉しいのはわかったが、オブラート。私はそこまで言ってないからね!?


「彼女はこの国で珍しい職業婦人…先進的な人間だ。身内だからとそんな風に貶めないでくれ。私の尊敬できる友人の一人なのだから」


「………は、はい………」


 なんだかマリオット君が呆然としている。私、なんか変なこと言った?


「お、お名前をうかがってもよろしいですか?」


「ああ、すまない。私はエルサールだ」





「王太子殿下あああああ!?」

「しっ」


 慌ててマリオット君の口を塞ぐ。そう、私はお兄ちゃんことエルサール=ビルドの格好をしていた。向こうが(エルシィ)になってるんだから、私がお兄ちゃんになってもいいよね!乳?ささやかだけど潰してあるよ。

 ちなみにルイスは王太子の気まぐれに付き合わされた騎士見習いという設定です。騎士見習いの制服は多分本物だな。どっから仕入れたんだろうか。衣装はマチさんの店からレンタルしました。ルイスはかつらもかぶってます。


「今日はお忍びなんだ。だから、友人のように接してくれると助かるよ。実は、エルシィ=ヒルシュとは従兄妹でね。彼女に内緒で会いに来たんだ」


「………なるほど。今の時間でしたらあの野生のゴリ…………………従妹殿は教室にいるでしょう」


 おぅい、待ちなされ。今、明らかに野生のゴリラって言いかけたよね?お兄ちゃん、私の名前でナニをやらかしてくれちゃってるの!??私、ゴリラ呼ばわりされるほどにヤバくなってるの??




 さて、マリオット君の案内で歩いていたら…また攻略対象にお会いしました。

 ナニこのエンカウント率。このだだっ広い学園で、片手で足りる数の攻略対象に会えるって、おかしくね?


「…おや?エルサール様?珍しいですね」


 攻略対象者、レイサーク=イント。涼しげな風貌の穏やかイケメンだ。彼は確か生徒会長でお兄ちゃんの片腕になる男だ。ゆえにお兄ちゃんと比較的仲良しなのでまずい。いくら顔が瓜二つとはいえ、長話すればいずれはバレるだろう。


「まぁ、たまにはな。レイ、いつもありがとうな」


「…………………どうしました?ナニか変なものでも食べましたか?」


 うちのお兄ちゃん、普段どんだけ酷いのさ。聞きたいが、返答が恐ろしいな。


「いやその…面倒事を押し付けてすまない。お前はとても優秀だから、つい…な。お前の事は信頼しているよ。近い将来、私の片腕になるだろうしな」


「殿下…!」


 レイサークは感動している!よし、とどめだ!!


「だから、ありがとう…レイ」


 秘技!カリスマシャワー、ライト多目!!

※説明しよう!エルシィは固有スキルにより、カリスマオーラを放つことができる!応用として威圧なんかにも使えるのだ!


「殿下…一生ついていきます……」


 レイサークは悶えて倒れた。うむ、危機は去った!


「レイサーク先輩!?確かに殿下はカッコいいですけども!気を、気をしっかりいいい!!」


 思ったよりレイサークのダメージは大きく、保健室に送るはめになった。運搬方法?お姫様抱っこでしたが何か?お嬢様達にめっちゃキャーキャー言われてましたが、何か??


「殿下…ありがたきしあわせ…」


 レイサークは幸せそうでした。この人、ゲームでお兄ちゃんに振り回される苦労人なんだよね…現在も振り回されてるとみた!お兄ちゃんにはよーく言っておくからね!


「では、行くか」


 颯爽と歩く私に、マリオット君が呟いた。


「カッコいい…」


 えっと、その…中身は残念な勇者兼聖女です!サーセン!!しかし言えないのが辛いぜ!


「…エルシィはどこに行くつもりなんだろ」


 気配を消していたルイスの呟きが聞こえた。いや、ルイスの嫁にいきます。コソッと魔法で伝えたら、ルイスが動揺してめっちゃむせていた。可愛いやつめ。


 さーて、お兄ちゃんはどこかな?


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