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大成功だね!

 皆で手分けして解体しましたが、魔法職の二人はいまいちだね。物理職の二人はかなり手際がいい。ルイスは…めっちゃ捌いていらっしゃる。


 それからこの近辺の魔物の倒し方や魔法のコツなんかを話していたら、魔法使いの女の子から質問があった。


「ルイスさんは何故媒介なしで無詠唱なのにあんな強力な結界を扱えるんですか?」


 普通の媒介は杖。たまに剣…短剣なんかを媒介にする人もいる。


「ああ、媒介は腕輪。詠唱も腕輪の石にあらかじめ仕込んであるから、魔力を流せばいつでも使えるんだ。便利だよ。僕の場合、杖とかは邪魔だから装身具に仕込んでいるんだ。本当に便利だよ。武器だと思われないから」


 ルイスの腕輪には小さな魔結晶がいくつもはめこまれている。この魔結晶、1個で城が建つ。しかし悪用される危険もある物なので、見つけたらルイスに貢いでいる。家電的な魔具に使われているのをシルスが知ったとき、倒れた。

 いいじゃないか、便利なんだよ?ハンドミキサーとか。


「すごい…あ、あの!杖にも仕込めますか!?」


「職人に頼めばできるけど、高額だし杖はいつかまた買い換えるだろ?だから自分で調べて刻むことをオススメするよ。興味があるなら解りやすい資料をいくつか貸してあげる」


「ありがとうございます!」

「わ、私も借りていいですか!?」


「かまわないよ」


 むうぅ…なんかルイスが他の女の子に優しいとジェラシーが……

 ついピトッと背中にはりついた。心が狭いなぁ…我ながら。


「エルシィ?」


「…ルイスは私のなんですからね」


「??うん」


「!?もちろんです!」

「ルイスさんはエルシィさん命だってギルドでも有名ですから!」


「??」


 首をかしげるルイスが可愛いけど憎たらしい。耳をはむはむしてあげた。


「きゃあ!?」


 慌てるが背中からがっちり抱きついているから子兎は逃げられない。ふはは、そもそも真の魔王(ラスボス)からは逃げられないのがRPGのセオリーなのです!


「エルシィ、むむ胸!胸が……」


「当てるほどないけど、わかってくれて嬉しいな」


 首筋をペロリとした。こんな貧相な乳に反応してくれるルイス、大好き!


「何!?なんで!??」


「ヤキモチですぅ。他の女の子に優しくしたからオシオキでーす」


「……やきもち?」


「うん」


「エルシィが?」


「うん」


「僕に?」


「うん。だからオシオ「嬉しい…エルシィが…あのエルシィが僕に嫉妬してくれるなんて!」


 喜ばれた。解せぬ。


「僕はエルシィだけのモノだからね!えへへ、そっかぁ……ね、エルシィ。ぎゅってしたいから、ちょっとだけはなして?」


「あ、はい」


「ふふ、ぎゅー」


 なんと、ルイスからのハグですよ!レアですよ!激レアですよ!!


「ルイス、ちゅーして?」


「ん……」


 きゃああああ!ルイスが素直にキスしてくれた!!

 しかし、サービスタイムはここまででした。


「うわぁ…」

「いいなぁ…」

「羨ましい…」

「エルシィさん可愛い…」


 新人さん達の呟きに、正気に戻ったルイス。


「はっ!?あ、あばばばば!」


 たまにルイスは私でも反応できない速度で逃げます。それもまた可愛い。


「ルイスさんにとって私達なんて虫けらですから、大丈夫ですよ」


「ええ、虫けら以下の扱いだから大丈夫ですよ」


「いや、流石にそこまでの扱いでは…」


「ギルドのボインボインなお姉様に言い寄られても気持ち悪いのひとことですよ!」


「あのババア、ちょっといい男と見ると色目を使って…スカッとしました!」

「ちょっとその話、詳しく!!」


 私のルイスに言い寄る虫など、私が潰してくれるわ!!


「あれはそーゆーのじゃなくて、兄さんの装備と同じものを…」

「そんな口実が!?」


「………………」


「無駄ですよ。エルシィさんにとってルイスさんは世界一の男です」


「そうそう。俺らが見ててわかるぐらい溺愛されてるんすから…って、ルイスさんの顔色がすげぇ!?」


 ルイスがこれ以上ないぐらい真っ赤になってました。とりあえず、ルイスをたぶらかす不届き者には今後制裁をかますとして…ルイスが真っ赤になっているので愛でよう!


「ルイス可愛い…」


 うっとりとルイスを愛でる私。ルイスは世界一可愛くてカッコいい私のお嫁さんなのだ。丸くなって震える様子がまたぷりちー。


「…あんなにメロメロなのに、なんでルイスさん気がつかねぇんだ…」


「逆にずっとあんなだったからじゃね?」


「それだ」


 いや、どれだよ。そんなやり取りをしていたら、鳥のようなカン高い声がした。


「お、来た来た」


 私への指名依頼。せっかくだから、ルイスにイイトコ見せちゃうもんね!


「あれって…」


「ブリザードワイバーン!?なんであんな大物が!?」


 鳴き声は鳥みたいだが、れっきとした飛竜種。ただし下位だから頭はよろしくない魔物である。


「最近目撃証言が多発しててね。あのウッドドラゴンのおこぼれを狙ってたんだろうけど…迷惑だからキッチリ狩らないとね」


 私には雑魚だけど、彼らにしてみたら強すぎる獲物だ。何も知らない低ランク冒険者が来たら餌食になるだろう。別に線引きされているわけじゃないから、こういうことは多々ある。


「エルシィ、服を使って!」


「うん!」


 属性を変えると赤い飛竜の翼が現れ、空を自由に飛べた。


「あははははは!こりゃいいや!」


 聖剣で飛ぶより制御しやすい。さて、こちらが空を飛べればこいつらはただのとかげに過ぎない。羽を切り刻み、墜落させてあっさり死んでいた。斬るだけの簡単なお仕事です。もう飛ぶのも面倒で飛び移っては首をはねてます。


「エルシィ、カッコいい…」


「お似合いだよな、あの二人…」


 新人さん達が真顔でうなずきあっていたのを、私達は知らない。返り血で血まみれな私にドン引きしてました。


「えっと…こういうことがあるから、君たちが普段と違う魔物を見つけた情報はとても重要なんだ。些細な変化でも、見逃さないことが命運を分ける…こんな風にね?」


 かれらは新人さんだが優秀だ。まだ息があったブリザードワイバーンに気がついてアイコンタクトをよこし、なんとブリザードワイバーンの口に結界を張ってブレスを封じ、前衛がさらに口を囮となって気をそらし、先程覚えた集束魔術でとどめをさした。


「上出来だ」


 これなら文句なしだね!


「エルシィ=ヒルシュは君たちのランク昇格を承認する。おめでとう『緑の風雪』君達は今からCランク。さらにエルシィの弟子と言うと先輩からの風当たりが無くなるよ」


「え?」

「は?」

「い?」

「う?」


「冒険者ギルド名物、抜き打ちランク審査だよ」


『ええええええ!??』


 冒険者ギルドの抜き打ちランク審査。冒険者はCランクでようやく一人前。彼らの実力ならば問題ない。向上心もあるし、それを取り入れる柔軟さもある。


 そして、昇格試験をしたSかAランク冒険者が後見人になるのだ。

 毎回これやると思うんだよね。ドッキリ大成功!ってね。

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