ルイスの過去
ルイスがようやく落ち着いたので、思い出話を再開することになりました。
「ルイスの話ねぇ…そういえば、エルシィちゃんが女の子から花冠をもらって喜んだことがあったじゃない?」
「え?えーと…」
あったかな?覚えてない。でも、花冠かぁ。多分もらったら嬉しいだろうな。
「そしたら、ルイスが私に花冠の作り方を教えてって言い出して…」
「え」
「腹立つことに、私が教えたのをさらにアレンジしてすごい花冠を……」
ああ、でもそれは腹立つ…かな?すごい花冠…あれか!
「あ、覚えてます!貰いました!枯れてしまって悲しかったんですよね」
あの年齢であのすごい花冠……ルイスはすごい。複雑に編まれた花冠は、もはや芸術レベルだった。
「そうね。そうしたら枯れない花で作ると言い出して、造花作りを習いに行って………しっかり覚えてきたわ」
造花の花冠…あれか!今度は枯れないよってスゴいクオリティの花冠貰ったわ!あれも複雑に編まれた芸術品レベルだったよ!
「多分その時もらった造花の花冠はまだ実家にあります」
「え!?捨てて!」
「やだ!ルイスからのプレゼントだもん!ちゃんと実家の棚に飾ってあるよ」
あ、ルイスが嬉しそう。
「よかったねぇ…ルイスはエルシィちゃん関連になると、無駄に才能を発揮するからねぇ…確か、料理もエルシィちゃんが女の子から手づくりクッキーを貰ったからだろう?」
「え?」
手づくりクッキー?そういや、昔はよく女の子から貰ってたなぁ。あれ?いつからかあんまり貰わなくなったような?
「ルイスがそれでヤキモチをやいてねぇ…最高のクッキーを作るって…最初は母さんに教わってたけど、いつの間にか………母さんより…ゲフン!プロ顔負けになってたんだよねぇ」
「……この子、将来菓子職人になるのかしらと思ってたわ。近所のエルシィちゃんが好きなケーキ屋さんあるでしょ?あそこに弟子入りまでしてたのよ?」
「初耳ですが!?」
何してるの!?ルイス!
「それは内緒にしてって言ったじゃないか!」
あ、内緒にされてたから知らなかったのか。納得しました。いや、何故弟子入りまで!?
「一時期やたらと菓子作ってたのはそのせいか。しかも、エルシィに菓子をあげた女の子に菓子作りの腕を披露して心を折りまくっていたような…」
「何してるの!?」
「…ライバルを減らそうとしてました」
「………なるほど」
というか、女子もルイスの嫉妬対象だったらしいです。女の子達よ、なんかすまない。
「そして、エルシィちゃんを餌付け……げふん。まんまとエルシィちゃんからルイスのお菓子はおいしいと言われたルイスは、お菓子でエルシィちゃんを誘って一番仲良しの座を得たわけだ」
「そうだったんですね…いや、お菓子だけに釣られたわけでは……」
そして、どうでもいいが餌付けよりも酷い気がするんだけど?それに、そもそもその頃私は既にルイスが好きだったはずだ。お菓子がなくても誘われれば素直について行ったと思われる。
「だろうねぇ。ルイスはどこからかエルシィちゃんが好きなものを聞きつけては極めていたからねぇ…ぬいぐるみ、小物作り、アクセサリー、レース編み、しまいには服や下着まで作っていたよ」
「だからなんで知ってるの!?特に下着!!」
だから別に物にも釣られたわけでは……しかしルイスは下着に激しく反応していた。下着はいただいた覚えがないですよ?
「…母さんがベッドの下から女物の下着を見つけて、緊急家族会議(ルイス抜き)が開催されたからな」
シルスが沈痛な表情です。それはあらゆる意味で痛い。厳しい。下着も作ったの?
「母さぁぁん!?」
ルイスが倒れた。いろんな意味で痛い。
「幸いエルシィちゃんの下着を盗んだわけじゃなくて、縫って作っただけだと発覚したんだけどね…エルシィちゃんちは我が家より格上だし、どうしようかとやっぱり家族会議(ルイス抜き)が開催されたよね」
「父さぁぁん!?」
「…ルイスは下着泥棒をやりかねないという認識だったんですか?」
ご両親と兄が一斉に目をそらしました。あれですね?沈黙が答えなんですね??ルイスが俯いてますよ?
「とりあえず、エルシィちゃんがルイスを貰ってくれてよかったよ!本当によかったよ!」
「そうね、エルシィちゃんが貰ってくれなかったら…確実にストーカーになっていたわ!」
「そうだな…本当にありがとう、エルシィ…」
ご両親と兄が泣いた。そんなに?ルイスってそんなになの??
「……あの…私はずっとルイスが大好きでした。今も大好きで…あの…あまり大好きなルイスを落とさないで欲しいって言いますか…」
「エルシィちゃん、天使!」
「エルシィちゃん、天使か!」
「エルシィ…マジでルイスを頼んだ」
「…………えっと…頼まれるまでもなく、ルイスは私が幸せにします!一生放しません!むしろ、息子さんを私にください!!」
「エルシィ…!」
※感動するルイス
「エルシィちゃん…!」
※感涙するお義母様
「エルシィちゃん…!」
※号泣するお義父様
「エルシィ…!いや、普通逆じゃね?」
※途中で正気に戻ったシルス
最終的に、何故か号泣したルイスとルイスのご両親に熱い抱擁をされていた。何故こうなったかは、よくわからない。




