子兎からの贈り物
ルイス視点になります。
朝、とてもいい匂いがした。温かくて柔らかい…ああ、これ夢だ。エルシィの夢を見られるなんて、幸せだなぁ。
「ルイスは寝顔も綺麗だなぁ…ぬう!?もちもち肌…」
エルシィに頬を撫でられて幸せな気分で微睡む。いい夢だなぁ…
「あれ?これなんだろ……きゃああああ!?」
派手な音と悲鳴に一瞬で頭が覚醒した。
なんでエルシィが僕の部屋に?
これ、現実だったの?
あ、僕パンツしか履いてない。
昨日の記憶が曖昧…鼻血ふいて気絶したんだっけ?
様々な思考が頭をよぎったが、それよりも眼前の光景だ。
エルシィがクローゼットに隠しておいた手づくりプレゼントに埋もれている。ラッピングしてないものも多く、クローゼットに入りきらないから無理矢理押し込めて…そういえば昨日新しくぬいぐるみを作ったけど尻尾が出て………
つまり、エルシィはそれを見てクローゼット開けてしまい、プレゼントに埋もれているわけか。
「うああああ、ルイス、ごめん!」
「え?」
「勝手にクローゼットあけて、その上散らかしちゃってごめん!」
「…ああ」
別に片付ければいいだけだ。怒ってはいない。それよりどうやってプレゼントを誤魔化すか思案する。
「わああ、この子可愛い」
エルシィは兎のぬいぐるみにキラキラしていた。
「…欲しいなら、あげるよ?」
「え?」
エルシィはキョトンとして、すぐに嬉しそうに笑った。
「いいの!?嬉しい!大事にするね!部屋にかざろうかな、えへへ。ルイス、ありがとう!」
うさぎさんを飾る前に片付けなきゃね、とエルシィが他のモノを拾いだした。
「たくさんあるねぇ。あ、このテーブルクロスの刺繍可愛い」
「…それもあげる」
「え?いいの?でも貰ってばっかりじゃ悪いよ」
そう言いながら、彼女は僕が縫ったテーブルクロスが欲しいらしく、うーとか言って悩んでいる。隠そうとしたけど、魔が差した。
「…そこに落ちているのは僕が作ったエルシィにあげたかったけどあげられなかったプレゼント達なんだ。エルシィがいらないなら、捨てるしかない」
「捨てるなんて駄目!全部ちょうだい!!」
エルシィは慌ててテーブルクロスを抱きしめた。
「全部私の部屋に飾るから、全部ちょうだい!!」
「………うん。エルシィの好きにしていいよ。子供の頃に作ったやつもあるから、古いのは捨ててね」
「やだ!」
どうしよう、嬉しい。
「ちっちゃいルイスが私のために作ったんでしょ?なら、私が大事にするの!ルイスの気持ちがこもってるから、ルイスだって捨てずにしまってたんでしょ?全部私にちょうだい!」
嬉しすぎて、頭おかしくなりそう。僕、本当にエルシィを好きになってよかった。だってガラクタだよ?本当に子供の時に作ったやつとか不細工だよ?普通いらないでしょ。そんなガラクタまで欲しいと言ってくれる。
「…気持ち悪くない?」
「何が?」
「渡せもしないくせに女々しくプレゼントを作り続けた僕が。我ながら気持ち悪「気持ち悪くない!私は嬉しい!今も嬉しいけど、作ったときにくれたらよかったのに」
「……そうだね」
きっと子供の頃に不格好なプレゼントを渡しても、エルシィは素直に喜んでくれたに違いない。
臆病な僕は男のくせに裁縫なんて女々しいって言われたくなくて、自信がなかった。今だって自信があるわけじゃない。
「今度からは…渡すよ」
「うん!あーでも、貰いっぱなしはなぁ…」
でもエルシィは、いつも素直に僕にすごいねって笑ってくれるから。
「……僕がエルシィにあげたいんだ。エルシィのために作るのが幸せなんだ…だめ?」
エルシィは、僕のおねだりに弱い。顔を真っ赤にしてて可愛い。
「う~、ダメじゃ、ないけど…」
「なら、決まりね」
「わ、私もルイスになんかプレゼントする!」
「楽しみにしているよ」
さて、今朝は何を作ろうかなぁ。僕の朝食で笑顔になるエルシィを思い浮かべ…ついニヤニヤしてしまうのだった。
「ルイス」
「何?」
「私としては目の保養なんだけど、いつ服を着るの?」
「!!?」
そういえば、僕パンツしか履いてなかった!!
「早く言ってよ!」
慌てて着替えたけど……僕、カッコ悪い!エルシィにカッコいい所をみせたいのにぃぃ!!
ちなみに贈り物はアクセサリーから服、ぬいぐるみ、パッチワーク、小物など。種類も多彩です。




