3話
マリアさんと歩いて数分
敵やトラップを気にせず進めるからすぐに魔王様の部屋の前にたどり着いた
マリアさんがノックをして中に入る
「失礼します、ベルスティネスです。新しい魔法使いを連れてきました」
緊張でマリアさんの頭部しか見えない
「えええっとその、佐藤……じゃなくてサト・ウンマルです、これから仲良くしてください」
仲良くしてください、完全に失敗した
泣きそうになるのを堪えながら下を向くと
五歳くらいの男の子がいる
「ここに魔王様がいるんですよね?」
「ええ、そうよ」
他に人の気配はない
「魔王様、こちらが新しい魔法使いになる予定だったゴンザレスの代わりです。ウンマルとでもウンコとでも好きにお呼びください」
「ちょっと待ってください」
この小さい男の子が魔王様?
俺ウンコ?
ウンマルのマルってモザイクだったの?
ウンコでいっぱいになった頭の中を整理していると足に魔王様がしがみついてた
「ウンちゃん……遊ぶ」
……ウンコでもなんでもいいや
魔王様、可愛い
チラリと目線をマリアさんに向けると一眼レフで魔王様の撮影をしていた
「なにをしますか、魔王様」
積み木とかお絵描きだろうか
「ブーブする、ブーブするの」
可愛い。でも車なんてどこにもない
「ピンク?」
なんのことかわからずに頷いたら、手元にピンク色のミニカーが出てきた
勢いよく魔王様を見ると赤色のミニカーで楽しそうに遊んでいる
「魔王様は基本どんな魔法でも使えるの、もちろん剣だって扱えるわ。でも戦うことを嫌ってるの。だから私たちがいるのよ、敵を魔王様の元へ行かせないために」
「敵よりも危ない人が俺の目の前にいますけどね」
いくら魔王様でもまだ子供だ
戦いたくない、なんて当たり前だよな
マリアさんは会わせたい人がいるから連れてくると言い残して出ていった
人の目もないし思う存分魔王様と遊ぼう
「おんぶ、ウンちゃんおんぶ」
必ず守ります、魔王様