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旅立ちの前
凄いメンバーになってしまった。というのが一番の印象だった。
目の前にいるのは、もふもふさも可愛さの欠片もない猫の獣人。何をしにここへ来たのか、覇気の欠片もない力の抜けた青年。女を見れば見境なく声をかけるませガキ。そして容姿も性格も悪い魔導士の女。
組織への加入試験自体が面倒だというのに、こんな面倒臭そうな奴等を俺に預けるとはいよいよこの組織も人手不足らしい。こんな人材に加入試験を受けさせようというのだから尚更だ。
兎にも角にも、俺は今回の加入試験の説明を始めた。どうやら真面目に聞く気があるやつはいないようだが、俺にも義務というものがあるため我慢し、ため息混じりに説明を続ける。
これから起こるであろうことを思うと本当にため息が止まらない。
俺の災難は、まだまだ始まったばかりだーー