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麦畑で捕まえて

大広場から逃げるために砦の外に出てきたけど。このあと何していようかしら。


依頼を受ける気分では無かったので、もとからノープラン。


何となくあまり見ていないなぁと思い。南に向かって歩き始めた。


砦から出る時は、狩りか薬草採取が主であるので、西の正門から北の森&草原か西の森にしか行かない。


南はブラクソン王国 王都に続く道があり、それなりに道が整備されている。

道の両脇には畑が並び、輝き光り色艶の良い元気な野菜達が収穫を待っている。


畑に実っている野菜は、元の世界と違いはない。


雑草抜きや水やりなどをしている人達を、あちこちに見ることが出来た。


野菜畑の先は麦なのかな、葉が風に揺れている。


穂は見られないので実りの時期はまだ先のようだ。


のんびりとした空気が居心地良くゆっくり歩いていたが、昼過ぎに宿屋に着かなければならないので戻ることにした。


同じ道を通るのも勿体無い気がしたので、西回りに戻るルートを選んだ。


西回りと言っても確立した道では無くて、西の森に面している農道である。整備されている道では無いので、雑草が生えているデコボコ道だ。そこをのんびり歩く。


のんびりとは言っても振動感知は働いているので麦畑のすぐ横の森の中には、たくさんの動物達の反応を感じながらである。


この辺りは定期的に兵隊達が狩りを行っているので、魔物や大型の肉食動物の反応はない。


でも森の中に人の反応がある。たぶん冒険者が薬草を採取しているのだろう。と思っていたが、何やら反応がおかしい。


って言うか、一人がこっちに走って来て、その後を集団で追いかけて来る?


アタシは躊躇無く身近にある森の木に登り隠れた。何があったか知らないが巻き込まれるのは御免である。


そこに冒険者だとしたらあまりにも軽装な少女が現れて左右を確認してから砦に向かって農道を走り出した。


どうやら少女のターゲットはアタシではなかったらしい。


次に現れたのは男五人だ。こちらは誰が見ても冒険者だと分かる格好である。同じように左右を見て走り去っていく少女の姿を見つけ「待ちやがれ」と追いかけていった。


「待ちやがれ」と言われて待つ人など居ないと思う王道的なパターンだ。



もしかしたら、追われている少女は姫様とかで、アタシが助けることにより王族との繋がりが出来て、時代のうねりに巻き込まれるはずだったとか?


と妄想が膨らみ掛けたが面倒な事にならなくて良かったと思うことにした。


木から降りて農道を歩き出す。


どう見てもフル装備の冒険者より軽装の少女の方が足が速そうだったからだ。


あれならすぐに砦にたどり着けるだろうし、兵隊達に保護して貰えるだろう。



運命の神様の悪戯で、農道のデコボコ道に躓いて転んだときに足を挫いてしまい。走れなくなったとかない限りはね。


なんて妄想の追加をしてしまっていたのが悪かったのか。


少女が居た。しかも先程の冒険者達に半包囲されている。


これって本気で助けなければいけない流れなのかしら。


時代はアタシを求めているってか?


ここまでお膳立てされれば助けに行くのもやぶかさではないが。


問題はアタシの攻撃って人相手だと致命的なぐらい殺傷力が高い攻撃か、ただの嫌がらせ攻撃しか出来ないことである。


アタシのホウキは軽いので鈍器としては要を足さない。普通に叩いたところで鬱陶しいだけだ。相手にダメージを与えるには相応な速度を出すしかないが、そんなことしたらバッサリ切断してしまいそうだ。



そんな事を考えてしまい躊躇していると。


街道から走ってくる三人の冒険者の振動を感じた。一人が先行している。


はたして敵か?味方か?



って言うか、そもそも追われている少女が悪い場合もある。


なので問答無用で斬りかかるのは一番してはいけないのだが。


あ。街道から走って来た冒険者がそのまま跳び蹴りした。


その男の冒険者は、砦では見たことない防具を着ている。


ぱっと見た感じではアランさんと同じ青い防具なのだけど質がまったく違う。

アランさんには悪いが、こちらの方がいかにも高級そうに見える。


だがあれは不味い、きっと金持ちの上に、自分のやることは間違っていないと思い込んで行動すると言う、絶対に関わってはいけないタイプの人間だ。


素で自分は勇者とか言い出しそうな気がする。




跳び蹴りをかました冒険者は、そのまま乱闘に突入している。後から来た二人は女性だった。乱闘には参加せずに見ているだけのようだ。


アタシは考えを修正した。



ハーレム勇者パーティがメンバーを増やすイベントだったようである。



アタシは興味を失い、巻き込まれないように街道に向かった。


その後、砦まで何事にも巻き込まれずにたどり着いた。


門兵にギルドカードを見せて門をくぐり、大広場を覗き見る。

訓練は終了していたようでホッとして宿屋に向かう。


せっかく畑を見て、ゆっくりとした気分になれたが変な冒険者達のせいで台無しだ。


午後も宿屋の親父と話し合いをしないといけない。


今日はイベント盛り沢山である。



本気で長い一日になりそうで、ため息をつくマッキーであった。




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