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オークの伝令

戦場を抜けて来たオークは三頭居る。


鑑定を使ったところ三頭とも、強化個体であった。


身体のあちこちが血だらけであることから満身創痍の様子。


でも油断は出来ない。


ジョンさんの仇のオークも最後まで暴れていたからだ。


身構えていたアタシ達であったがオークの動きがおかしい。


戦場を抜けたオークは、こちらに向かって来るわけでもなく。北東方向に向かって、移動しはじめた。


どうやら傷付き逃げ出したらしいと判断したアランさんは、この場での待機を指示した。


戦いに身を投じようと高まって来ていた緊張感が霧散した。


だが、その方向には確か、二十頭程のオークの集団が居たはずだ。更に先には大集団が居る。


アタシの思い違いなら良いが、オークが援軍を呼ぶために、戦場を抜け出したとしたら。


あれは放置してはいけない。アランさんにオークの進行方向に居る脅威を伝え。追撃を提案した。



その間も、オークは離れていく。



アランさんは、追撃はしないこと決めた。


だが、この場で待機をするわけではなく。


戦場と野営地に、オークの援軍が来る可能性がある事を伝えることになった。


戦場には、アランさんとキャサリンさんが向かい。

野営地には、ケニーさんとジェニファーさんが向かう。


あれ アタシはやっぱり戦闘ではイラナイ子だから この場で待機なの?


せめて野営地に向かう組に入れて欲しいな。


少し悲しくなったが、指示には従おう。


アランさんは困った表情を浮かべて こちらを見ている。



その後、アタシにも指示を出した。







アタシは今、一人で草むらに潜んでオークを見ている。


オークが本当に増援を求めて、戦場を抜けたのかどうか確かめるためだ。



アランさんは、困った表情を浮かべた後、真剣な顔をして。


「人間を見たら、兎に角襲い掛かってくるオークが、増援を呼ぶとは正直考えられない。

だが、敵前逃亡するオークも正直考えられない。

もしかしたらオークは、進化したのかもしれない。本当に援護を呼びに行ったのなら、これからの戦いは厳しいものになる」

と言って、アタシ一人に偵察を指示した。


アタシのスピードには、誰もついていく事は出来ないから「申し訳ないけど御願い」だそうだ。


それを聞いて嬉しくなるあたり、先程までのネガティブな感情を振り返る。


もしかしたら、肉体年齢に精神が引きずられて、子供っぽくなってしまっているのかもしれない。


アタシは大人、四十歳。


イラナイ子だなんて、大人は思わない。出来ることを自分で考えて、探して、行動する。それが大人だ。

そう自分に言い聞かせて、オーク達の様子を見る。



この場所はオークの集団がある場所である。草むらに潜みながら振動感知をしているのだが、血濡れのオークが集団に合流した事は間違いない。


これで少なくとも、オーク同士は仲間の位置を知っていると言う事は分かった。


後は、オークの集団が戦場に向かうのかどうか確認するだけである。


血濡れのオークが合流した直後は騒がしかったが、集団に動きはない。



ただ逃げて来ただけで、応援を呼びに来たのではないのかと、考えかけた時に、集団から一頭のオークが東に向かって移動を始めた。


相撲取り体型のオークの中では、かなり痩せ型だ。迷いなく早足で進む姿は、まるで伝令のようだ。


アタシは伝令を追うべきか悩んだが、集団の監視を続けることにした。




暫くしてオークが移動を始めた。方向からすると、戦場に向かうようだが、偶々かもしれないとも考えて、距離をおいて追跡と言うか先行する。


なぜかと言うと、戦場の方向が風下であるからだ。オークが進む方向が戦場と分かっていなければ出来ない芸当である。


二キロ程同行して、歩みが止まらない事を確認した。ここまでの所要時間は二十分。


人間の歩く速度より少し早い程度である。


あと四キロくらいだから、移動速度が変わらない限り三十分くらいで、戦場近辺に到着する。


これ以上の偵察はただ時間を無駄に消費するだけだ。


アタシは最速の一歩を踏み出して、アランさんと決めていた合流地点に向かった。




すでに戦場を離れてから三時間近く経っている。



だから、オーク戦はとっくに終わっていると思っていたのだけど。



視界を埋め尽くす、このオークの集団はなに?


慌てて減速したので久し振りに転んだ。


気を全身に行き渡せてあるから、肉体的ダメージは無いが、転んだことが、恥ずかしくて精神的に少しダメージを受けた。


精神的ダメージでは回復包帯は発動しませんから悪しからず。



なんて、恥ずかしがっている場合ではない。



オークの集団が、ここに居るってことは冒険者逹が負けたって言うことだ。


アランさんとキャサリンさんが戦場に居たはずだ。


みんな無事なのだろうか?



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