狩り再び
アランさん達に近寄りながらオーク討伐は知らない話だった事を思い出して
心の中で謝りつつも
「おかえりなさい。お疲れさまです。みんな大きな怪我もなく無事で良かったです」
と、言うしかなかった。
他のパーテイもいる宿の食堂だから、下手な事は言えない。
そんな雰囲気を察してくれたアランさんが、一通り簡単に話をしてくれた。
オークを倒して砦に戻り、ギルドに報告していたらコボルトの群れが襲撃してきた。
守護兵が総出で撃退したから被害は軽微ではあったが守護隊長に中々オーク討伐完了の報告が出来なくて、ようやくさっき報告を終えたところだそうだ。
今日の夕方前には外出禁止は解かれたので、気の早い冒険者はすでに出発しているらしいぞと言う。
アランさん達はどうするのか聞いたら、
五倍の人数でも死傷者が出てしまうくらい難敵だったことを加味されて、ある程度纏まった報償が出たから、急いで狩りにでる必要はなくなったけど、
元々は、アタシに集団での狩りのイロハを教えるためだったから明日、再出発しようと言ってくれた。
アタシには異論はないので了承しておいた。
翌朝、大広場に集まり草原方向に出発した。日が暮れるまでに、小さな群れのゴブリンを撃退すること数回。アタシはスピードを生かしゴブリンを翻弄しつつ。隙あればホウキで叩いた。アランさん達はアタシが走り回る事によって集中できないでいるゴブリンを流れ作業のように叩き斬り、火の玉をぶつけていた。
戦果は上々で、夜営の準備をしている。
この世界でも、動物は火を怖れるので焚き火は欠かせない。魔物には火は関係無いが基本的に活動時間は昼なのでそれほど気にする必要はないけど、安全を帰すため、交代で眠ることになっている。
アタシの担当は真ん中にしてもらった。一番きつい時間らしいからだ。きついと言っても、襲われやすい時間だと言うことではなくて、中途半端な睡眠時間になるので翌日が厳しいらしい。
って言っても、アタシはしょっちゅうバッタさんに起こされていたから馴れたものだ。
アランさんが代わると言っていたが、押し通した。
最初はキャサリンさんとジェニファーさんだ、体力が少ないから一番睡眠がとれる時間に分けられたのである。
夕飯は、塩漬けした肉でダシをとった野菜のスープに、日持ちするように作られた固いパンである。
その時に、動物や魔物の肉を食べないのかと聞いたら、草食動物なら食べるけど、捕らえる時間があるなら、魔物を狩ることを優先するし、魔物の肉は毒があると言われているので食べないそうだ。
毒物食べてしまったなぁと、あの不味いゴブリンの肉の味を思い出してしまった。
ゴブリンを食べた事があるのは秘密にしておいたほうが良さそうだ。
その後、アランさんとケニーさんとアタシは、虫が嫌がる臭いのする布を地面に敷いて先に眠ることにした。
街中とは違い、知り合いだけなので、余計な振動に気を取られずに眠ることが出来たのは幸いだった。
人が傍らに佇む気配を感じたので目を開けたらキャサリンさんに驚かれた。
どうやら交代の時間らしい。
交代の時間の目安は、メークイン型の月が、地平線に掛かるくらいで良いそうだ。
因みに、メークイン型の月は『女王月』(クイーンムーン)、馬鈴薯型の月は『騎士月』(ナイトムーン)と呼ばれている。
女王月が沈むまで火の番をしている。アタシには振動感知があるので周囲の警戒は座ったままの方が都合がよい。
動物は火を怖れると言うけど煙が嫌なのでは無いかなと考えながら時間が経つのを待っていた。
時間になったので、アランさんとケニーさんを起こし、問題なしと伝えて、再び眠りに着いた。




