コボルトって
砦に着いたけど、今は真っ昼間。暗闇に潜んで壁を乗り越えることは出来ない。
しかたないから周辺を探索することにした。砦の北側は、はっきり言って何もない。ゴブリンやコボルト、オークが生息する草原に面しているからだ。
川沿いの森を切り開いて作られた砦で、森が唐突に終わっている感がぬぐえない。
有視界を稼ぐために大きく伐採したのだろう。
砦の東側は、川になっているので見に行けない。
西側の正門から少し離れた場所に林がみえるがその向こうから先には畑が広がっている。
畑の草むしりの依頼はまだ受けたことがないので、何を栽培しているかわからないけど、砦内で食べる野菜は美味しいから発育は良いようだ。
自分が食べる物だから、どんなのか気にはなるけど。
正門前を横切るのはさすがに見付かってしまうと思うから、今日は遠目にしかみることが出来ないのですよ。
大人しく北側の森に潜んで薬草探しをしていると、昼過ぎ頃にアランさん達が通りすぎた。
距離が近いことからか、三人の遺体も連れて帰ってきていた。遺体は砦の南側の畑の先にあるお墓に埋葬される事になる。
魔物に殺られてしまった場合、最低限の遺品のみ広い集め、遺体は放置せざるを得ない。傷ついた遺体から出る臭いに引き寄せられた魔物に襲われるからだ。
砦に着いた後はアチコチに報告しないといけないから忙しくなるんだろうな。
真紀は手を合わせて見送った。
その後も薬草を探していると、振動感知に反応があった。これは大きな群か?何の群かわからないけど、森の中をこちらに向かって進んできている。
近くの比較的高い木に登り森を観察する。
特に異常は見られない、そうすると接近する群は地上のみ移動しているという事だ。
再び地面に降りて詳細に反応を確かめた、群れの先頭が識別範囲に入った。
これはコボルトだ、二足歩行の犬の魔物である。こいつらなら砦をどうこうすることは出来ないだろうから、報せに走る必要は無いだろう。アランさん達も着いたばかりであろうから、外出禁止のままであるだろうしね。
自分自身を守れれば問題なし。と考え再び高い木に登ってコボルトの群れを観察することにした。
コボルトの群れはアタシに気がつかずに、通過していったけど、短毛、長毛も居るし、ブチとかシロとか茶毛とか青毛とかコボルトって結構カラフルなんだなぁ。もしかして癒し系?かしらと呑気に思っていた。
コボルトの群れは、砦にぶつかると壁沿いに正門の方に向かっていった。
ここからでは正門は良く見えないけど、気にしてもしかたないしアタシは薬草探しを続けた。
そして日が落ちて、すっかり辺りが暗くなったところで、外壁に取り付き砦内に帰還した。
何も知らない振りをするために、マントや防具を背負い袋にしまい、変わりに服を着てギルドに顔を出したが受付さん以外に誰も居なかったので宿に戻った。
宿に戻ると、アランさん達が静かに夕飯を食べていたので、軽く頭を下げて通りすぎようとしたら。呼び止められた。
なんだか、ワンパターン化してきたなと思いながらアランさん達に近寄った。




