お食事(グロ注)
真紀が身体を色々と動かしてくれたおかげで、僕も動かし方を覚えたです。
食べ物(虫)を探しに行こうです。
さっきのガケを登った先には食べ物(虫)があったみたいだけど。
爬虫類は、やっぱり怖いです。
逆に進んで見るです。
しばらく進むと、穴がありました。
覗いてみると、かなり深そうです。
僕は、天井に向けて、先だけベタベタな糸をだしたです。
そして、少しずつ糸を出しながら穴の底に向かって降りていったです。
数分かかって漸く、地面に着いたです。
そこは地下水路のように、両方に岸があって真ん中を水が流れています。
岸に降り立ち、僕は下流に向けて進みましたです。
川岸には、たくさんの食べ物(虫)が居ましたです。
さぁ狩りの開始です。
僕は、食べ物(虫)に向かって駆け寄りました。
が、狩りは諦めましたです。
蜘蛛の食事の仕方は知っているですか?
蜘蛛の糸で、絡めて縛り付けて、身動きの取れなくなった食べ物(虫)を丸かじり。
では、ないです。
身動きの取れなくなった食べ物(虫)に、消化液を、はきかけて、溶けた部分をジュルジュルとススルのですよ。
でも、今は真紀の身体のサイズ。
狩りにならないのです。
初めは、ネバネバ糸を出して捕まえたは、良いけど。
出した糸の範囲が広すぎて、食べ物(虫)が何処にいるかわからなくなり。
漸く見つけて、消化液を掛けたら、あっという間に、溶けて地面に吸い込まれてしまったのです。
食べ物(虫)を無駄にして、ごめんなさいです。
次は、糸の量を減らしたので、すぐに見つけられたけど、消化液を掛けたら、、、、、
ごめんなさいです。
狩りは諦めたです。
だって、食べ物(虫)は、手で摘まんで、消化液をかけ、溶けきる前に、それを口に放り込んでススルのです。
食べても美味しくない殻は、ペッです。
これでは、狩りとは呼ばない、ただの食事です。
……困ったことになったです。
多分、元の僕だったら、それこそ一生分のたくさんの食べ物(虫)を食べたのに、
満足にならないです。
人間って大食漢なんですね。
川下に向かって、移動しつつ、見掛けた食べ物(虫)を摘まんでいると。
地下水路のような場所から、外に出れたです。
外って事は、巨大爬虫類がいるかもです。
恐る恐る、外を見回すと、バッタが草を食べています。
真紀の記憶と照らし合わせて見ても、色といい、形といい、バッタで間違いないのだけど。
でもこのバッタは、体長三十センチもありました。
これを食べればお腹いっぱいになるはずです。
でも、さすがに手で摘まんで、なんて出来そうにありません。
やっと狩りが出来るです。
巨大爬虫類の恐怖があるため、その場から狙うことにした。
バッタまでの距離は、ちょっと離れているけど
、糸を飛ばす飛距離だけなら倍でも、問題ない。
でも、狙いが付けられないです。
そもそも、蜘蛛の身体と、人間の身体とでは、構造がまるで違う。
蜘蛛は、おしりから糸を出すと思われがちだが、
あの部分はお腹なのです。
お腹の先にある、糸イボ(いといぼ)と言う器官から糸を出しているのです。
ちなみに真紀は、おしりと表現しているけど、真紀の身体の糸が出る場所は、ちょっと上の尾骨の辺りなんです。
他にも、蜘蛛の足は八本ありますが、すべて胸からはえていてお腹には足がありません。
でも真紀の身体は、お腹から先に、足がはえています。
蜘蛛なら前を向いたまま、おしりを前に向けることが出来ます。
真紀の身体は、前を向くと、おしりは後ろを向いてしまいます。
犬が西向けば尾は東です。
まごまごしているとバッタに逃げられてしまうかもしれません。
前を向きながら、おしりも前を向かせる方法はないか?です。
そうだ逆立ちするです。
さっそく実践するも。
重心が高い為、微妙にふらふらしてしまい方向が定まらない。
そのまま、足をおろして、ブリッジの体制に、
安定はしたけど、おしりが下を向いてしまい、
前に飛ばせない。
それじゃぁ、四つん這いです。
おしりを高く突き上げて、股のあいだから前を見ると、
天地が逆さまに見える。
狙いづらいけど、これなら当てられる。
端からみると包帯スクール水着女が、おしりを高く付きだして、股のあいだから顔を出しているという、
なんとも表現出来ない体制だが、固定砲台としてみるなら安定度抜群で、問題なさそうだ。
のんびり草を食べているバッタに向けて発射です。
見事命中し、バッタを捕らえることが出来た。
逃げようとして暴れるバッタを見て、口角があがる。
食べ物(虫)は、生きが良いのがいいね。
口から消化液を吐き出し、胴体から少しずつ溶かしなから、ススル。
身体を少しずつ溶かされていることに気がついたバッタは更に暴れようとするが
糸でがんじがらめにされているため、ビクビクとするだけ。
美味しいです。美味しいです。
僕は満足です。
こんなに、たくさん食べられたから、悔いはないです。
お腹いっぱいで、少し眠くなってきたです。
僕は、川岸の壁際に繭玉を作り潜り込む。
そして一言。
「おやすみなさいです」
自分自身である真紀に向けて話しかけ、眠りについた。