蜂の巣はつつきたくないよね
マッキーさんの言うことが信用出来ない訳ではないがと前置きして。
「少しでも情報を得るため偵察に向かう。行くのは私とマッキーさん。
三人は草原に百メートル後退して待機。一時間経っても戻らなかったら砦に戻りギルドへ報告」
「「「了解」」」
三人は声を合わせて、返事をしてからダッシュで草原に向かっていった。
その流れに乗れないアタシは置いてきぼり。
立ちつくしていると、アランさんは正確な方向と距離を聞いてきた。
この方向に五十メートルですと言ったら。至近距離じゃないかと大焦り。さっきと違い小声で話し掛けてきた。
あまりの焦りように、散発的にゴブリンがオークに攻撃を仕掛けているのでまだ気がつかれていないと思う。と話しておいた。
明らかにホッとした表情を浮かべたので、でも至近距離であることは間違いないので慎重にと更に言っておいた。
実際問題、五十メートルなんて足の遅い人でさえも、十秒あればたどり着く距離だ。
アタシとアランさんは、風下側に回り込む様に移動しながら森の中に入った。
明るい草原から少し暗い森に入ったので目が慣れるのを数秒待ち、偵察を行う。
居た。大きな体躯のオークが、ゴブリンを凪ぎ払っている。
ゴブリンはすでに五頭となっているが抵抗を続けている。
アランさんの判断は早かった。
すぐに森から出ると、ハンドサインをしてきた。
物音を出来るだけたてないように慎重に森を抜け、待機場所に到着すると直ぐに砦に引き返す事を決めた。
周囲の警戒は怠らないが、行きとは違いかなりの早足で砦に向かう。
往路半分、残り十キロ程の場所で大休止。
アタシは岩山登りで鍛えた体力があるので、まだまだ元気だが、元から体力があまりない、魔術師のキャサリンさんとジェニファーさんは、荒い息をして座り込んでいる。
重装備のわりに、アランさんとケニーさんは、流石の体力。座り込むことなく立ったまま水分補給している。
日射しは中天高く照り付けている。
今は草原の中にぽつりぽつりと生えている、あまり葉のない木の木陰にいるので若干日射しは優しいが。でも暑い。
このままでは二人は熱中症になるのではないかと心配になり。
背負い袋から、水の魔道具を取り出しタオル二枚でくるむ。そして魔力を込めて水を発生させた。
水が滴るほどタオルが濡れたので、魔道具を取り出してタオルを振り回す。
休憩中マントを外している二人の背後に回り込み、首もとにタオルを置いた。
「「きゃっ」」とか可愛い悲鳴を上げて飛び上がっていたが、冷たくて気持ちよかったのだろう。
温くなったら自分でタオルを振り回して首に当てるを繰り返していた。
熱中症と言う症状があるのか聞かなかったけど、回復の役にたったようなので良しとした。
キャサリンさんとジェニファーさんの息が整ったところで再出発し、中天を通り越しやや日が傾いたところで、砦にたどり着いた。
今朝出たばかりのアラン達が、もう戻ってきた事に不思議そうな顔をしていたが、簡単にオークが半日程度の森の中に居ると伝えたら、慌てて報告に行った。二の門の門兵にギルドカードを見せて「我々は冒険者ギルドに報告後もギルドに待機しますから必要なら呼び出して下さい」と伝言を頼んだ。
急ぎギルドに戻り、アランさんが詳しく支店長に報告した。
支店長は受付さん達に、砦外へ出る依頼の発注を禁じて、急ぎ足で出て行った。きっと砦守護隊長と対応の協議に行ったのだと思う。
アタシ達は、ロビーで待機だけど。
キャサリンさんとジェニファーさんは、机に突っ伏している。アランさんとケニーさんは何やら話し合っている。
しかたがないから、ギルドでは、飲食物は取り扱っていないから何か買いに行ってこよう。




