旨いものを知っている奴ら
オオカミのテリトリーを抜けてから4日目。
水深が膝下くらいの小川を発見。
水の中は、振動感知が効かないので、緊張しながらだったけど、久しぶりの水浴びは、気持ち良かった。
気分スッキリです。
四日前の木の高い位置に付いていた爪跡は、くまさんでした。
大き目な反応が、広範囲に散らばっていたから、いくつか見てきたところ。
立ち上がれば、三メートルはありそうなくまさんが雑魚寝してた。
普通の動物は、お腹がすかないと狩をしない。
そして、この森は食べ物が豊富にある。
わざわざ訳の解らない、知らない生き物を襲う必要がない。
って感じで、その後四日間、なんの驚異にも合わなかった。
そんなこんなで比較的安全みたいなので今日は、水浴びをしてた。
籠手と膝当ては、水浴び前に洗って、今は干している。
水弾きが良いから、すぐに乾くだろう。
水浴び直後だから身体が濡れているけど、回復包帯を出し、身体に巻き付ける。
いつ襲われるか、わかったものではないからね。
水浴びする度に、何度も繰り返していた作業だから、手慣れたものだ。
装備が乾くのには、少し時間がかかると思い、何か無いかと見渡した。
小川の回りは木が少ないので、空が広く感じた。
ここならジャンプしても大丈夫かな?
周辺を目視しようと考えたからだ。
さっそく三十メートルの垂直跳び。
十階建てビル相当の高さなので、かなり遠くまで見渡すことが出来た。
洞窟から離れ一週間以上歩いたので、一日の移動距離が三十キロとして約二百キロ、岩山はもう景色と化している。
山に囲われた、この森もあと少しで、抜けることが出来そうだ。
でも、その先も大きい川沿いに森が広がっているようである。
見える範囲に、文明的な物はなし。
地道に下っていくしかないか。
しばらくの無重力状態を楽しんだあと、地上に引き寄せられる、着地の衝撃は気を足裏から出すだけで和らげることが出来る。
気を出しすぎると、トランポリンのように跳ねてしまい、絞りすぎると、足が痺れてしまう。
何度も訓練しているので、丁度よい加減で問題なく着地した。
目標なく歩くのは辛いと知っているので、周囲を囲う山の近くに着いたら、とりあえず山を登ってみようと考えてみた。
高いところから見れば、新たな目標が出来るかもだからね。
しばらく、装備が乾くまで木陰で休んでから、再出発した。
この辺りは、猿が多くいるみたいだ、かなりやかましい。
でもおかげで、この世界で食べられる植物が増えた。
酸味の強い、数種類のベリー系。
水分たっぷりなブドウ系。
栄養価の高いはずのバナナ系。
果物の他に、野菜類も色々食べているのを見かけた。
どうやら、元の世界と同じ姿の果実や野菜等は同じ味がする食べ物の様である。
食べているのを見かける度に、どんどん味見をしていった。
どれもこれも、自然食な分、甘さは低いが美味しく食べられる。
いくらデザートは別腹と言っても、もう食べられない、お腹いっぱいだぁ。
猿のいるエリアを離れたところで夜営の準備を始めた。
多少離れたと言っても、猿の鳴き声は不気味に良く響く。
そんな中でも、お腹いっぱいなので、ぐっすり眠ることが出来た。




