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歩くときは気を使って

登りより下りの方がきつく、岩山から降りきれた瞬間、岩山を背に、そのまま座りこんだ。


それにしても、あの時感じた畏怖は何だったのだろう?


人知を越えた存在でも居るのだろうか?


それとも結界?


どちらにしても、異世界ワールド全開である。




そんなとりとめもないことを考えていたら。


上がった息も落ち着いたので、洞窟に戻った。




今回、岩山を昇ったことで、体力の限界がわかった。

でも、この程度でバテてしまうのでは、長旅には到底耐えられない。



そうすると、持久力をつけることが必要なんだよね。


こればかりは、根気強く続けるしかないか。



他に、アタシが旅をするために必要な事を考えよう。



持久力をつけること。

気の扱いに慣れること。

糸の活用方法を探ること。

火の能力を調べること。


すること、いっぱいだなぁ。


他にも、食べ物、飲み物、寝るところ……



ダメだ、どんどん深みにはまりそう。


効率良くやるなんて無理。


思い付いた時に、色々やってみよう。



でも、持久力は、閃きで出来るわけないから。


毎日、登れるところまで、岩山を登ろう。


余裕で降りられるようになったら、合格だね。



そしたら、旅に出よう。


森の歩き方なんて知らないから、違うけど、習うより慣れろだ。


森の歩き方は、しながら覚えればいいよね?





そうと決めたら、さっそく気の扱いに慣れよう。


うまく使いこなせれば、時間辺りの移動距離を稼げるよね。


木と木の間を、軽く左右にステップしながら縫うように爆走する自分を想像し、

悦に入っていた真紀であったが、そんな簡単なことではないと気付くのは時間の問題である。





今は、お日様が地に隠れ、すっかり暗くなったころ。


昨日は、火をつけることに失敗したが、今日は簡単に成功した焚き火の前で、

全身擦り傷だらけの真紀が膝を抱えて、体育座りをしていた。



別に落ち込んでいるわけではないのだが。



お腹が空いているわけではないけど、口が寂しいので、

オレンジを摘まみながら、気を使った訓練を振り替えっていた。




まずは、昨日、止まれずに木にぶつかってしまったことを思い出し。


足からでる気を更に抑えて走り出した。



一歩、二歩、三歩。

歩幅は五メートル程、順調に進んでいた、


四歩、五歩、木に近付いてきたので、速度を落とす為に、

気を使うのを止めて、惰性で歩みを止めようとしたが、

そう簡単には止まれない。


上半身は完全に前のめりになり、

足は地面を蹴れずに空振り。


そのままヘッドスライディング。

すべって、転がって木にぶつかり、やっと止まれた。



全身痛かったが、くじけず、訓練を続ける。



いきなり走るのは、無理だと気づいて。


次は慎重に、一歩だけ進んで止まろう。


踏み出しは問題ない。


だけど、止まろうとして、やっぱりダメ。


その一歩は五メートル。


オリンピックの選手が走り幅跳びして着地した後を考えれば当然の結果である。




バランスを崩すだなんて緩い表現ではすまない。



着地した足を支点に、上半身が回転、そのまま前回りしたように転がる。



次に転がらないように耐えようとすれば、そのまま倒れて鼻をぶつける。


何度やってもぶつける。




頭に刺激は必要なんだね、唐突に閃いた。



漫画とかで、足を滑らせながら、勢いを殺して止まるという描写があった。


踏ん張らず、足を滑らせる、さながらスライディングのような体制でやってみたら、転ばずに止まることが出来た。


でもこれでは気を使った歩行は出来そうもない。


漫画から考察するに、アタシには、勢いを押さえつける筋力が足りないみたいだ。


そんな事を読んだことがある。


筋トレも日課に増やさなきゃである。




今日の訓練で出来たことは。


あの後も何度も繰り返し、今のアタシの筋力で走っても、どうにか止まれる気の量を見つけたこと。


あと意外というか、なんで気がつかなかったのだろう。


気を全身を覆うようにすると、転んだくらいでは怪我もしなくなったのである。



先に、こちらを覚えてから、歩行訓練をすればよかったなぁと思う真紀であった。



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