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世界の王と解決への道

目が覚めると、そこはクレーターにあるアタシの家ではなくて、やっぱり岩山の洞窟の前だった。

あんな訳の分からないことばかりだったから夢落ちを期待していたのに違っていたようだ。


洞窟と言うか岩山の近くは安全地帯であったのが幸いして、無防備に寝ていても肉食獣に襲われることなくいられたようだ。

この岩山は世界の王ことドラゴンの住みかのようだ。あんな存在が住むような場所である。虫は居ても獣が近寄って来ないのは納得である。


今ここには、アタシと変なポーズをした石像だけがいる。


穿った見方をすれば森深い洞窟に二人きりである。

何かが起きても当然な雰囲気だ。


アタシは石像を見て、なんとも言えない心持ちになった。

自分で作っておきながら、どうしてもアレが目につく。

もやもやとした気持ちをなんとかする為に、どうにかすることにした。


どうにかするのに邪魔なマントを脱ぎ

お尻に手を掛けた……




「はぁ。すっきりした」

そう言いながらも後片付けの手は休めない。


「やっぱり精神衛生上良くないよね。誰か人に見られたらいけないし。子供の教育や道徳にも関わるしね」

そんな言い訳をしつつ石像を見る。


もう、もやもやはしない。

だって、石像はパンツをはいているのだから。

あまりに急展開だったので世界の王本人に、はかせることは出来なかったけど、石像なら文句もなくはいてくれる。


もちろん包帯をパンツの形に縫っただけだと、ずり落ちてしまうからしっかり拘っている。

本来ならゴムがあれば楽だけど、無いものはしかたがない。腰回りは編み物の編み方であるゴム編みをしている。

ずり落ちないように、幅広に編んだから、腹巻きの様にも、子供用おしめの様にも見えてしまうけど相手は裸の石像であるから、何かをはいているだけでもましでしょ。


再び変なポーズにして立たせた。


うん、今度は何にも感じない。


アタシは満足したので、ここを離れようとしたが、唐突に思い出した。


以前、この岩山を登ろうとしたが、途中で進む事が出来なくなった。


だが世界の王の住み家なら納得だ。

何か不思議な力で進めないなんて有りうることだから。

今はどうだろう、だいぶ力もついたし世界の王から好きにして良いとお墨付きだ。


早速登り始めた。

そしていつも足止めをさせられていた場所を抜けると頂上にたどり着いた。

あまりにもあっさり着いたので逆に驚いてしまった。


はたして……


「小娘よ何の用だ。この地に足を踏み入れると言うことは、儂を襲うとでも言うのか?」


やっぱり頂上に居るよね。

まあ。それはそうか。この岩山は世界の王の住み家なのだから、この状況は家宅侵入になるよね。


誤解を解くために、以前不思議な力が働いて登れなかった事を説明した。

それで旅で鍛えた今なら登れるか試しただけで、

世界の王に何かしようとは思っても居なかったと。


それを聞いた世界の王は、不思議そうにアタシを見てから。一人で納得していた。

「そうか。登れたのなら用はないな。では去るがよい」

アタシはせっかく頂上に来れたのだから、そこから見る景色を堪能したくて少しでも話しを長引かせようと話し掛けた。


「世界の王様も知っていると思いますがアタシは岩山の中で産まれました。アタシは何でこの世界に来ないといけなかったのでしょうか?」


更に続ける。


「ヨミさん。えっと魔王も同じく元の世界からこの世界に来させられてしまったと聞きました。元の世界に戻るには元凶である世界の王を倒す必要があるそうです。それで元の世界に戻れるのでしょうか?」


アタシは答えを期待していない。世界の王が少しでも考えてくれている間に、登頂成功の余韻に浸りたいだけだから。

期待通り、即答はなかったので景色を堪能する。


あの川沿いを歩いて、あの辺がラットマンが居た辺りで、オオカミが居て熊が居て、スライムが居たよね。

そう言えばスライムの粉は何に使えるのか調べるのを忘れていたなあ。

世界の王なら知っているかも。聞いてみようかな。

なんて思っていると。


「小娘よ。お前はこの世界が嫌いか?」と唐突に問われた。


嫌いかと問われたら、嫌いでは無いので「嫌いじゃないよ」と答える。

好きかと問われても元日本人ならば、きっと嫌いじゃないと答えると思うけど。


更に問われた。


「ヨミはこの世界を嫌っていたのか?」

アタシの受けた印象では嫌ってはいなそうであった。なんとなく誰かにそそのかされている雰囲気を感じた。だけどあくまでアタシの受けた印象だから実情は分からない。


なんと言おうか言葉に窮していると世界の王は突拍子も無いことを言い始めた。

「小娘、お前を元の世界に戻すことは可能だ。だが今すぐには出来ない。

今は闇魔の力が強まっているので、それがフィルターとなってしまい。世界を繋げられないからだ。

闇魔の力を一時的にでも封印する事が出来れば世界を繋げることが出来るがまず無理だ。

確実なのは約三千万年後に起こる大量の魔元素の流入に乗じれば可能となる。

そうすれば元の世界に戻すことが出来るぞ」


いきなり全てが解決しそうな話しであったがあまりに壮大な時間軸な話しに唖然としていると。


「闇魔は儂ではどうしようもない存在だ。強大で封印なんぞ出来た試しはない。そんな事が出来るなら苦労などしない。

元の世界に帰りたければのんびり三千万年間旅でもして待っていて欲しい。

ヨミにもそう言ったのだがな」


三千万年待ち。


いやはやそれは人間の生きられる時間単位では無いですって、こともなげに荒唐無稽の話しをするのはこの口か。

景色なんて二の次以下だ、とにかく説明を求め話しを聞いた。


話しを聞いておきながらアタシは嫌になった。

と言うかヨミさんに同情した。

先に世界の王の話しを聞いていたらきっとヨミさんに協力していたと思う。

それは、アタシの事は置いといて世界の王はやっぱり元凶であったからだ。



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