Darkness (シキside)
短い夢の終わりは唐突に訪れた。
本当は心のどこかでわかっていたのかもしれない。
いつかはこんな日がくるのだと。
でも、信じたくなかった。
嘘だといって欲しかった。
「別れよう、私たち。」
薄暗い静寂の中に包まれた公園に響く、愛しい声。
真っ白になった俺の頭は、もう何一つ考えることができなくなっていて。
俺は黙ったまま彼女の目を見続けることしかできなかった。
「理由は?」
小さく俺の口をついて出たのはそんな言葉だった。
俺が聞きたいのはそんなことじゃない。
「嫌いになったの、シキのこと。もう、好きじゃない。」
彼女が俺から一瞬目をそらす。
俺は左手を強く握り締めて彼女の言葉に耐えた。
それでも頭の中で反芻している言葉に、俺はどうしようもない感情が溢れてくるのがわかった。
「嘘だよ。ちゃんと俺の目、見て言えよ。」
衝動的に掴んだ彼女の腕、俺は彼女に嘘だよ、冗談だよって、言わせたくて躍起になった。
彼女は下をうつむいたまま黙ったままで、その表情を読み取ることができない。
「離して。」
小さな呟きとともに、掴んでいた腕が振り切られる。
俺はその瞬間、目の前が真っ暗になった。
絡み合う俺と彼女の視線。
終わる。
心のどこかで誰かがそう、囁いたような気がした。
「さようなら、シキ。」
リア、背中を向けて去っていく彼女に、俺はなにもできなかった。
走って追いかけることもできたのに、俺はそれをしなかった。
いや、できなかった。
咽の奥が痛み出し、視界が歪む。
街灯の明かりが視界の端で反射してきらきらと光る。
俺はその場に立ち尽くしたままゆっくりと目を閉じる。
「リア。」
貴女と二人、地獄に落ちる覚悟はできていた。
I don’t have the one to fear anything if it can be with you.




