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青い月  作者: にゃろめ
20/22

Senses (シキside)

Temperature のサイドストーリーです。

微妙な表現がございます。

苦手な方はご注意ください。


月明かりに浮かぶ白い肢体。

あまりの美しさに息を呑んだ。

まるでピンで留められた蝶のように。

俺は貴女に目を奪われた。

もう、とめられない。



どうして彼女はこんなにも愛しいのだろうか。

隣で聞こえる穏やかな寝息に俺は小さくため息をついた。

流れるような綺麗な黒髪をそっと手で梳いてやると、甘い香りが俺の鼻を掠める。


どうして彼女はこんなにも俺を狂わせるのだろうか。

俺はゆっくりと上半身を起こすと携帯を探し、時計を見た。

まだ、3時。

布を纏わない露わになった肌、先ほどの熱が嘘のように引いている。


どうして彼女はこんな俺を受け入れてくれたのだろうか。

“シキ”

彼女が俺の名を呼ぶのがうれしくて。

俺を、俺だけを感じてくれるのがなんだか恥ずかしくて。

休むまもなく彼女を攻め立てた。

理性なんてものはどこかに吹き飛んで、彼女を感じることしか考えられなかった。

彼女は麻薬だ。

彼女のすべてが俺を狂わせる。

彼女は知っているのだろうか。

その潤んだ瞳が、俺の名前を呼ぶ声が、俺を引き付けて離さないその香りが、どれほどの破壊力を持つかということを。

俺はそっと眠る彼女の顔を覗き込んだ。

戸惑いの影なんてどこにも見当たらない、安心しきった安らかな寝顔に、俺は胸が締め付けられたような気がした。

やっと手に入れた。

欲しくて、欲しくてしょうがなかったもの。

でもその一方で失ったものがあるのも事実。

そっと彼女の唇に顔を寄せた。

もう、戻れない。


「リア」


願わくば、彼女の未来に俺が存在することを。



The gentlest kiss to you in the world.

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